今なぜ国際バカロレアなのかに答える

みなさん、こんにちは。熊谷優一です。前回の「オトナキャラバン(仮)開催のご案内」では、新しいイベントの開催をご案内しました。6月23日(日)の14:00 ~ 17:00に梅田で行います。詳細と参加申し込みは「オトナキャラバン申し込み」からお願いいたします。ぜひ足を運んでみてください。参加確定後にその他詳細等と要領をお送ります。

IBCカフェに続き、東京ナレッジキャラバンが主催する新イベント開催が決定しました。

さて、2019年4月20日に、全国から国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)のプログラムコーディネーターのみなさんが大阪に集まり、「IBCカフェ」なる会を開催しました。各校に1人しかいないコーディネーターの先生たちは正直自分がやっていることは正しいのか、相談する相手がいないため、常に葛藤を抱えています。そんなコーディネーターが胸の内を語り、苦労を分かち合い、うまくいっていること、いないことについて情報交換しました。

そのとき出たのが、この質問です。

「そもそも、なぜ今、日本の公教育に国際バカロレアを導入しなければならないのでしょうか?」

本日、未熟者

私もおそらく多くのコーディネーターの先生方と同じように、やりたくて国際バカロレアの教育プログラムにコーディネーターとして携わり始めたわけではありません。何度か当ブログ(チノメザメ)でも書いていますが、その時校内で一番暇だった英語ができる人以外の理由が見つからないんです。今ではそれを感謝していますが、本当にただそれだけなんです。

だから、コーディネーターに指名されたときは、どこから手を付ければいいかもわからず、IBの難解かつ独特な用語に頭を抱えるばかりでした。また、当時はIBはほとんど認知されていませんでしたし、その教育プログラムがなぜ日本に導入されるようになったのか、なぜ必要なのかといったことも含めて、私には当時勤務していた筑波大付属坂戸高校はもちろん、PTA、筑波大学での様々な会議でも話さなければなりませんでした。

コーディネーターとはいえ、たまたま指名されただけであって、私も普通の一教員でしたから、すぐにはうまく説明できませんでした。事実に基づいた情報だけではなかなか伝わらないんです。かといって、浮ついた話をすれば、「熊谷、甘い」と叱責されることもあり、私は上手く伝えられずにいました。

なぜ今、教育改革かに答える

今、日本の教育は大きな変換点を迎えています。業界内では明治維新以来の大改革なんて声も聞こえてきます。大学入試改革もそうですし、経済産業省が未来の教室を提言したのも、学習指導要領の縛りを超えた国際バカロレアのプログラムが一条校で実施できるようになったのも、その一連の流れの中にあると私は考えます。

「なぜ、今国際バカロレアか?」という私自身の質問に答えたのが以下の2冊の本でした。「LIFE SHIFT(ライフ・シフト) 100年時代の人生戦略」と「ライフロング・キンダーガーテン 創造的思考力を育む4つの原則」です。


この2冊には本当に助けられました。学ぶことそのものの新しい意味づけについてわかりやすく時代背景を絡めて説明しています。私はこの本を読んで、「そうそう。だから必要なんだよね」と大きくうなずきました。読んでみてストンと納得が行きました。だから教育を変えていかなければいけないのか、と。

なので、教育関係者にはもとより、保護者のみなさんの前でお話しするときは必ずこれらの本を紹介しています。どちらかというと前者は中学生、高校生の保護者のみなさん向け、後者は幼稚園・小学校の保護者のみなさん向けの本かなと思います。

なぜ今、国際バカロレアかに答える

プログラミング教育が小学校から導入されることが決まりましたよね。「何で?」「負担がまた増える」と思う先生方も多いと思いますし、保護者のみなさんにとってもいまいちその必要性がピンと来ていないのではないでしょうか。

「ライフロング・キンダーガーテン 創造的思考力を育む4つの原則」を読んで、私はなるほどと思いましたし、早期プログラミング教育が育む能力に期待するようになりました。今、学んでいる子供たちが大人になったとき、といってたった10年、20年先のことですが、急速に変化し続けるグローバル社会において、これまで人類が経験したことがない新たな課題に直面していくことでしょう。

学校の成績やテストの点数が高いことがそんな時代を生き抜くことの担保になるでしょうか。単に教科書に書かれた問題を解決するのではなく、自ら課題を見つけ、創造的かつ革新的に解決するマインドを以って、自ら新しい方向性を生み出す人材が産業から求められています。経済産業省は、それをチェンジメーカーという言葉で説明していますね。

最後に

人生がもしも100年続くとしたら、例えば大学までで勉強したことでは知識もスキルも途中で枯渇してしまいます。途中でまた学びなおすことが必要となってきます。

必然的に学校の役割は、学習者に生涯に渡って学び続ける知的体力を培うことにシフトしていきます。とすると探求型学習っていうのはやっぱり必要だってなるし、学んだことを体系化して、他の事柄にも応用できるように概念化することは学習の効率をあげますよね。そこが国際バカロレアの教育プログラムが優れているところだと私は感じています。

こういった話を含め、探求型学習、アクティブラーニングなど21世型の新しい学習へのアプローチを一学習者として体験できるような勉強会を、オトナキャラバン(仮)と題し6月23日(日)14:00 ~ 17:00に梅田で企画しています。18歳以上のオトナの方(高校生不可)で教育に関心がある方であればどなたでも参加できます。

お申し込みは「オトナキャラバン申し込み」からです。あまり難しく考えず、気楽にご参加ください。お待ちしています。