国際バカロレアをまたまた斬る!

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昨日は大阪YMCA主催「国際バカロレアフォーラム in 大阪」にたくさんのみなさんに足を運んでいただきました。無事に終えることができて、ひとまずほっとしています。振り返りをするのはもう少し落ち着いてからにして、今日は昨日のフォーラムの裏の趣旨に触れたいと思います。

IBは万能薬ではない

みなさん、こんにちは。熊谷優一です。私が前任校で国際バカロレア(IB)の担当になったのは今から4年前。IBについて話題にしても、ほとんど誰もIBが何なのか知りませんでした。かくいう私も、その当時は日本の教育界に黒船来航くらいにして思っていませんでした。

昨日のフォーラムでは教育関係者が多数を占めるだろと予想していたのですが、実際は保護者のみなさんの参加が目立ちました。中高生のみなさんも来場していましたね。それくらいIBに対する認知が広まってきたことを、この教育プログラム導入に携わってきた者としてうれしく思うとともに、若干の不安も覚えました。

教員になって22年。日本の公教育では様々なプログラムが試行・実践されてきました。その都度、日本の教育、学習を変える、まるで万能薬のように宣伝されました。

これをやれば、中途退学がなくなる。不登校が減る。学力が上がる。これさえやれば……。

問題を抱えている方からすると、藁にもすがる思いで、都度都度紹介される新しいプログラムを信じ、実践してきたんだと思います。しかし、実際は、すべての問題を解決するには至りませんでした。

今、IBに万能薬を求めている風潮があるように時々私は感じるのです。

国際バカロレアをまたまた斬る

熊谷優一が国際バカロレアに対する考えを包み隠さず述べています
熊谷優一が国際バカロレアに対する情報入手について述べています。

これまで「国際バカロレアを斬る!」「国際バカロレアを再び斬る!」で二度、国際バカロレアを日本の公教育に導入するにあたって、私なりの考えを述べました。ここでもう一度、一教育者として、学習者のみなさんに私の考えを伝えようと思います。

私は日本のいわゆる伝統的な学び方が合わない学習者でした。学校に通う意味さえ見失いがちでした。IBと出会って、こんな風に学びたかったんだと初めて意識しました。

何事にも合う合わないはありますが、合わないときに、合うものを選択できるかどうか。合わないのに合わせていくという作業は人の創造性を奪います。IBが日本の公教育に導入されたことは、何を学ぶかと同列で、どう学ぶかという選択ができるようになったことを意味します。学ぶ内容はもちろんとても重要です。しかし、どう学ぶのかも同様に重要だという視点が次期学習指導要領でも強調されています。

しかしながらIBのプログラムを選択できる公立の学校はまだまだ限られているので、もう少し時間が必要ですが、札幌、埼玉、東京、高知など一部の都道府県ではすでに公立学校でIBが導入されていますし、今後、山梨、大阪、滋賀、宮城なのでも順次導入されていくでしょう。

先ほども述べたように、IBに対する関心はどんどん高まっています。教育業界のトレンドに入ってくるでしょう。私が国際バカロレアコーディネーターの役割を担った4年前には全く考えられませんでした。

そして今、私が懸念しているのは、これまでのプログラムと同様に、IBに対して万能薬を求める流れになってくのではないだろうかということです。これは教育関係者も保護者のみなさんも一度立ち止まって考えていただきたいです。

私にIBは合いました。でも、きっと合わない学習者もいるだろうと思うんです。あくまでも、選択は学習者本人によってなされるべきです。

選ぶために十分な情報が必要ですね。今後ともこのようなフォーラムを開催していきたいと思います。

学習者と指導者にとってのIB

IBのプログラムの中でも最も多くの学校で実施されているプログラムが高校段階に当たるディプロマプログラム(DP)です。2年間(日本では実質約18か月)のプログラムで、その成績で大学進学の道が拓かれるということから、実施する学校は毎年かなりな勢いで増えています。

このプログラムを受講し、日本語と英語によるディプロマを取得した鈴木純麗さんは、当ブログ(チノメザメ)のインタンビューに、「とにかく課題が多い。課題、課題、課題に追われる毎日で、病みそうになりました」と答えています。ただ、課題の内容や学び方には、「単純に暗記するというのではなく、自分なりの観点を持って、課題を探求することができて、それを表現できるので楽しかった」と話していました。

詳しくは「緊急特別インタビュー:日本語DP取得者に聞く-1-」「緊急特別インタビュー:日本語DP取得者に聞く-2-」と2回に渡るインタビューをご覧ください。

日本で初めて日本語DPを取得した鈴木純麗さんに話を聞きました。
日本で初めて日本語DPを取得した鈴木純麗さんに話を聞きました。

合わせてバンコクのインターナショナルスクールで教鞭をとる山田浩美先生への「新春特別インタビュー:山田浩美先生に聞く-1-」「新春特別インタビュー:山田浩美先生に聞く-2-」と2回に渡るインタビュー記事にも目を通していただければ、DPの授業内容やアプローチ、そしてディプロマ取得と、それをどのように大学入試に活かせるかが感じ取っていただけると思います。

IBの最終試験についてバンコクのIB校で指導に当たる、当ブログでもお馴染みの山田先生にお話を伺いました。
IBの最終試験についてバンコクのIB校で指導に当たる、当ブログでもお馴染みの山田先生にお話を伺いました。

最後に

IBについて情報を入手できるサイトをいくつか紹介します。

まずは国際バカロレア機構のWebページです。そして日本の学校向けに翻訳された(ごく)一部の文書が載っているのがこちらのResources for schools in Japanというページです。

文部科学省IB教育推進コンソーシアムも発足しました。登録すると情報交換できるサイトを利用できます。日本語でのIB関連情報はこちらでまとめられていくと思います。

IBについてまず知ってみてください。そして選択する前に、各IB校での体験授業を受けてみることを勧めます。そこで思うところがきっとあるはずです。

そして、これだけは覚えておいてください。何を選択しても、学びに優劣はありません。どんなことをどんな風に学び、その学びをキャリアにつなげていくか。その方法はたくさんあります。言ったら、学び直すことだってできます。私が奨学金を得て大学院に通ったのは30歳を過ぎてからでした。

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