新・IB認定校への道:日本人教員採用と養成

スポンサーリンク




今回は前回の「新・IB認定校への道:外国人教員の採用と特別免許取得」に引き続き、IBのプログラムを指導する日本人教員の募集および採用、そして日本人教員の養成について取り上げたいと思います。

日本人IB教員採用のニーズ

IBの教育プログラムのうち、高校生段階のあたるディプロマ・プログラム(DP:Diploma Programme)は国際バカロレア機構と文部科学省の間で合意の下、英語と日本語の二言語(ディアル・ランゲージDP)で受講することが可能になりました。最低でも2科目は英語で学ぶことが文部科学省より条件が付けられています、コア科目を含め、その他の科目は日本語で履修することが可能です。

したがって、DP科目を指導することができる日本人教員のニーズは日本国内の学校で高まっています。最近、山梨、滋賀、岡山でDLDPを実施する高校がIB認定を受けました。この他にも候補校になっている学校がどんどん増えています。

IB認定校であっても一条校で指導する場合は教員免許状が必要です。また、DPの科目については日本語での資料が少ないため、できれば英語がある程度できることが望ましいです。学校によってはIBの科目も日本の学習指導要領による科目もどちらも指導することが求められるため、どちらも対応できる指導力が必要な場合が多いようです。

では、そういった教員を学校はどのように採用・要請しているのかを見ていきたいと思います。

日本人IB教員採用方法

日本人IB教員を採用は教員募集サイトが利用されることが多いです。特に多いのは「JREC-IN Portal」でしょうか。大学院で修士、博士を取得、または修了した人材向けの求人サイトです。

国費留学生として延世大学(韓国)で修士取得後、前任校である筑波大学附属坂戸高等学校で勤めることになったのも、JREC-IN Portalで求人を見つけたからです。大学附属の学校は研究機関の性格も強いので、修士を持っている人向けに求人を出すことがあります。

DPはその評価方法が論述式であること、また「課題論文」や「知の理論」ではエッセーを提出しそれが評価されることから、論文指導ができる人材が求められます。学部卒ではなく、大学院で学んだ人材向けのサイトで募集が多くみられるのは、修士論文を書いたことがある人材にニーズが高いことを示しています。

日本人IB教員養成

多くの学校でIBのプログラムを実施する時、校内のすでに採用されている先生を公式ワークショップに参加させ、IB教員として養成するといった戦略が採られています。2018年3月までは文部科学省からのサポートで一条校の先生は無料でワークショップに参加できるという財政措置が取られていたこともそれを後押ししていました。

ワークショップに参加したことがあるのは、転職する際のアドバンテージです。なぜならこれからIBのプログラムを実施しようとする学校にとっては、ワークショップに新たに教員を派遣しなくても良い上に、IBについて指導経験があればなおさらプログラムを開発するリーダーシップも期待されるからです。実際、日本でもIB業界は人材の奪い合いが始まっています。

校内の先生をIB教員として養成するときに問題となるのが、拒絶反応です。それでなくても業務過多で余裕がないのに、新たにこれまでとは異なるアプローチで教育を学び、実践するということを受け入れられない先生方も多くいるのではないでしょうか。昨年2018年12月に韓国でも話してきましたが、校内でなぜIBを導入するのか、合意形成されないままIB認定申請に入ると職員間のギャップを埋めるのはなかなか簡単ではありません。

しかし、インターナショナルスクールで働く先生方がより好条件・好待遇の学校を求めて学校を渡り歩くように、若い先生方は学習指導要領の科目もIBも教えられるという強みは、将来的に教員としてのキャリア形成に有利に働くのではないでしょうか。

最後に

前回は外国人IB教員の採用と特別免許取得、今回は日本人IB教員の採用と養成について取り上げました。

まだ日本では、特にDLDP(Dual Lamguage Diploma Programme)の歴史が浅いため、IBの学校を何校も経験している先生はそんなに多くありませんが、私も2校目ですし、周りを見渡すと結構3校目、4校目という先生方も結構います。校内の先生をIB教員として養成するには結構な時間がかかります。内容やアプローチもですが、評価方法が独特だからです。そこも今度取り上げるようにしますね。

大学や大学院でもIB教員を養成しているところがあります。そこで学んでいるみなさんからも時々問い合わせをいただいています。教育学的知識ももちろん重要なんですが、教員は授業ができてなんぼです。教科指導のプロを目指してくださいとアドバイスしています。

私は今年で教員になって23年目に突入しました。授業についてはいつも試行錯誤です。IB教員としては私はまだまだハナタレ。いつまでも学びきったという境地には達しませんね。

学校で私が生けた花を見たお母さんから、「先生は空間が怖くないんですね」というフィードバックをいただきました。それは私が空間における疎密を意識的に作っているということを私に気づかせてくれました。そのことを数学の先生に話したら、「集合」と結びつけられるとかってどんどん話が広がりましてですね…。ひとりではちょっときついんですけど、こうやってみんなで学んでいくと案外新たな発見があって面白いなって私は思います。

スポンサーリンク




フォローする