新・IB認定校への道:ワークショップに右往左往

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みなさん、こんにちは。熊谷優一です。

2019年8月25日に大阪女学院で開催した「ナレッジキャラバン in 大阪 2019 夏」に関して、参加された多くの方から温かい感想や、参加できなかった方々から次回の開催を要望する声が届いています。子どもから大人まで、立場も年齢も関係なくともに学ぶことができる場であることを、「健康な教育」と評した方もいました。私自身、意識していなかったこともたくさんありましたが、そういうフィードバックのおかげで気づいたことも少なくありませんでした。第2回も私が働いていない大阪女学院で図々しくも開催させていただきたいと思っています。その辺の裏事情もまた書きたいと思います。

さてさて。今回は毎月月初めにリリースしている「新・IB認定校への道」の新作です。コーディネーターとして困っていることがあるんです。というか、困っていることしか書いていないですね、このシリーズでは……。

ワークショップ参加義務

シリーズ最新作です。IB教員養成について学校目線から取り上げました。

「新・IB認定校への道:Professional Development」でも触れましたが、国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)のプログラムを実施する学校として認定申請をしている学校はその科目を教える教員を最低でもひとり、公式ワークショップに参加させる義務があります。コンサルテーション訪問時までにワークショップに参加できることが本来望ましいのは、カリキュラムアウトラインという、その科目のシラバスを作成して、コンサルタントと各科目担当者が面談するからですが、実際には確認訪問時までに参加させていればいいことになっています。

コーディネーターの先生は管理職や教育委員会、理事会などと協議の上、予算を確保し、的確なタイミングに先生方をワークショップに派遣できるようにしてください。ディプロマプログラム(DP:Diploma Programme)では各科目のガイド(指導要領のようなもの)は7年ごとに順次改定されます。その予定は「Coordinator’s Note」の最後方に必ず乗っていますので、一覧にして共有するといいでしょう。

今年はグループ1の科目が改訂されましたよね。グループ5は科目が一新しました。来年は知の理論(TOK:Theory of Knowledge)やグループ4の科目が改訂されます。知の理論は、まだガイド自体は公になっていませんが、現在最終チェック中のものを読んでみると、プレゼンテーションや知るための方法の項目が廃止されるなど、現行の知の理論より先生方も指導しやすくなり、口下手な生徒も活躍の場が広がるのではないかなと思います。

キャンセルされる日本語で開催されるワークショップ

さて、さて。7月末に、日本語でワークショップを行えるワークショップリーダーを育成するトレーニングが行われました。私は「知の理論」という科目の採点官をしており、採点基準を作成するメンバーの一員なので、ワークショップリーダーを兼務することができませんが、当ブログでもおなじみの何人かの先生方はトレーニングを受けていますので、間もなくワークショップリーダーとしてデビューすることと思います。

40名を超える先生方が研修を受けたので、これから実施されるワークショップの枠は広がると思っていたのですが……。実際には、9月に北海道で行われるはずだったワークショップも参加人数が開催要件を満たすに至らず、キャンセルされた科目がありました。

これまでもワークショップがキャンセルされるということには触れていましたが、学校が開講しようと思っている科目のワークショップが開かれないというのは非常に困った事態です。

私、困っています

たった今、私が困っているのはG3、G4、G6の科目です。私が現在コーディネーターをしている学校では、G3で歴史(日本語)、G4で化学(英語)と生物(日本語)、そしてG6で美術(日本語)をオファーするのですが、歴史、生物、美術は今年日本ではワークショップの開催がないんです。カテゴリー2で来年2020年3月に大阪で予定されていますが、IBの科目指導経験のある先生向けなので、初めてIBを学ぶ先生にはハードルが高く、またキャンセルされる可能性もあります。

というわけで、歴史は海外で行われるワークショップにカリキュラムアウトラインを作成する担当者を派遣しました。IB指導経験もなく、英語で行われたため、随分苦労したようです。11月の日本語での試験では出題されないエリアもあるので、そこは日本向けのワークショップを受けないとわからない場合があります。

美術はオンラインのワークショップを担当者が受講しています。生物はカリキュラムアウトライン作成者のワークショップ参加の有効期限が切れていましたが、化学のカリキュラムアウトラインを作成しているネイティブの先生が生物のワークショップに参加していたため、生物に関してはそれで要件を満たすことができます。オファーする科目のワークショップに校内で一人参加していれば、認定要件を満たすので心配いりません。ただし、そのワークショップが現在の科目ガイドに則ったものであるかはコーディネーターは必ず確認して下さい。

今回は認定校の先生方に向けて、IBワークショップの裏ワザを熊谷優一が処方します。

最後に

以上のことから言えることが1つあります。これからIB認定を目指している学校はワークショップに参加したことがある先生がほしいということです。

学校にとって教員をIBのワークショップに派遣するのは結構な予算がかかります。地方の学校であれば、7万何がしかの参加費に加え、旅費も必要になってきますから、一人あたり、10万は余裕でかかるでしょう。もしもその科目のワークショップが日本では行われないとなったら、海外に派遣することなり、ますますお金がかかります。だから、ワークショップに参加した先生を学校は採用したがるのです。

まして、IBの指導経験がある30代の先生は教員としての専門性が熟して来る頃。先生方にとってはチャンスです。より待遇がいい学校に移籍することができます。が、学校にとっては折角お金をかけてワークショップに送ったのに、その先生が離れていくとなると痛手です。

校内、自治体内の先生方のIB教員養成は戦略的に行う必要があることを最後に述べて今回は締めたいと思います。

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