南三陸の保健室より

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みなさん、随分とご無沙汰しております。阿部富子です。宮城県南三陸町にある県立高校で養護教諭をしています。

この前クマユウがこのブログにも登場している筑波大学附属坂戸高校の卒業生の5人と久しぶりに集まったと嬉しそうに話してくれました。その席で、10年以上も前に私が彼に話したコトを、どこから一歩を踏み出せばいいか迷っている彼の生徒に話したと聞きました。

ある結婚式での話

私の教え子の結婚式で、昔、担任にこんなことを言われてとてもうれしかったというエピソードを聞きました。話はこうです。

『高校生のとき、電車でお年寄りに席を譲ろうとしたが、結局一言が言い出せなくて譲ることができなかった。そしてそのことをひどく後悔していた。その話を聞いた担任から、「今回は譲れなかったけれども、譲ろうって気持ちにはなった。今回はそれでいいじゃないか。次は譲れるといいな」と言ってもらい、救われた』

この話をもう15年位前になりますかね、私がいる保健室を訪れた若きクマユウに話したことがありました。その頃のクマユウは…何というか、彼特有の嗅ぎ分けるチカラを武器に、ひたすら生徒の潜在的な魅力、能力を引き出し、伸ばすことに並々ならぬ情熱を注いでいました。

なまじ結果も出していただけに他の職員と軋轢も生じてはいましたね。批判に負けじと相当努力していたと思います。でも一方で、「できない」「やらない」生徒のみならず、「できない」「やらない」職員にも厳しかった。そこは私も心配していました。

思い起こせば、赤鬼の片鱗はありましたね。(笑)

文化祭開会式での話

自分に対してと同じだけ職員にも厳しかった若き日のクマユウ。思い悩んでいた頃もありました。特に怖いという印象は持っていませんが、自分に厳しい人というイメージはありましたから、一般の生徒たちから関わったら自分も厳しくされるのではと思われていた節はあります。

当時、彼は生徒会の担当をしていました。色々と悪くいう人はいましたが、クマユウは生徒が生徒自身で行事を立案、運営できるスキルを育てたいと強く思い描いて指導に当たっていました。そして徐々に確実にオモイは実現していきます。その頃には厳しく指導するという立ち位置よりは、「まずはやってみろ」と、そばで見守る姿勢に徹して生徒会の生徒たちに関わっていました。

ある文化祭でのこと。開会行事を担当していた生徒が、緊張のあまりテンパって進行がスムーズにいかず、終わるや否や泣き崩れたときのことです。みんなの前で「すみませんでした」と泣きながら謝る彼に、クマユウはこんな言葉をかけました。

「何が足りなかったか、わかっただろう。どうすればよかったか今はわかるだろう。文化祭はまだ続く。閉会式の担当もお前と同様不安に思っているはずだ。お前が奴らをサポートしてやってくれ。閉会式で挽回しよう」

そのように言われた生徒の言動が瞬時に変わったと嬉しそうに話してくれたのを鮮明に覚えています。そしてこの時、その生徒のことを「怒鳴らなかった自分」に驚いたとも。このことがきっかけで生徒との新たな関わり方が若きクマユウの中で確かなものになったのではないかと思います。

知の目覚め

クマユウとは相も変わらず、ちょくちょく対話をします。そして彼もそれを喜んでくれています。自分では気づかなかった、気づけなかったことを私が教えてくれていると。それをIBの学習方法では「ソクラテス式セミナー」って言うんだと。

難しいことはわかりませんが、私が保健室で実践していることは、生徒たちが私との対話を通して自分自身の課題を認識し、その対策を考えるきっかけを与えていると言って彼は褒めてくれます。それを彼は、「チノメザメ」という言葉でこんな風に表現していました。ちょっと印象深かったので、紹介させてください。

「チノメザメ。それは対話の中から、異なりや困難とのぶつかりの中から芽生える。その時、誰かがすぐ側に居て言語化するのを見届けることで、それは、確固たるカタチになる。その時々に、生徒に寄り添い、撥ね除け、ぶつかり、包み込み、待てる富子先生のようなオトナでありたいです」

何か、うれしかったんですよね。そんな風に言ってもらえて。彼自身も私が言葉にできないことをこういう風に私に教えてくれます。生徒と先生の関係もそんな風にお互いに気づき、気づかせるようだといいですよね。

いつも被災した故郷の子ども達を想い、IBというフィルターを通して、日本の教育を叙述することにより、私たちがこれまで教育を通して培ってきた日本人の知恵をもう一度振り返る。そんなきっかけづくりをしたいというクマユウの思いが、たくさんの人たちの協力を得て、カタチになるようにと願ってやみません。

どうか、みなさん、クマユウをこれからもよろしくお願いします。(母の気持ち)

最後に

「はじめまして、こんにちは」には「やっと会えたね」って言うメッセージも込められているというハナシを聴いてから、初めて会う人・これから会うかもしれない人のことを想像しただけでも、ワクワクしませんか。

「出会い」を「出愛」に。読者の皆様と、こうして繋がらせていただき、出愛をいただけて、とても、ハッピーです。明日はどんな出会いがあるのかな。明日はどんな自分に会えるかな。

最後まで、読んでいただきありがとうございました。

お知らせ

今年の3月、宣伝させていただいた宮城県志津川高校生徒企画による「おすばでパック」(酒のつまみパック)。今年度は「おじゃがす(お茶菓子)パック」を販売します。地元のお菓子屋さんのお茶菓子の詰め合わせのようなので、インパクトは弱いかなぁ。もしよろしかったらお手に取ってみてください。

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