新・IB認定校への道:理科実験室にご用心!

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みなさん、こんにちは。熊谷優一です。私が現在勤務している学校は7月4日~5日の2日間コンサルテーション訪問を受けました。

コンサルテーション訪問についてはこれまで何回か取り上げてきたので、どんなことが行われるのかは「新・IB認定校への道:コンサルテーション訪問」をご覧いただくとして、今回は国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)ディプロマプログラム(DP:Diploma Programme)の認定校を目指す学校のコーディネーターとして私が苦労した理科実験室の要件について書こうと思います。

毎月の月初めは「新・IB認定校への道」シリーズの新作をリリースしています。このシリーズは国際バカロレア(IB:international B...

ギャップを認識せよ!

わかっています。各学校でコーディネーターはひとりだけ。総合的な情報を持っているのはコーディネーターです。経験上、日本語に翻訳されている文書はあるものの、翻訳が十分でなかったり、最新の情報については翻訳されていなかったりすることがあるので、「My IB」の「Programme Resource Centre(PRC)」でやっぱり大元の英語の文書を確認しないといけません。

また、日本語と英語によるディアルランゲージ・プログラムを実施するとはいえ、国際バカロレア機構(IBO:International Baccalaureate Organization)とは英語で遣り取りをするので、ビジネスレベルで英語ができる先生をコーディネーターに指名する学校が多いと思うのですが、教科担当の先生は必ずしも英語ができる先生ばかりではありません。

コーディネーターが持っている情報と各教科担当者が持っている情報にはおそらくギャップがあります。大概の先生は英語の文書を読みませんし、たとえIBの文書を一緒に確認したとしても、日本の一条校の事情とこれまでの経験をもとにIBの様々な要件について異議を唱えるかもしれません。

でも、あれこれ言ったところで、学校がIB校として認定を獲得するためには、IBが示す要件を満たさなければいけません。その中でも認定を目指す初期段階で考慮されていなければいけないのは理科実験準備室です。最もお金もかかって、準備期間もかかるからです。

理科実験室にご用心!

ディプロマプログラムを実施するためにIBが求める安全基準、実験器具がまた厳しいんですね。既存の学校に、排気するダクトの設置、ガス管の工事が必要な場合は実験器具にもお金はかかりますが、その工事のために何千万円もかかる可能性があります。

IBでは生徒が先生の監督なしに実験することを前提に理科実験室の安全基準が設けられています。ガスが漏れたり、感電したりする場合に実験室内にマスタースイッチを設けてもしもの時に備えるとか。薬品が目に入ったりする場合に備えて洗眼の設備、薬品をかぶったりする場合に薬品を流せるシャワーなどなど、などなど、などなど。その安全基準は非常に細かく設定されています。

それを管理職も、教育委員会も、先生たちもみんな読んでほしいです。日本語でも翻訳されています。これからIB認定校を目指すみなさんも読めます。「Resources for schools in Japan」に「Guidelines on science laboratories for IB Diploma science courses(IBDP科学科目のための科学実験室についてのガイドライン【改訂翻訳版】)」という文書があるので、そちらを読み合わせしてください。必ず日英どちらの文書も関係者で確認することを強く強く勧めます。

理科の実験室はお金もかかることから、IB認定校はDP理科科目のうち、生物か化学のどちらかを設定する学校があります。私の前任校は生物だけでしたが、現在勤務している学校は生物と化学のどちらもオファーします。となると、どちらにもIBの基準を満たすような実験室を設けることになります。

それを理科の先生が把握していないことも考えられます。コーディネーターの先生は科目担当者に任せていないで、設備要件については一緒に確認しましょう。

ネットワークを活用せよ!

私が現在勤めている学校では生物室のドラフトチャンバー設置について混乱しました。ディプロマプログラム・コーディネーター(DPC:Diploma Programme Coordinator)として根拠にしているのは上記のIBからの公式文書ですが、念の為、各認定校ではどうしているか、いくつかの学校に聞いてみました。こういう時に頼りになるのはネットワークです!

ドラフトチャンバーは、本校には2つの化学実験室と生物実験室と研究室の計4つあります。ドラフトは、必須の要件だと思っていました。理科の教員にも確認しましたが、なくてもよいという話は、聞いたことがないと言っていました。

– DP認定校A –

管理職も含め、やはり熊谷先生の示された文書を根拠に、mustと理解し、生物と化学実験室どちらにも設置しました。

– DP認定校B –

用意しろと書いてあるものはそのまま用意した方がいいのではと思っています。うちはコンサル訪問では洗眼シャワーは代用品で全然OKと言われたのですが、確認訪問ではIBOの資料通りに揃えて下さいと言われました…。うちはそれでまさに困りました。確認訪問で洗眼シャワーが設置出来ないと、IBOに認可の書類が送れないので設置出来たら連絡欲しいと言われましたので焦りました。安い工事ではないので予算がすぐに下りない場合は認定時期にも影響するような問題なので、これは大問題なんじゃないの?と思いました。すぐに追加予算申請で200~300万が下りない学校だったら認可が遅れてしまうということですのでね。

– DP認定校C –

DPCとしては、文書がまず根拠となっていることから、理科室の要件はその文書通りに揃えるのが基本だと思います。が、各校でドラフトチャンバーなどに実験機器や安全設備を設置する、しないの判断をされるときの参考にしてもらえればと思います。

最後に

私は心配性なので、大阪女学院のコーディネーターの鍵村先生にも確認しましたし、確認訪問に行っている国内外の友人たちにも聞いてみましたが、皆口を揃えて、「文書に書いているものは必須だ」との認識で一致しました。これまで確認訪問に行った学校で文書に書いてあるものを揃えていない学校はなかったとのことでした。

それでも不安が晴れない私は、IBOに生物室と化学室にどちらもドラフトチャンバーを入れるべきかどうかの確認と、そのスペックについて質問しました。IBOからは文書通り、どちらにもドラフトチャンバーは必要だが、ダクト付きのものがあれば、もう片方はシンプルにフィルター付きのものでいいとのことでした。

こういうことはよくあります。なのでコーディネーターの先生方、いちいち目くじら立てないで、IBCカフェのときのネタが1つ増えたと思ってください。そろそろ2回めのIBCカフェのカフェをやりましょうという声も届いているので、10月頃集まりましょうか。またご案内しますね。

最後に、8月25日の「ナレッジキャラバン in 大阪 2019 夏」には授業してくださる先生方にも、参加申し込みをされた先生方にもIB関係者がたくさんいます。IB教員を目指す学生のみなさん、候補校に勤める先生方、大学関係者のみなさん、ぜひネットワーキングにいらしてください。繋がりを持つことが将来の自分の支えになりますよ!お待ちしています。

2019年8月25日(日)に大阪女学院中高で開催する本イベントの受付が本日より始まります。
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