新・IB認定校への道:外国人教員の採用と特別免許取得

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毎月の月初めは「新・IB認定校への道」シリーズの新作がリリースされます。このシリーズは国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)のプログラムを実施するために、国際バカロレア機構(IBO:International Baccalaureate Organization)から認定を受けようと思っている学校に向けて書いています。

今回はIBのプログラムを指導する外国人教員の募集および採用、そして特別免許申請について取り上げたいと思います。

外国人教員採用のニーズ

IBの教育プログラムのうち、高校生段階のあたるディプロマ・プログラム(DP:Diploma Programme)は国際バカロレア機構と文部科学省の間で合意の下、英語と日本語の二言語(ディアル・ランゲージDP)で受講することが可能になりました。とはいえ、最低でも2科目は英語で学ぶことが文部科学省より条件が付けられています。

大概の学校では外国語に当たる「English B」という科目ともう一科目を英語で提供しているようです。私の前任校である筑波大学附属坂戸高等学校では、芸術の科目で「Theatre(演劇)」を生徒は英語で学習します。

ちなみに「English B」という科目があるからには「English A」という科目もあります。DPでは母語科目グループと外国語の科目グループはそれぞれ1科目ずつ勉強しなければいけません。「A」は母語の科目グル―プ内の科目で、そのうち「Literature(文学)」とか「Language and Literature(言語と文学)」といった科目があります。「B」は外国語の科目の名前で、「English B」や「Japanese B」といった外国語科目があります。

余談になりますが、だから世界のIB校で教鞭をとる日本人の先生の需要があります。バンコクの山田浩美先生は日本人の学生には「Japanese A:Literature(文学)」を、日本人以外の生徒には「Japanese B」を、台中の阿部公彦先生は台湾人の生徒たち向けに「Japanese B」を指導されています。この辺の話もまた回を改めて取り上げようと思います。

外国人教員採用方法

外国人教員を採用するにあたって、私が採っている方法は全部で3つです。1つ目は直接リクルート、2つ目は教員募集サイト、3つ目は紹介などによるネットワークを利用する方法です。

まずは、直接リクルートする方法ですが、これは海外で行われるワークショップやカンファレンスに参加するときに、気になる先生に声をかけるという地味にして一番効果がある方法です。もちろん、その前に採用計画が明確に立てられていることが条件です。そのうえで、例えば、「English B」が教えられる人、「Chemistry」が教えられる人、という風に知り合って、この人面白そうだなという人に片っ端から声をかけ、教員募集をしていることを告げ、興味があれば連絡がほしいと名刺を交換します。

2つ目は、「Bamboo HR」などのインターナショナル・スクールの教員採用の有料のマッチング・サイトの利用です。費用はそれなりに掛かりますが、最も多数の人にアプローチすることが可能です。

3つ目はネットワークの利用です。「どこどこの学校のだれだれが学校移りたいってよ」っていう情報はですね、公立の学校の転勤の時期になると出てくる、「あの先生は出る」とかいう噂と同様にインターナショナル・スクール界隈でも聞こえています。それも確実かつはっきりと。そこで紹介したり、されたりしながら探っていく方法です。なので、1つ目のところで連絡先を交換しておくこと、募集の予定があることを広めるのが有効になります。

インターナショナル・スクールで働く先生たちは長くても2年、3年で他の国、もしくは他の学校で働くことを志向する傾向にあります。契約は8月から7月とすると求人活動が活発になるのは前年の11月頃。1月、2月は面接と交渉が行われ、よりよい条件や待遇を提示するところに先生方は最終的に決めるようです。

この業界は売り手市場。内定していても他の学校に採られる(!)ことはよくあります。また、働き始めても契約と実際が異なっていた場合、割りとあっさり辞めるなんてこともしばしば。なんせ競争相手は全世界の学校ですからね。

外国人教員に特別免許を付与する

さて、では日本の学校で外国人の先生の採用が決まって、実際に赴任した後のことを取り上げましょうか。

IBの科目とはいえ、一条校で外国人教員が指導するためには所属する都道府県から発行された教員免許状が必要です。日本の大学で教員免許を取得する課程を経ていないので特別免許を申請することになります。

特別免許を申請するプロセスは各都道府県によって大きく異なります。埼玉県では指定された書類(履歴書や職務経歴証明書、研修計画など)の提出ののち、日本語で面接が行われました。面接は通訳が同伴可能だったので、私が通訳に入りました。大阪府の場合は、TOEFLのスコアも求められます(H30年度の場合)。

申請書提出から、面接を経て、免許が付与されるまで大体半年くらいかかりました。ということは年度始めから、外国人の先生が指導するためにはその半年前には雇用されている状態でなければならないということです。また、インターナショナル・スクールで働く先生方は9月から8月の年度スケジュールで仕事をしています。4月に雇用開始では時期が合わないかもしれません。

ここで、1つリスクが見えましたね。9月から8月のスケジュールで、2年、3年で学校を移動するという外国人の先生方はたとえDPの途中だとしても、学校からいなくなる可能性があるということです。高校3年生になって、11月の最終試験を目前に指導していた先生が離任することがありえます。ここは管理職が人事計画および対策を練っておかなければなりません。

最後に

裏ワザとして、現在何らかの形で雇用している外国人の先生をIB教員として育て、そのまま雇用するということも有効な戦略だと思います。公立だとALTとして雇用している先生方、私立でもいますよね。その先生方をIBの先生として雇い直すことも可能ではないでしょうか。

この方法を大邱の教育委員会に話したところ、ALTとして雇用している英語アシスタントの中に結構な数のIB経験者がいて、その先生たちに興味がないかと打診したところ、韓国にすみ続けたいというニーズに合致すると手を上げたALTの先生がいたそうです。

また、現在、玉川大学、筑波大学などでIB教員を養成するコースに外国人の学生も在籍しているので、そういうところに求人を出してもいいかもしれませんね。

人事についてコーディネーターは示唆することはできますが、実際の人事権がありません。教育委員会、管理職のリーダーシップが発揮されるところです。

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