『チノメザメ~21世紀を学ぶ君へ~』マニュフェスト表明

みなさん、こんにちは。熊谷優一です。

おかげさまで当ブログ(チノメザメ)を始めてから丸2年になりました。始めた当初は、こんなにたくさんの方々に読んでいただけるとは思いもしませんでした。国内外の様々なイベントでお話しさせていただく機会が増え、そこで知っていただいたのかもしれません。いつも応援ありがとうございます。

さて、今回は新年度が始まるタイミングで、一度、当ブログの立場について説明したいと思います。

チノメザメの運営について

当ブログ、『チノメザメ~21世紀を学ぶ君へ~』は熊谷優一と、共同運営の松岡航によって運営されています。主に文章を書いているのは私、熊谷です。松岡はその文章を校閲したり、ブログの管理、運営をしています。

私たち二人は、「東京ナレッジキャラバン」という名前で、当ブログで情報を発信しています。いろいろとお誘いいただくこともあるのですが、どこかの機関に所属すると発信する内容に制限が設けられる可能性もあることから、独立して活動しています。

したがって、当ブログで取り上げられる教育に関する事柄は私と松岡にとって興味関心があることや私たちの取り組みに絞られています。現在は、国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)・ディプロマ・プログラム(DP:Diploma Programme)・コーディネーターを私は務めていますが、当ブログは私が雇用契約を結んでいる団体等を代表する情報媒体ではないことをどうぞご理解ください。

国際バカロレアに携わる者として

スイスはジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構(IBO:International Baccalaureate Organization)が提供する4つの教育プログラムを一般的に国際バカロレア、IBと言うことが多いです。そのうち、16歳~19歳を対象とした2年間の過程がディプロマ・プログラム(DP:Diploma Programme)で、大学準備課程と位置づけられています。

私はそのディプロマ・プログラム・コーディネーターをしています。略してDPC(Diploma Programme Coordinator)です。DPCとして前任校の筑波大学附属坂戸高等学校に続き、2校目のDPCです。

私はこれまで、2017年にオランダで行われた「Programme Standards and Practices(プログラムの基準と実践要綱)」という文書の改訂プロジェクト、北海道で行われたIBワークショップの通訳などをしてきました。文部科学省IB教育推進コンソーシアムACファシリテーターを務めたりもしています。できれば水都の次もIB教育に関わっていきたいと思っています。

IBに関して情報が少ないという声が私のところによく寄せられます。みなさんIBについて知りたいというはわかります。ネットの情報も必ずしも正しくありません。しかしながら、IBに関する詳細な情報はIBOが著作権を持っており、認定校と候補校になった学校にしか開示されません。したがって、当ブログで発信できる情報には制限があることをご理解ください。プログラムの詳細については直接、候補校や認定校に問い合わせるのが一番です。

日本においては、日本語に翻訳された一部の文書については、文科省が著作権を持っており、「Resources for schools in Japan」から入手することが可能です。

文部科学省IB教育推進コンソーシアム」でも様々な情報がまとめらえているので参考ください。

英語になりますが、「The IB Community Blog」という無料で読めるIBの公式ブログは大学進学情報など結構有益な情報を含んでおり、私はよく目を通しています。将来IB校の先生を目指している学生のみなさんにもIBプログラムの実際が書かれており、参考になると思います。

21世紀の教育に携わる者として

当ブログは国際バカロレアという教育が万能であるという立場をとっていません。伝統的な日本の教育にも良さや強みがあり、国際バカロレアの教育と並列に存在していると考えています。

だから、IBを教えている、いないにかかわらず、面白い取り組みをされている全世界の先生たちに寄稿をお願いしています。また、学習者の視点から私の教え子や、大学などで学んでいる/学んでいた学生、学習者を後方支援する視点から保護者にも原稿を依頼し、「教えること」や「学ぶこと」について多面的に情報を提供できるようにしています。

こちらの本にも寄稿しましたが、国際バカロレアが日本の学校教育に導入されることの意味は、これまでの日本の教育を再評価し、強みと弱みを認識することによって発展させる機会と捉えています。当然と思われている知識は記述されません。そんな取り組みを振り返るためにIBのフィルターが使えるのではないかと思っています。

最後に

探究型学習、概念型学習、Project Based Learning、Meaning Focused Learning、友人が長野で作っているイエナプランの学校などなど、現在教育業界は目まぐるしく改革が進もうとしています。そして、これまでインターナショナルスクールで学ぶことができた年間200万から400万の授業料がかかるIBのプログラムが日本では国公立の学校で学ぶことを選択できるようになりました。

東京ナレッジキャラバンが目指すのは、経済格差や地域格差が学習格差を生まない仕組みづくりです。何を大それたことを…と私たちも思っているのですが、割と真剣に考えています。今や駅前に行かなくても1対1で自分に合わせた英会話のレッスンを安価で受けられるようになりましたよね。インターネットで解決できることが格段に増えました。公立の学校では、地方の学校ではできないと信じ込んできたことが、視点を変え、工夫することによって実現可能であることは、工藤勇一先生や、日野田直彦先生の実践を知れば明白です。

呼ばれればどこでも私たちの取り組みについてお話ししに伺いますので、お声がけください。何を学ぶかと同様に、どう学ぶかを選択できる時代がすぐそこまで来ています。当ブログがこれからのこの国の教育についてみんなで一緒に考えるきっかけになれれば幸いに思います(きっかけですよ、あくまでも)。