IB認定校への道 -番外編-

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みなさん、こんにちは。熊谷優一です。私は現在、2019年4月開講の大阪市立水都国際中学校高等学校という公設民営校の国際バカロレア・ディプロマ・プログラムコーディネーターとして開設準備に当たっています。

最近、IB認定を目指している私立学校や自治体の教育員会から問い合わせをいただいたり、わざわざ大阪まで足を運んでいただいたりという機会が増えています。私がみなさんに語れることは経験しかありませんが、何らかのお役に立てればうれしいです。私自身も世界中の先生たちに助けていただきました。

さて、今回はすでに完結した『IB認定校への道シリーズ』の番外編として、保護者との関わりについて述べたいと思います。

みんな巻き込む

既存の学校はそれでなくても日々の仕事でいっぱいいっぱいです。IB認定作業もごく一部の人が担当し、ともすると理解が校内に広がらないというジレンマを抱えているコーディネーターの先生方が多いのではないでしょうか。私も前任の筑波大学附属坂戸高等学校では同様の問題を抱えていました。

私はここは必ずしもうまくいったとは言えませんでした。人望のなさゆえです……。でも、手をこまねていては何も進みません。とにかく巻き込む。巻き込んでから意味づけする。そうしているうちにIBへの理解やIB導入の意義が池にはる薄氷が厚くなっていくように広がり、深まっていくと信じていました。

私は先生方の授業を参観させてもらって、その授業がIBが目指すところとどう一致するか、そしてIB的にどう説明できるかを5教科ではないところから始めました。特にディプロマ・プログラム(DP)は5教科+芸術科目から構成されています。コア科目に知の理論だの、CASだの、課題論文だのって名を連ねますが、実際5教科以外の先生にとっては我関せずという思いは強いのではないでしょうか。

でも、私は5教科以外の中にこそ、日本の伝統的教育実践はIBに通ずるところが多いと感じています。このことは9月に行われる『未来の先生展2018』で行うワークショップでも取り上げようと思います。詳しくはまた回を改めてご案内しますね。

生徒を巻き込む

私は1ヶ月に1回のペースで『筑坂IB通信』を発行しました。学校がIB認定を受けようとしていること、そのために先生たちが学んでいること、その学びを活かして普段の授業が変わってきていることなどその都度情報を発信しました。

IBについて学んだことは、私はすぐに実践したくなる質なので、放課後に「English Caravan」と称して英語で議論する課外授業を行いました。私にとってはTOKとソクラテス式セミナーの実践練習になりましたし、参加した生徒たちは英語で議論するスキルを身に着ける授業だと好評でした。実は、毎回手探りで、今思えば失敗したことも多かったんですけどね。

IB認定の過程ではコンサルテーション訪問と最終訪問の2回に渡って生徒もIBから派遣された訪問団と面談します。英語でバシバシ学校をアピールできたらカッコいいですよね。English Caravanに参加していた生徒の中から、このブログでもお馴染みの鹿間謙伍くんと酒井優輔くんにそれはお願いしました。ちゃんとやってくれるだろうという安心感があったので、彼らにはレクチャーも練習もしませんでした。

ただ、全校生徒にまでどうやって広げていくか。それは別問題です。在校しているうちにIBのプログラムが始まるとすると、下級生にIBを学ぶ生徒ができるわけですから、現在IBをやっていないと言っても、在校生にもやっぱり理解はしておいてほしい。そう思って、『IB学習者像ポスターコンテスト』を開催しました。認定を取った先のことも考えておかないといけませんよね。同じ学校で起こることですから。

保護者を巻き込む

保護者も無関係というわけではありません。というか、最大の理解者です。私は幸いなことに保護者のみなさんからたくさん応援してもらいました。筑坂が提供できる学習機会が増えるなら、こんなうれしいことはないと言ってもらいました。心から感謝しています。

そこまで言ってもらったので、調子に乗った私はPTA総会で生徒から募集した『IB学習者像ポスターコンテスト』の審査員をお願いしました。参加した保護者の方々に一人一票「IBの学習者像」を最もよく表しているポスターに投票してもらいました。1位を取ったのが大平敦尊くんの以下のポスターです。筑坂の校舎と筑坂の麦畑、そして校舎からなのかわかりませんが、印象的な光が描かれています。

さて、コンサル訪問と最終訪問でも保護者面談があります。学校はIB導入をどのように保護者に説明しているか、保護者が学校の教育活動をどのように考えているか聞かれます。保護者に対してもきちんと学校はIB導入とIBの教育プログラムについて説明しておかなければなりません。私はPTAや関連団体で何度か説明させてもらったり、IBについてまとめたものを配布したりしました。

面談に参加してもらったのは二人の保護者の方です。その方々とは電話だったり、直接だったりして綿密に打ち合わせをし、緊張されることも考慮して一応練習もしました。私は筑坂に赴任して間もなかったので、このような機会からむしろPTAの方々に筑坂の教育実践について学んだように思います。何はともあれ、私が予想していた以上に筑坂のことをアピールしていただき、結果最終訪問後10日ほどで認定が下り、喜びを分かち合いました。

最後に

次回は先日このブログでも取り上げた大平ブラザーズのお母さんが寄稿してくれます。これまで当ブログでは様々な学校で教鞭をとる先生方や学習者の声を届けてきましたが、保護者の目線はあまり取り上げてこられませんでした。

一方、最近増えているのは保護者のみなさんからの問い合わせです。日本国内はもとより海外からも質問やコメントが届いています。その声にこそこれからの日本の教育の方向性を考えるヒントがあるのではないかと思います。

21世紀を生きる子供たちには一体どんな学びが必要なのでしょうか。これからの時代を生きる子供たちはどのような知識とスキルをもとにキャリアを築いていくのでしょうか。未来志向の教育のカタチを考えるときに官僚や有識者だけに任せっきりでいいのでしょうか。指導する先生、支援する保護者、学ぶ子供たちは置き去りになっていないでしょうか。

新しい学習指導要領は何を求めているのかではなく、どんな時代感と考えのもとに作成されたのかを共有しないかぎり、これまでの繰り返しになってしまうような気がしてなりません。

おおっと、マジメに語ってしまいました。そういうブログじゃないのに…。というわけで、これにて『IB認定校への道』は校了します!

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