ナレッジキャラバン at 大阪(06.30)

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6月30日に大阪市教育委員会が主催する大阪市立水都国際中学校・高等学校の学校説明会が行われました。小中学生とその家族、学校や塾の先生方を含め、1,600人を超える方が会場に足を運んでくださったと聞きました。本当に暑い一日でしたよね。早くいらした方も多く、外でお待たせして、体調を崩したりしないか気が気ではありませんでした。途中から雨も降ってきて、それでもお越しいただいたことに心より感謝申し上げます。

今回はたったの15分ではありましたが、主催する大阪市教委から模擬授業を依頼されました。今日のエントリーは太田晃介先生と私で行った模擬授業を振り返りたいと思います。

お久しぶりね

結果、「いやぁ、楽しかったなぁ」っていうのが、私の率直な感想です。学校がまだ開校していないので、今私たちは授業をする機会がないんですよ。だから久しぶりの授業に内心「イェーイ!」だったんですが……。会場は800人くらい入るホールで、周りの人から「凄い人来るよ」って脅されていた私は、ビビッて朝から水以外何も喉を通りませんでした。

私は本当は極度の小心者で、人前で話すのが大の苦手。人前に立ってスイッチが入る間際まで、ぶるぶる震えているタイプです。で、終わったら、緊張がほどけて胃が痛くなるっていう……。信じてもらえないかもしれないんですが、私は舞台裏で地獄のような時間を過ごしているんです。

一方、太田先生はというと、憎いほどリラックスしている。普段と変わらない。どーんと構えていて、ニコニコしている。知り合ってから2~3年になりますかね。彼が緊張したところを見たことがありません。

宮沢賢治はきっと太田先生みたいな人を思い描いて、『雨ニモ負ケズ』を書いたに違いない。「雨ニモ負ケテ、風ニモ負ケル」人だから、「そんな人に私はなりたい」って書いたのでしょう。太田先生を傍目に見ながら、舞台袖で勝手の宮沢賢治の気持ちにリンクしていました。

Negative Corners

さて、今回の模擬授業では『Negative Corners』というアクティビティを行いました。もともと、このアクティビティは『Four Corners』という4つの選択肢の中から最もいいと思うものを選んで議論するというかなり王道のアクティビティです。ラオス国立大学で日本とラオスの大学生たちと行ったワークショップの導入でも行いました。

私は4つの選択肢の中から最もネガティブなものを選ぶという『Negative Corners』というやり方をしています。これは私の経験による感覚ですが、私のこれまでの生徒たちはいいって思っていることについて語るよりも、そうでないものについて語る方が盛り上がりました。安心して話せるようです。

前任校で、「福沢諭吉・友達・信頼・ペット」のうち、失って最も悲しいものを選ぶという問いを私の生徒が作り、みんなで議論したことがあります。その時は「福沢諭吉」を選んだのはこのブログにもたびたび登場する浅見昌弘くん一人でした。彼は「諭吉なしにどうやって生きていけばいいんだ」と主張しましたが、「樋口一葉や夏目漱石がいれば諭吉はいらない」と反論され、たじろいでいたのを覚えています。

この『Negative Corners』は英語で話すという雰囲気を作りやすく、短時間で導入できるので今回の模擬授業はこれで行くことにしました。

のび太の人生に最も悪影響を与えている人物

今回の模擬授業は小学生、中学生はもとより、保護者の方や、学校の先生、塾関係者など多様な人が参加することが予想されました。何か全員に共通するものは何かと考え、『ドラえもん』をトピックに選びました。問いは次の通りです。みなさんはどう考えますか?

『のび太の人生に最も悪影響を与えているのは誰か。しずかちゃん、スネ夫、ジャイアン、ドラえもんの中から一人選び、その理由を説明しなさい。』

答えはどうでもいいっちゃ、どうでもいいんです。正直、誰でもいいんです。誰を選ぼうと誰も傷つけないし、自分も傷つくことはありません。自分なりの答えを見出すマインドを作る初めの一歩のつもりでお題を作りました。でも、この4人の中から誰かを選ぶとき、自分なりの『ドラえもん』という作品観と人間関係を洞察します。そして、「私はこう思う」ということを言語化するのです。この過程が重要だと私は考えています。

計3回(小学生2回・中学生1回)の模擬授業では何人かの児童、生徒、お父さん、お母さんに意見を発表していただきました。私は英語を話し、都度都度太田先生に翻訳してもらったのですが、中学生は照れながらも根拠を明らかにしようとし、小学生も頑張って英語を話そうとしていました。会場には各回何百人もいましたから、発言したみなさんにはリスクが伴います。IBの学習者像でいうところの、Risk Takerですよね。

でも、聞いていたみなさんも発言する生徒やお父さん、お母さんがどんな答えを発表するのか楽しみに、そして応援してくれたように思います。発言のたびに拍手喝采でした。

最後に

会場のみなさんがだれを選んだのか、手を挙げていただいたのですが、ほとんどがドラえもんを選んだのにはさすがに驚きましたね。「じゃあ、何でみんなドラえもん見てるの?」って。

スネ夫を選んだ小学生は、「いつもネガティブなことばっかり言って人の気持ちをなえさせるから」と話していました。ジャイアンを選んだ別の小学生は、マイクを向けるまで、「日本語でいい?」と聞いていたのに、実際にマイクを向けると、「Gian punch Nobita.」って英語で答えてくれたり、みんな一生懸命自分の考えを表明してくれました。中学生には英語で話してもらったのですが、話し終わってから、「もっと答えられたのに緊張しちゃって」と悔しがっていた姿が印象的でした。

お父さん、お母さんは詳細にドラえもんがいかにのび太を甘やかし、その成長の機会をはく奪しているのか熱心に話されていて、多くの人の共感を呼んでいました。これって私たち大人が子供と接するときのヒントですよね。私もいつも言いすぎない、手を出しすぎないようにしているつもりなんですが、見かねてついヒトコト言いたくなってしまいます。

さて、みなさん英語を理解し、話すことについて不安を持っていると思います。私はいつも話したいことがあれば、英語はすぐに上達するし、わかりたい欲求が強ければ強いほど理解するスピードは加速すると考えています。要は、オモイだと思うんです。言いたいってオモイ。わかりあいたいってオモイ。どんなに英語ができても、話すことがなければ会話になりません。知りたいことがなければ耳に残りません。オモイって私は一番大事で、大人は子供のそのオモイを力づけ、勇気づけ、関わり続けることによって学びは発展していくんじゃないかと私は思います。

最後に、みんなの話を聞いて私はこう思うようになりましたと、模擬授業が終わってから私に話に来てくれた小学生がいました。自分が考えたことを言いたくなる、それを聞いてほしくなる。その相手にその日初めて会った私を選んでくれてありがとう。とても嬉しかったです。こんな対話がガッコウのあちこちで起こるといいなと願っています。

8月26日(日)に小学6年生9月16日(日)には中学3年生を対象とした大阪市立水都国際中学校・高等学校の体験授業が行われます。お問い合わせは大阪YMCA内、水都国際開設準備室にお願い致します。

今日も読んでいただきありがとうございました。

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