みなさん、こんにちは。熊谷優一です。この間とあるお母さんから、「熊谷先生って人前でも淀みなく堂々と話せるし、ちゃちゃちゃっとプレゼンテーションできちゃうんでしょうね」と言われ、私は狼狽しました。このブログをご覧になっているみなさんなら、すぐ否定してくださると思うのですが、そういった誤解を受けていると知って私は言葉を失いました。
万が一、私のことを誤解されるといけないので、今回はちゃんと説明させていただきますね。
自信があるフリをせよ
私はもともと人前で話をすることが得意ではありません。しかし、国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)のプログラムコーディネーターという立場柄、色んな所でIBについて話を求められてきました。その時に、コーディネートする者として、堂々と発言できなかったら、聞いている人のその良さを知ってもらえないじゃないですか。だから必死で準備しています。
回数をどれだけこなしても、人前で話をするときは、朝から緊張のあまり何も喉を通りません。ぬるま湯で胃を誤魔化して、時を待つ間は正直言って地獄です。話し始めたら、「自信があるフリ」をしてその話に集中するので、なんとかなんとかやれるのですが、話し終えたら胃が雑巾で絞られるような痛みに約20分苦しむことになります。
その姿を時々、目撃されることがあります。2019年8月25日に大阪女学院で開催した「ナレッジキャラバン in 大阪 2019 夏」では、全体会でイベントの趣旨についてお話していたのですが、前の方に座っていた方から、「チャペルのステージに立つ熊谷先生の後ろ手が震えているのが見えて、ホントに緊張してる!」ってメッセージをいただきました。
限界に挑戦することなく、自分の限界を知ることはできない
前任校である筑波大学附属坂戸高校の先生仲間が、あれはマラソン大会の練習をしているときだったと思うのですが、「限界に挑戦することなく、自分の限界を知ることはできない」と話していました。確かに、限界を知ることによって、そのことに打ちひしがれるのではなく、本当の意味で成長するための成長戦略を特定することができますよね。
彼の言葉は今や私の行動指針になっています。だから、傷つくリスクを承知でまずは挑戦をする。失敗しても、それによって自らの限界を知り、将来の成功に向けて戦略を立てる。その過程を見ていた見た人、知った人は私がそうであるようにきっと自分を応援してくれるようになる。
これまでたくさんのピンチがありましたが、うまくいかないときに、私に寄り添ったり、必要とする情報をさりげなくシェアしてくれたり、サポートしてくださる優しい人たちがありがたいことにたくさんいました。自分にとって魅力的なチャンスが訪れることよりも、そんな人達が私の人生に現れたことが最大のぼた餅だと私は考えています。
ネガティブが一周回ってポジティブ
随分前に劣等の往復運動で自己否定感満載のネクラなみなさんに向けて、次のように述べました。
この人はすごい。自分はすごくない。
あの人はすごい。自分はすごくない。
その人もすごい。自分はすごくない。
この他者と自分を比べる「すごい / すごくない」の往復運動は何も生み出さないことを、ネクラは知るべきです。その運動の結果、すごくないことを思い知った後、ネクラは気後れして行動に移す決断を先送りにします。
ネクラの権化と言われる私でさえ、それはもったいないと思います。行動に移したらもっと楽しくて、もっと興味が湧くそんな出来事があるかもしれない。思ったよりも長くないこの一生はいつ終わるかわかりません。劣等感に苛まれて、何もせず停滞しているのは本当にもったいないと私は思うんです。
冥土の土産に、ひとつでも多くのネタを仕入れて旅立ちの日を迎えたい。それは何か新しいことに挑戦する私の中の言い訳になっています。
最後に
今でこそ、IBについては知ったふうなことを語れるようになりましたが、私にもIBについて全く何も知らなくてパニックに陥ったことがあります。振り返ればヤツがいるを読んでいただければと思います。私もその当時の限界にぶつかりながら、少しずつ、少しずつ、理解を広げ、そして深めてきました。
励ましになるかわかりませんが、誰にとっても初めてはあります。初めてだから、不安なのは当然。私に手を差し伸べてくれた人がいてくれたように、私も不安に苛まれている人がいたら一緒に考えようと声をかけられるような人でありたいなと思います。
でも、ひとつだけはっきりと言えることは、やってみようという勇気と、やってやるという覚悟は何事にもやっぱり必要だということです。今、何か一歩を踏み出すかどうか、迷っている人は他人の話を聞くのではなくどうぞ自分自身の内なる声に耳を傾けてください。一歩を踏み出す勇気と覚悟があるか自分に問うてみてください。
このメッセージが決めかねている小さき挑戦者たちへ届きますように。