IB認定校への道 ‐IBを広報する‐

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2017年2月に私が勤めている学校はIB認定校になりました。そして、コーディネーターとして私に筑坂のIBプログラムを国内外に広報するという役割が加わりました。認定校にとって国際バカロレアに対する認知が地域社会で広がっていない現状、どのようにプログラムを広報していくかは考えておかなければいけない課題です。

初体験

夏休みに全3回行われる学校説明会、埼玉県や東京で夏に開催される高校進学フェア、そして今年から海外の日本人学校や日本人コミュニティでも広報活動を行っています。海外でも広報活動を始めた理由は2つ。先にも述べた通り、日本国内で国際バカロレア対する認知度が低いこと、そして中学生の英語力です。希望者がいなかったらどうするんだ。そんな議論がありました。

確かに、日本語と英語によるデュアル・ランゲージ・ディプロマ・プログラムと言っても、最低2科目は英語で勉強します。そしてDP科目で使用するテキストや素材は日本語に翻訳されているものは限られているので、授業で使用する素材は英語だったりします。それ相応の英語力が必要です。興味はあるものの、それが心配でこのプログラムへの応募を躊躇するということが起こりうるのではないか。しかも初めてのプログラム。日本国内でも経験者はまだほんの一握りで、検証するにもデータが十分ではない。どの学校も生徒募集には苦労している。

筑波大学と協議を重ね、広報する範囲を日本国内の中学校だけでなく、海外にも広げることになり、これまでに、ドイツ、香港、韓国、ベトナム、マレーシア、台湾、タイ、インドネシアなどで私は広報活動を行いました。金をかけてわざわざ海外に行って、意味があるのかという批判ももちろんありました。でも、やってみたら各国の日本人学校に通う生徒のみならず、インター校に通う日本人の生徒の保護者からも問い合わせが来るようになりました。

私立の学校は海外でも入試を行っているところも多いので、海外の日本人子女に対する広報活動は積極的に行っています。しかし、帰国生の受け入れを目的に設立された国公立以外の学校で海外に広報活動を展開することは稀です。筑坂にとっても、教員21年目になる私にとっても初めてのことでした。

暗中模索

最初は一人で訪問先をひとつひとつ当たっていました。経験がないので、正直手探りです。これまでに筑坂への進学実績がない日本人学校にとって、私は一見さん。訪問させてもらえないか問い合わせたところ、断わられたことも少なくありませんでした。

台湾は台中市にある明動中学を訪ねた時のことです。明道中学と言えば、本ブログにも寄稿している阿部公彦先生が勤める学校ですね。阿部先生に施設を案内してもらっていたとき、私は見ました。市原悦子ばりに!筑波大のポスターを!

阿部先生に聞くと、筑波大は台北市にオフィスを構えており、台湾中の学校に広報に回っているとのこと。早速、大学に問い合わせました。他にも海外にオフィスを持っているはず!附属校の広報に協力してもらえないかと。

「では、早速会って話しましょう!」ということになり、帰国後すぐ国際室を訪ねました。海外での訪問先開拓に困り果てていた私には渡りに舟。国際室のみなさんは積極的に提案してくれたり、また別の部署につなげてくれたり、あっという間に協力体制を作ってくれました。温かく、快く、「喜んでお手伝いしますよ」って言ってもらって、私は胸が熱くなったのを覚えています。国際室のみなさん、大好きです!いつもありがとうございます。

筑波大学海外拠点

その後、全世界13か所にある筑波大学海外拠点のスタッフが一堂に会するフォーラムで附属坂戸の広報協力を依頼するため、説明する時間をもらいました。そして間もなく、ドイツ、ベトナム、マレーシアでの広報活動が実現しました。

筑波大学の海外拠点は、筑波大広報ならびに筑波大留学を希望する現地学生のサポート、現地に短期長期留学している筑波大生の緊急時サポートなどを行っています。「留学中でなくとも、海外拠点のある国へ行かれた方はぜひお気軽に現地オフィスにお立ち寄りください」とのことです。

国際室はその海外拠点の運営をしており、学生交流課やグローバルコモンズ機構等他部署と連携し、大学全体の国際性を押し上げる役割を担っているそうで、熱いスタッフが現在未来の学生のため日々奮闘しています。

自治体の教育委員会のみなさん、各都道府県も海外に事務所を構えていたりしませんか?例えば、国際○○みたいな施設や部署がその役割を担ってくれたりしませんか?自治体の中で横のつながりを作っていけばお互いの活動の幅が広がります。子どもの数がどんどん減少していく中、どうやって子供を自治体の学校で勉強してもらうか、戦略的に考える時代です。折角あるんです。繋がっていきましょうよ。

最後に

この間とある都道府県の教育委員会の方とお話ししました。IBという海外の教育プログラム導入は自治体も学校も初めてのことばかり。どうしていいかわからない。反発も少なくない。学校内外の理解も形成していかなければならない。頭が痛いことばかりですよね。

でも、ですよ。面白いっちゃ、面白くないですか。誰もやったことがないから、自分で仕事を作れます。そして、同じように困難を抱えているIB関係者が集まる飲み会は、それはもう楽しいの一言。共感・共鳴ハンパないです。会ってすぐ、超トモダチになれます。全国的にIB交流会やりましょう!

今回の話はほとんど学校関係者向けの情報になりましたね。保護者や、生徒のみなさんにはちょっとピンと来なかったと思います。そして決定的に視点が欠けていますね。いくら優れた教育プログラムと言っても、学校と先生だけではそれは成立しません。そこには学習者と支える保護者がいなければなりません。

まだ日本における日本語DPは学校数も、教員数も、そして生徒数も多くないため、経験に基づく情報を提示できません。もしこのブログを読んでいるDP経験者、そして保護者のみなさんで、あの時こうだった、こういうことで困った、といった情報を共有していただけたら嬉しいです。まだ日本語DP所持者はほとんどいないため、個人が特定される恐れがあるということを危惧されていたら、匿名でも結構ですし、私がインタビューするという形をとっても構いません。どうかみなさんの経験をシェアさせてください。

長くなってしまいましたが、近いうちに海外での広報活動を通して、進路を担当する先生や保護者にみなさんからいただいた声を紹介したいと思います。これからIBを実施する学校は、認定されることにいっぱいいっぱいになるのではなく、その声にこそ耳を傾けなければいけないと思っています。

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