IBOからの招待状 2019

みなさん、こんにちは。熊谷優一です。前任校である筑波大学附属坂戸高校で国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)の認定を受けた年にオランダはハーグにあるIBオフィスで行われた「Programme Standards and Practices(プログラムの基準と実践)」という文書の改訂プロジェクトに招待されました。

当ブログを運営している天才的ぼた餅キャッチャー、熊谷優一がIBのプロジェクトメンバーに選ばれました。
本ブログを運営している天才的ぼた餅キャッチャー、熊谷優一がIBのプロジェクトメンバーに選ばれました。

詳しくは「IBOからの招待状 -前編-」、「IBOからの招待状 -後編-」を読んでいただければと思うのですが、これまで国際バカロレア機構(IBO:International Baccalaureate Organization)が提供するプログラムは英語、スペイン語、フランス語で提供されていましたが、英語と日本語によるデュアルランゲージ(DL:Dual Language)によるディプロマプログラム(DP:Diploma Programme)はIBOにとっても新たな文脈ということでたまたま私が呼ばれたんだと思っています。

このブログを読んでいるIB関係者のみなさんも、今は苦しみながらかもしれませんが、突如としてこんな機会が訪れると思うので、その時の心の準備と思って読んでいただけたらと思います。生徒や保護者のみなさんにはセンセイも葛藤しながら学んでるんだなって思ってもらえたら嬉しいです。

IBOからの招待状2019

今回は、カーディフ(イギリス)にあるIBOオフォスからのお呼ばれです。ちょうど大邱(韓国)の先生方を対象としたワークショップを依頼された2018年12月頭のある日の午後のことです。突如として、2019年3月に行われるミーティングに参加しないかというメールが舞い込みました。

私は現在、国際バカロレア・ディプロマ・プログラムコーディネーター(DPC:Diploma Programme Coordinator)として認定作業に当たっています。認定作業を少しでもスムーズに進めるために、IBOからのオファーは公式・非公式に関わらず、できる限り引き受けるという戦略をとっています。

しかし、5,000校を超えるIB校から参加できるのはたったの6人。いくらヘッポコであっても、そんな機会はなかなか巡ってこないし、今後IBを実施するうえで私の生徒たちに直接利益になることを学ぶことができると考えています。日本におけるIB教育の質的保障に繋がるよう学んできたことを、生徒のみなさんだけでなく、保護者のみなさんや先生方にも還元できるようにしていきたいと思います。

スーパーサイヤ人のように

このミーティングの内容は公開することができないのでここで詳細に述べることができません。私をどこかで見かけたら、「あれ何だったの?」と聞いてください。中には答えられない情報もありますが、さわりくらいだったらお話しできると思います。

さて、今回のミーティングにはもう何十年もIB教育に携わってきたエキスパートたちが英語圏から2人、スペイン語圏、フランス語圏、中国語圏から1人ずつが参加しました。日本語圏からおまけのように参加したのが私です。その他に統轄が3人参加していました。な・の・で、メールにはこう書いてありました。

「エキスパートたちのミーティングに、まだ駆け出しのあなたを招待するのだから、きちんと勉強して、課題をこなしてきてほしい」

課題の量もそうでしたが、その質も私のIB史上最高の難易度。これは本気のヤーツ。課題から想像するに、ミーティングの内容も相当ヤバそう。今度こそ最中に泣いちゃうかもしれないし、木っ端みじんに精神が壊れてしまうかもと真面目に航くんに弱音を吐きました。

すると、奴はこう言って私を励まします。

「優一さんはスーパーサイヤ人みたいに、ボロボロに負けても強くなるタイプですよね。だからこれ、もってこいの機会ですよね」

ネクラの積極性

カーディフはロンドンからバスで3時間半のところにあります。ウェールズの州都です。その中心部から車で30分のところにIBオフィスがあります。そこでがっつり議論して、成果物を作り上げます。

基本的には英語を中心言語に設定し、そこを解読したり、話し合って、それぞれが担当したところを記述していきます。ちょっとだけ勇気を出して意見してみたものの、私ははっきり言って、まだ何にもわかっていないひよっこなので、今回はそのプロセス理解することがメインテーマでした。

しかし、練習とはいえ、私も同様の課題が出て、記述を求められます。そこで、思い切って統括責任者にちょっと時間を取ってもらって、一対一で私が記述したものに対してフィードバックをもらえないかと聞いてみました。

すると、本当に快く、「Absolutely. It’s my pleasure!」と結局1時間くらい時間をフィード取ってもらい、指導とフィードバックを受けることができました。2日かけてディスカッションした中でも私はエキスパートたちの観点を学び、身震いしましたが、私が興奮を覚えたのはこの時でした。だって、まるで師匠から掛かり稽古をつけてもらえたんですよ!

駆け出しの私には垂涎もの。こんな贅沢な学びの機会があるでしょうか!私は玉砕していたと思うんすが、そんなことはもうすっかり忘れ、楽しくて楽しくて、幸せで幸せで涙が出そうでした。

最後に

今は、ミーティングに参加する前よりも、もっともっと興味を持つようになりました。うまく学びきれなくて苦しくもあるんですが、でも、何を学び、何ができるようにならないといけないのかは、目の前にたーくさん見えています。ええ、そりゃあたーくさん。

カーディフのオフィスでは日本人の方も働いていらっしゃいます。お二人とランチを食べながらIBで働くことについて聞かせていただきました。お土産もたくさんもいただきました。ありがとうございます。

もしかして日本でもっとIB校が増えたら、カーディフで働く日本人も増えるかもしれませんね。そうか!日本でIB校が増えるということは、日本で働く外国人教員が増えるばかりでなく、海外で働く日本人も増えるということなんですね。

いつか私が教えた生徒がIBで働いているかも。ヒースロー空港から北京を経由して大阪に帰る飛行機の中でそんなことに思い馳せていました。