今からIBを始める君へ:本質を見抜く目を磨け!

皆さん、はじめまして!

IBDP2年目のウィジェナヤケ・ジョン・ライアンです!見ての通り名前が長い上、覚えられにくい苗字なので、ライアンと覚えてくださると幸いです!ちなみに、名前からわかりますかね?僕は日本生まれ日本育ちの、スリランカと日本とフィリピンのミックスです!

僕は大阪でIBDPを学びながら、DJなどHip-Hop系の音楽活動や、学校の仲間と共に校内外で人権系のプロジェクトを行っています。

TOKの授業で発表した際に、3分間ぶっ通しで噛み続けるなど少し言語に拙いところがあったり、自己主張が激しかったりしますが、周りの仲間に支えられながら、なんとか充実した学校生活を送っています。

実存と認識

 今回、僕がこのプロジェクトに参加した理由は、IBDP関連の情報共有としてはもちろん、IBDPについて何か自分にしか発信できないことだったり、チャンスを掴もうとさえすれば、自分が思っているより大きな土俵で学べるということを、小中学生の皆さんに伝えたいと考えたからです。

このプロジェクトに参加している全国のIB生は毎月一回オンラインで集まって、あれこれ情報交換する場が設けられています。自己紹介がスムーズにいくようにと、今回は熊谷先生から「あなたが家から学校に通う通学路にないものはなんですか?最大3つまで上げてください。」というお題が出ていました。僕は海、路線バス、駄菓子屋さんと答えました。

「路線バス」と「駄菓子屋さん」は、昔はあったのに、今ではなくなってしまっているものとして選びました。特に駄菓子屋のおばちゃんや、駄菓子屋さんの前にあった自販機の前で友達と話していた事は今となってはいい想い出です。

しかし、「海」って答えてやらかしたんですよね(笑)。同じ高校でこのプロジェクトに参加している岩崎永光里さんに、「同じ通学路を通っているのに、海がないっていうのは違和感があります」とつっこまれた時は焦りに焦りました。学校からも海は見えますし、通学する際に乗る電車からも確かに見えていました。

僕が住んでいるところが大阪東部の山間部であったことや、「沖縄といえば…」という思考で海をあげたんだと思います。しかも、海が見えていても、あまりにも普通過ぎて見ていなかったというか……。クマユウには「実際には存在していても、それを認識していなければ、それは本当に存在していると言えるのだろうか?」と問われ、答えに詰まりました。

一方で、他の参加者のお題への答えは、「存在しないもの」を個々人の見方や基準で分析しており、住んでいる場所や好きなものなど、それぞれのバッググラウンドを知ることができるものでした。一番印象に残っているのは、同じ高校の寺谷実花さんが答えた「時間」です。寺谷さんが、通学時間を一秒でも縮めたいそうで、例えばGoogle Mapsが示すルートを通った売位の時間や「過去に通ったルートで記録した最速時間」よりも早く学校に着く、家に帰ることを心がけている謎の競争心についての話はものすごく面白かったです(笑)。

確かに僕たちはもう最終試験まで半年を切っているので、本当に時間がありません…。これから模試も控えているので、時間は切実な問題です。

本質を見抜く

僕がIBDPを志望した理由は、IBの物事の根源を探るような学び方に痺れたからです。

中学時代、授業を受ける度に頭の中に「?」がよく残っていました。何かを暗記したり覚えることは得意でしたが、「どうしてそうなったんだろう」といった疑問が湧いてくるのはもちろん、例えば「多文化共生」に関連する授業を受けていても、「そもそも、なぜ共生するのが大切なのか伝わってなくね??」と思うことが多かったです。でも、思っても発言することはありませんでした。

大変お世話になった中学の担任の先生に勧められ、大阪市立水都国際高校の一期生として入学するやいなや、熊谷先生の授業を受けました。クマユウの授業はとにかく考えて、それを言語化して、それについて問答し、また考え直して言語化します。「自分はどうなんだ」「なぜそう思うんだ」ということを常に考えさせられました。最初は戸惑いましたが、「本質を見抜こうとするIBの教育って面白い!」と思い、IBDPに挑戦することにしました。

締め切りに追われる

現在僕は、SLは言語と文学、歴史、生物、HLはMath:Analysis and Approaches、Chemistry、English Bを選択しています。

IBDPのプログラムを受けていて、まず言えることといえば、 IBDPは人種・国籍、様々な事情を問わず、課題と締切は共に襲ってきます(!)。IBDPの世界に入ると、そこはフェアな基準の元、実績だけが評価されます。なのでタイムマネジメントは、ディプロマを取得する上で鍵になると痛感しています。

僕はやりたいことばかりに目が行きがちで、常に気が付けば課題の締め切りが目前に迫り、「9回裏、3点差、フルカウントでボールを選ぶか、ヒットかホームランを打たない限りアウトになる」といった状況に陥っています。わかりづらいですかね?

もし、これからIBDPを受ける方の中で、部活や何かのプロジェクトと両立する場合は、タイムマネジメントは絶対に意識してください。絶対です。どの科目の課題も考えて、言語化して、また考えて質を上げていくプロセスが必要なので、時間がかかります。

一方で、IBDPは苦だけを与えてきません。教科ごとの手引きや、教科書にある”Understanding”には、ディプロマ取得で必ず取りたい点数を目指せるヒントがあります。どのようなことを理解しておけばいいのかがわかると、一気にマインドセットも変わります。

理科系(生物、Chemistry)では”Understanding”の項目は絶対に見ておくことをお勧めします(何度か救われました…)。また、Dual LanguageでIBDPを受けると、時々言語の壁に出くわしたり、TOKや各教科のIAを考える上で、思考の壁にもぶち当たりました。

自分が一体何をしたいのか、何を言いたいのか、何を見たいのか…、それを知れば知るほど、険しい道のりが、少し楽になったりします。時々、クマユウや教科の先生に僕の欺瞞を見透かされることもありましたが、先生と話す事も案外楽しかったり、IBDPの道を進む時のヒントになっていたりします!

これからIBを始める君へ

IBDPのプログラムは時に試練を課しますが、常に英語な授業だったり、常にディスカッションをする歴史の授業などはもちろん、普段気にしていないようなことをTOKで追求したり、CASプロジェクトで子どもたちとサッカーをしながら見守りをしたり、「自分」を色んな面から見れたり、自分の弱点だったり、極めたいことを知ることができます。

そう!IBDPの各科目の学習を通して、自分が何者なのかという問いに自分自身で答えていくRPGみたいな感じです。クマユウがよく「学びの課程はすべてセラピーだ」と言っていましたが、最近それが何を意味しているのかわかってきたように思います。

何事も経験ですが、このIBDPでしかできないことはかけがえのないものですよ!あなたも、IBDPの世界にダイブしてみませんか?千里の道も一歩からですよ!