「シークレットキャラバン」レポート:おいしさを科学する 後編

みなさん、こんにちは。熊谷優一です。先日、「オトナキャラバン in 大阪 vol.1」を開催したのですが、日程が合わないという方もいらっしゃって、では問い合わせをいただいた方、vol.1に参加された方だけにお声がけして、「シークレットキャラバン」を開きました。今回は前回に引き続き、キャラバンの内容をレポートします。

私の前任校の教え子が5人参加しました。当ブログ(チノメザメ)でもおなじみのメンツです。今回は彼らの目を通して、かつて教わったクマユウが大阪の地でオトナを対象にどのような授業をしているのか、一参加者としてフィードバックしてくれます。

古井愛の場合

大学の授業を抜け出し、「何かしらヒントになるもの」をきっと掴めると思い大阪に向かいました。現在大学4年生、次のステージをどうするか、何をするのか悩めるお年頃。参加してみて、久しぶりに「ディスカションが楽しい!」と感じました。普段考える事のなかった「おいしさを科学する」という視点から、色々なアイディアが溢れ出るあの瞬間がたまらなかったです。

教育関係者、保護者の皆さんがクマユウチルドレンと対等に向き合ってくださった。正直、2時間では足りなかったです。いつも何かしらの「足りない」を用意してくれちゃって、まんまとクマユウ作戦にはまってしまうのが悔しい!やっぱり嫌い!

でも、いつも考える機会をつくってくれて、チンチャ コマウォ。何か始まりの予感がします。

大平共紘の場合

今回、シークレットキャラバン初参加、そしてクマユウの授業に約3年ぶりに参加しての感想を少し話します。率直に、先生の授業の「やり方」は昔とほぼ変わらないなという印象でした。

まず、先生は私のことをこんな風に皆さんに紹介しました。

「彼は筆記テストでは点数を取るタイプではありませんが、英語で司会を任せると物怖じすることなく堂々とやってくれます。彼のパフォーマンスを正当に評価できるようにしたい。昨年のダボス会議で提唱された2020年に求められるビジネススキルとして非認知スキルと感情知性が強調されていました。ソフトスキルと言われる非認知スキルをどのように育てていくかという視点を彼は私に気づかせてくれました。」

と、僕をフォローしつつ新しい教育が育てる学習者像を説明をしていました。クマユウは僕の紹介ひとつですらオトナキャラバンの内容に繋げていました。感動のあまり、そのあと、とはいえ先生の悪口をぺらぺら喋っちゃう大平でした(笑)

あとは、参加者にアクティビティの制限時間を決めさせたり、参加した教え子にグラフィックリーディングを任せたり、場の状況に合わせてプレゼンのやり方を臨機応変に変えたり、司会進行として誰にも聞こえやすい声で詰まることなく発表していたり、場の先生方に感想を求めたり、制限のある情報開示の中でわかりやすく説明したり……。そういう姿に「クマユウは学び続けている!」と感心してしまいました。

先生は放置される

相変わらず放置されていたクマユウです。こういう授業をしていると、生徒たちや参加された方々からその辺の草木にしか私は思われていないんじゃないかと思うことがあります。「ここにいるよ!」「風に枝を揺らせてるよ!」ってサインを送るも、だーれも気づいてくれないんですよね。みんな自分のことに夢中になって。

「はい。時間でーす!」って言ったときの冷めた視線がね、また痛い。「あんたたち、好きでキャラバンに来たくせに、それを主宰する私に向かってその目はないんじゃないの!?」と私はまたひとり傷ついているわけです。

でもね。私が空気のように感じられているからこそ、議論は活発になるし、その議論を記録したり、その議論に新たな視点を加えたり、問いを投げかけたり、フィードバックすることができます。ファシリテーションする授業では授業者にはそういう覚悟と余裕が必要ですよね。

最後に

みなさん、本当に熱心に参加されて、私が時折、国際バカロレアやアクティブラーニングと言われる学習方法の授業の組み立て方、指導手法、評価方法などをチャチャを入れながら、2時間キャラバンしました。

「オトナキャラバン」は保護者のみなさんにも学習者として体験してもらうことにより、「なぜ?」を問うことなしに、子どもたちの思考を広げ、深めることができるか、家庭でもできる問の立て方を中心に据えています。今後も月一回程度続けていきたいと思います。

当ブログでその都度ご案内しますので、もしよろしかったら足を運んでみて下さい。