「Most Likely to Succeed」上映会 in 気仙沼 前編

昨年2018年11月23日には、当ブログ(チノメザメ)でもお馴染みの阿部富子先生が養護教諭をしている志津川高校で「Most Likely to Succeed」という教育に関するドキュメンタリー映画の上映会を開催しました。上映会に参加した鈴木千帆先生に感想を寄せていただきました。

熊谷の故郷、宮城県気仙沼市(11/24)と南三陸町(11/23)にて映画上映会を開催しました。

ルーツ

みなさん、こんにちは。熊谷優一です。前日の志津川高校に続き、三連休の中日は私の生まれ故郷である宮城県気仙沼市で上映会およびワークショップを開きました。このドキュメンタリー映画の上映を通して、私は古今東西で出会った人たちとの各地で再会します。中にはもう10何年かぶりに会う、当時仲良くしていた先輩の先生や私の教え子の顔もありました。そして長野にイエナプランの学校を作っている友人も奥様と一緒に応援に来てくれました。

9月29日(土)18:00よりせんだいメディアテークにて映画上映会を開催します。

この日は気仙沼海の市の2階にある、スクエアシップをお借りしました。気仙沼市内の小中学校の先生、保護者、石巻の小学校の先生、市議会議員など様々な立場の人が参加し、ネットワーキングとしても意味ある上映会になりました。会が終わってからもずっと話が尽きず、中には涙ぐまれる方もいらして、気仙沼の教育を真剣に考えるほとばしる情熱を感じました。

綺麗ごとと思われるかもしれません。それでも私は繰り返します。地方で学ぶことは都市部で学ぶことと比べて、劣ってもいませんし、遅れてもいません。真逆です。自分が世界と繋がっているという実感さえ持つことができれば、豊かな自然環境と文化の中で学べることはアドバンテージでしかありません。

インターネットがあります。それで世界とつながることができます。今や駅前まで行かなくても、スマートフォン一つあればface-to-faceで英会話を学ぶこともできます。自分がほしい情報を即時に入手することも、どこかの国の誰かと議論することだってできます。

禁止することでではなく、どうすればより良い使い道があるのかを考えませんか。

グラフィック・レコーディング again

途中から失礼します。当ブログを主宰する熊谷優一の妹、阿部亜紀です。

兄が私たち出身地、宮城県気仙沼市でドキュメンタリー映画「Most Likely to Succeed」を上映し、1時間程のワークショップを行うというので、グラフィック・レコーディングで何か役に立ててればと、4人の子供達を連れて気仙沼へ行ってきました。

大阪に住んでいる兄は、岩手県に住んでいる私の子供達にとってレアキャラなので、「にんに」に会える時に会っておかないと、次いつ会えるかわからないのです。それに、昨年11月11日に兄が大阪で開催した「国際バカロレアフォーラム in 大阪」に呼んでもらった時に思ったようにグラフィック・レコーディングができなかったので、そのリベンジの意味を込めて、教育系のワークショップを記録しようと思ったわけです。

先輩グラフィッカーの方が、“流れ”を意識して描いていると伺ったので、今回は流れを意識しながら描きました。自分も対話しながらのグラフィックだったので、ゆる~く、リラックスした感じで描きました。

ルーツ

再び、熊谷優一です。この時、今は石巻市立桜坂高校に勤める阿部浩人先生と話していて思い出したんですが、今から15年くらい前、私たちがギリギリ20代だった頃に、このブログでも何度か取り上げた「Negative Corners」というアクティビティを思いついたんでした。当時私は本吉響高校で、彼は鼎が浦高校の生徒会顧問をしていました。

年に一回、気仙沼地区の各高校の生徒会の幹部が泊りがけで合宿をしていたんですね。そこでディスカッションした内容を発表したり、ディベートをしたりしたんですが、ちょっと時間があまったので、「じゃあ、エギジビションだとかいって、若干ふざけたお題で誰もが自由に発言できて、何を言っても、言いまかされても傷つかない」アクティビティとして浩人先生と私ともう一人、気仙沼高校だった畠山卓也先生と考えたのが、4つの選択肢のうち最もネガティブなものを選ぶという「Negative Corners」です。

「のび太の人生に最も悪影響を与えているのは、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん、ドラえもんのうち誰か」というお題を今もなお、全国津々浦々でアイスブレーキングで使っています(笑)。

最後に

仙台、南三陸、気仙沼の後は、私の前任校である筑波大学附属坂戸高校で昨年12月に上映会を開かせていただきました。筑坂を離任して早一年。退職後もこのように繋がって、先生方だけでなく、生徒や保護者のみなさんと関わり続けていられることを仕合わせに思います。

宮城県の教員を辞めてもう10年になりました。それでもこうして気にかけてくれる人がいます。つくづく、私は関係性に生かされているなと思います。心から感謝しています。

上映会は私一人の力では実現することはできませんでした。たくさんの人に協力、協賛いただきました。実に様々な方からサポートいただき、大勢のみなさんに足を運んでいただきました。本当にありがとうございます。

気仙沼ではお母さん方がリバイバル上映を企画していると聞いています。この流れが全国に広がり、皆でこの国の教育の未来を考えていければと思っています。全国の情熱の点が線に、そして面になる日を夢見て。今日も読んでいただきありがとうございました。