新IB認定校への道:Professional Development

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当ブログで最もよく読まれているのが、「どうしたらIB教員になれるのか」について解説したシリーズです。気が付けば累計PVは5,000を超えました。

みなさん、こんにちは。熊谷優一です。最近様々なIB関連のイベントに出向くたびに、IBを教えたいと思う先生や学生のみなさんが思ったよりいることを肌で感じています。

今回はIBを教えたいと思う先生を対象にというよりは、これからIBを始めようとしている学校、そしてその学校でIBを担当する、もしくはしたい先生方に向けて書こうと思います。

認定過程におけるProfessional Development

IBの文書を読むと、「Professional Development」という言葉をよく見かけます。平たく言うと専門性を高めるための研修機会のことです。

公立の学校に務める先生たちは法律に基づいた研修が実施されますよね。いわゆる初任研とか、5年研とか、10年研とかいうやつです。私は10年研が終わると同時に宮城県の教員を退職しましたが、今では20年研という研修があると聞きました。

科目担当教員のうち最低1人はIBの公式ワークショップを受講しなければなりません。いつどこでワークショップが開かれるのかは、Find a development workshopというページから検索できます。参加費用は996シンガポールドル(早割で916シンガポールドル)です。日本円にすると81,500円(75,000円)位です。これに交通費、宿泊費が別途かかります。予算化は必須です。

英語で検索するのが苦手な方は、今からIBを教える君へ:IBワークショップ申込方法というエントリーで解説していますので、そちらをご覧ください。一時期、ワークショップの申し込み方がわからないという問い合わせが殺到した時期があり、ひとつひとつ答える余裕がなかった時に書きました。日本語で実施できるようになったとはいえ、IBに関しては相当の割合で英語がからんでくるのはいたしかたないところではあります。

無料措置が終了後、初めてとなるIBワークショップの登録方法を日本語で解説します。

認定後のProfessional Development

認定校であっても、5年ごとに査察を受け続けます。その時までに科目ガイドが改訂された科目に関しては各校で最低1人はその科目のワークショップを受けなければなりません。

例えば、DPの各科目ガイドは7年毎に見直されます。新しいガイドが発表されると学習や評価内容も大幅に変更されるため、それを学ぶためにその科目について各認定校から最低一人はその科目のワークショップに参加しなればいけないことになっています。したがって学校はワークショップ参加を見越した予算を計上しておかなければなりません。

すべての科目のレビューサイクルは「Coordinator’s Note」の巻末をご覧ください。コーディネーターがこれを把握し、管理職や関連機関と相談したうえで予算化することが一般的です。

今後4年間に改訂される科目は以下の通りです。数学は新科目に移行します。テキストは来年2月頃に出版されるという情報を入手しました。再来年はTOKですね。現行の「知の領域(Areas of Knowledge)」は「Knowledge and the Knower」に名前が変わります。「知るための方法(Ways of Knowing)」は8項目から5つに絞られます。評価については、まだ議論の途中のようですが、内部評価は一新され、現在のプレゼンテーションとは異なる方法で行われるようですね。

科目 試験開始
2018 English B May 2020
2019 Math SL/HL 廃止⇒新科目開始 May 2021
2020 TOK May 2022
2021 Biology Chemistry Physics May 2023

より専門性を高めるために

ここまでで候補校にとっても、認定校にとってもワークショップへの参加が必要であることは理解していただけたと思います。その次に学校が考えなければいけないのは、IBを教える先生たちの専門性をより高めるための研修の機会です。それが、本当の意味での「Professional Development」ですよね。

私がお勧めするのは、学校目線で書きますが、初心者向けのカテゴリー1ではなく、経験者向けのカテゴリー2を受講させることです。カテゴリー1は入門編に過ぎません。IBとは何かについて各科目を通してさわりを理解することはできても、その実践について扱う時間的余裕がありません。カテゴリー2ではより深く指導のこと、評価のこと、そして経験者同士が情報交換することにとってIB実践の実際を学ぶことができます。

ただし、カテゴリー2はまだ日本語で提供されていないので、海外に先生を送ることになります。その分交通費と宿泊費も必要になります。しかし、ここは出し渋らないほうがいいかなと私は感じています。

「IBサークル」という言葉を聞いたことはありませんか?一旦IBの輪の中に入れば、その後その輪の中を渡り続ける働き方のことを言います。これまではネイティブの先生たちがインターナショナルスクールを移籍するケースについ使われてきましたが、日本でもIB校が200校に増えれば、IB教員のフリーエージェントが始まるのは時間の問題ではないでしょうか。養成したIB教員が指導的立場になって学校で教え続けてもらうには、それなりの研修機会を提案することを学校は考える必要があると感じています。

最後に

必ずしも予算的にIB校で教鞭をとる先生方が全員ワークショップに参加できるとは限りません。それは理解できます。でも、年に1人とか可能な限り予算をやりくりして研修に出すことを学校管理者は考えるべきです。

そしてそれを校内の先生方で共有すれば、ワークショップに参加した先生がリーダーとなって学んできたことをアウトプットすることにより、その先生の理解を確実なものにするだけでなく、組織全体の利益につながります。継続していけば、IBプログラムの重要な文化である「Collaborative Planning」が日常的に行われるようになります。

次回の『新IB認定校への道』では「Collaborative Planning」について取り上げてみようと思います。案外、日本の先生の苦手はここだったりして……。今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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