IB認定校への道 -確認訪問2-

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みなさん、こんにちは。熊谷優一です。筑波大学附属坂戸高等学校で国際バカロレア・ディプロマ・プログラム・コーディネーターをしています。

今回は前回に引き続き、確認訪問を取り上げています。前回は認定申請にかかる提出書類について説明しました。今回はDCPが確認訪問を迎える前に、どのようなリーダーシップをとるとうまく確認訪問を乗り切れるのか、私の個人的なアドバイスになります。まったく、大きなお世話ですよね。なので、今回のは、「そんなの知らん」と読み飛ばしていただいて結構です。

ひとつだけ前回書き忘れたことがあります。IBDOCSにはDP科目のカリキュラム・アウトラインの様式が科目グループ毎にダウンロードできるようになっています。科目によって書式に異なりがあるようです。コーディネーターは科目担当者に渡す前に、一度目を通しておくとよいでしょう。

訪問日程を立てる

確認訪問は3日間にかけて行われます。その日程のサンプルがBasecampで見つけることができますし、シンガポール・オフィスに問い合わせれば同じ様式を送ってくれます。それを見れば、誰とどのくらいの時間面談するのかがわかりますので、参加する人の都合を調整して日程を立てます。

この3日間は平日であることもありますし、週末が含まれていることもあります。平日の場合、保護者には仕事の休みを取ってもらわないといけない場合がありますので、できるだけ早めにお願いしておくのがいいと思います。

誰を何時からEducatorと面談させるのか調整するのが、意外と手間がかかるんですよ。組織が大きければ大きいほど、関わる人数が増えてきます。筑坂は、筑波大学附属なので附属学校担当副学長、大学の施設や財務部、附属学校教育局などに確認訪問に来てもらいました。それぞれ他の仕事の合間に来てもらうことになるので、都合を聞いたり、時には予定をずらしてもらえるようお願いしたり、調整が必要です。また、冬だと担当の先生がインフルエンザに罹患したとか、ありがちな話ですよね。したがって、代打・代役の準備もしました。

訪問日が大体これくらいになりそうだ、3日間だ、いついつに決まった等々…情報を得たらすぐに共有しつつ、普段のコミュニケーションの中で体調管理のことも触れておくといいでしょう。「コーディネーターも大変だねぇ」なんて労ってもらったらこっちのものです。信頼関係こそ認定を取り、プログラムを持続するのに最も重要な要素ですから。

訪問にかかる経費

訪問するEducatorがコンサル訪問のあと2人指名されます。EducatorとはBasecampというIBとコーディネーターとのホットラインでやり取りします。私の時はタイとオーストラリアのインター校の先生でした。

日本に入国するまでの費用はIBOが持ちますが、入国した瞬間からは学校持ちです。その中には交通費、宿泊費、飲食費も含まれます。缶ジュース1本も請求されます。それがルールです。私もハーグのプロジェクトに行ったときはすべての飲食にかかったレシートを提出し、全額支払ってもらいました(ちなみに、ワイン1杯までは含めていいとか、チーズは食費で出せるとか、そういうことも規定されていました)。

特に公立の学校はこの辺の予算の出所が難しいと思います。事務方とよく相談してください。私は結構ここに時間がかかった覚えがありますが、附属学校教育局のみなさんが知恵を絞ってくれました。普段からコミュニケーションをよくとって、不安なことは前もって相談できる体制を築いていくことはとても大切です。

突発的な問題はどんなことでも起こりえますから、何かあったら対応できるだけのチームを作っておくことを勧めます。

寄り添う柳の枝のように

コーディネーターが直接Educatorと話をするのは、スケジュールの確認や進行具合を除いては主にダメ出しされた時です。ダメ出しされないようにしたいところですが……そうもいきません。

関わる人数が多いからです。Educatorと面談するのは、ガバナンスを担当する部局、管理職、科目担当、生徒、保護者と多岐に及んでいます。そのすべての人と前もって個別に話をしておいてください。全員にとって、頼りになるのはコーディネーターしかいません。

特に科目担当者はカリキュラム・アウトライン、ユニットプランナーを提出しますよね。その書き方がまたIBIBしているので、なかなか書けないものです。どうぞ理解を示してあげてください。そして寄り添ってあげてください。

科目担当者がより負担なく書けるようにと私は資料をたくさん作りました。主なものは以下の通りです。いやぁ、大変だって思うかもしれませんが、これを知らないと私はコーディネーターをやる自信がなかったので、これらは本当は自分用にまとめたものです。さももっともらしく科目担当の先生を思ってとか恩着せがましく言いながら渡しました。

・TOK超概論
・CASの宝庫-JAPAN-
・これだけは押さえておきたいATL & ATT
・形成的評価と総括的評価例
・ユニットプランナー作成マニュアル
・TOK Link プランニングシート

最後に

コーディネーターして最も必要な力は、その役職の名前がそうであるように、「調整する力」です。調整するためには普段から関わる人たちと十分にコミュニケーションをとり、ラポートを築いておく必要があります。生徒との関係もそうですよね。何か起きたとき、生徒が先生に相談に来るのは普段から相談できる関係ができているからです。

私は自分から出向いて行って、困っていることはないか、今こういうことになっている等々、情報を吸い上げたり、提供したりしてきました。ホント、結構いろんなことが起きましたがね。何でかんでみんな最後には協力してくれて、確認訪問から2週間を待たずに認定を得ることができました。

繰り返しますが、みなさんと同じくらい科目担当の先生も不安を抱えています。認定を取るのが最終目標ではなく、認定を受けた後の生徒たちに質の高い学習機会を提供するのが最終目標であることを忘れてはいけません。その時チームがうまく機能するように調整するのがコーディネーターの役割です。

みなさんの健闘を心より祈っています。認定を勝ち取って、いつの日か日本のコーディネーターのみんなで飲める日を夢見て…。

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