みなさん、こんにちは。熊谷優一です。イギリスで国際バカロレア関連の会議を終えて、大阪に帰る飛行機の中でこの原稿を書いています。
今はロシア中部上空を飛んでいるようです。そろそろ腰が本格的に痛くなってきました(笑)。
ジェットセッターはつらいよ
ワークショップやイベントで講師やIB機構から公式・非公式の会議・プロジェクトへ招待を受ける際は、時間が許す限りできるだけ引き受けることにしています。私自身勉強になるからです。今年も幸運なことに結構な頻度で国内外の各所に足を運びました。
「色んな所に行けていいね」とよく言われるのですが、実際は旅行ではないので、観光する時間はほとんどないし、いいことばかりではありません(笑)。移動時間が長いので、どうしても疲れちゃうんですよね。
中でもヨーロッパに呼ばれるときが辛い。オランダとイギリスにIBのオフィスはありますが、どちらも10時間以上かかる上に、時差ボケが治ってきたかなと思う頃には帰国するので、帰国してからも時差ボケに苦しむこととなり、結果2週間位不規則な生活になってしまうんです。
したたかな敗者たち
前回は北京で乗り換え、ロンドンで1泊し、翌日バスで3時間半かけてカーディフに行きました。正直なことをいうと、何とかしてロンドンで遊びたかったのですが、結局疲れて面倒くさくなり、何もできなかったことから、今回はアムステルダム乗り換えで直接カーディフに入ることにしました。
さて、会議はというと初日からトップギア。予選なしの決勝戦みたいな雰囲気の中、議論は始まりました。そしてあっという間に初日が終わります。「Work Hard, Party Hard」なメンツが多く、会議が終わって、ホテルに戻るとみんなでご飯を食べにいくのが習わしです。
初日はポルトガル料理の店に、最終日はステーキの店にプロジェクトに参加していたメンバーと行きました。2日目だけは宿題もあったことから、一人でホテル近くの中華をテイクアウトしてすませました。が、油にやられて朝まで腹痛と戦うことになり、やっぱりみんなとトルコ料理の店に行けばよかったと心底後悔しました。
こういう働き方をしていくなら、移動も胃腸もそれなりの強くないとやっていけないとつくづく思います。どんなに負け戦になったとしても、心と体だけはしたたかでありたいと思っているのですが……。
無能の往復運動
今回の会議はこれまで参加した会議の中でも最も難易度が高いものでした。参加者はペルー、イギリス、チリ、バンコク、スペイン、日本から1人ずつ、あとはIBから担当が3人です。
私にとってこの会議に出るのは2回目になります。1回目はほぼほぼオブザーバー参加でしたが、今回は違いました。最終的にまとめる文書の一部を私が担うことが決まっており、物凄くビビっていました。しかも、私以外は10年以上経験があるベテランの先生ばかり。私はハナタレ小僧もいいところ。経験も知識も足元にも及びません。
会議の内容も難解で議論についていくのは簡単なことではありません。そして、「おまえはどう思う?」と自分の考えを表明することがたえず求められます。しかしながら、自分が引っかかっていること、いいと思っていることをうまく伝えられない場面も多く、悔しいやら、情けないやらと会議中、何度も無能感の無限ループに陥りそうになりました。
「自分は無能である。あの人は有能である。この人も有能である。そして自分は無能である」という「劣等の往復運動」に続く、ネクラあるあるです。
やり遂げなければいけないタスクは目の前に山のようにあります。思考停止している場合ではありません。自分のマイナスの感情をなんとかして、パフォーマンスを続けないといけない。さもなければ、私に「次」はないでしょう。私は何度も自分に、「集中しろ!」と命じました。
最後に
今回、私は現在のIB教員としての限界にぶち当たったように思います。しかし、この上を目指していくにはどんな経験は積めばいいか、何に関する知識を身につければいいかは、今はっきりと見えています。
要は、まだまだ勉強が必要なのです。今回を以て、「チノメザメ~21世紀を学ぶ君へ~」の定期更新を中断し、充電期間に入るというのはそういう背景もあります。しばらくの間は本腰を入れて学ぶことに集中したいと思います。
原稿を書いたり、本を読んだりしていたら、モンゴル上空まで来ました。海外に行くときは馴染みの本も持っていき、読み返しては新たな発見を楽しむことにしています。今回は近藤紘一の「したたかな敗者たち(文春文庫)」を持ってきました。負け様で勝つ。私らしいなと思いつつ、日本まであと3時間半、自分との対話を楽しみたいと思います。
では、この辺で。みなさん、どうぞ良いお年をお迎えください。これから当ブログは不定期の更新になりますが、たまに覗いていただければと思います。