教育という文脈 -白井尋さんの場合-

みなさん、こんにちは。白井尋と申します。このブログを主催する熊谷さんとは2017年末ベトナムはサイゴン(ホーチミン)にある、私が経営するレストランで突然、出会いました。

お店でお食事を終えられた後、声をかけて頂きました。直ぐに熊谷さんの秘めた強い想いを感じました。私も興味のある教育の分野で活躍されている方だと知り、是非お話しをさせて頂きたいと、日を改めてカフェにお誘いしました。

その時のことは以下のエントリーでも書かれているのですが、並々ならぬ情熱と行動力でご自身の教育の道を進んでいらっしゃる方だと実感しました。少しでも同じ想いや信念を持つ方と言葉、考えを交わすのはとても刺激になり、楽しい時間でした。

ベトナムで出会った二人の教育者との対話を通して熊谷が自らの教育観を見つめ直しました。

熊谷さんは、「やたらめったら興奮して原稿を書きました」と言いつつも、「白井さんと話して、教育者としての原点を見つめ直すことができた」と実にすっきりした表情をされていたのを覚えています。

トレーニングレストラン

私は未発展の国で一緒に成長したいという想いで人生体験と語学勉強を目的に、1997年にサイゴンにやってきました。

現地で沢山の出会いがあり、社会や人間へ様々な想いを持つようになり、孤児院に出入りし、ボランティア活動に携わるようになりました。そして2001年にHuong Laiを作りました。Huong Laiは社会的に恵まれない若者のトレーニングレストランです。

当初は元ストリートチルドレンや孤児院出身の若者、近年は主に貧困家庭の子供たちを対象として、レストランで初歩の英語からインターナショナルスタンダードのサービス、ライフスキルなどを教え、
給与の他にも学費支援、住居、医療の補助などを提供し、若者たちが自尊心・能力・将来の希望を持ち、自信をもって卒業=他のレストランやホテルで就職するまで数年に渡ってケアしています。

2つのチャンス

チャンスには2つあると思います。与えられるチャンスと自分でつかむチャンスです。

小学校までしか出ていないようなベトナムの恵まれぬ若者たちは自分でつかめるチャンスは限られています。しかし、本人が無自覚なだけで皆必ず可能性を秘めています。その可能性をHuong Laiで教育と就業のチャンスを与える事で掘り起こし、それぞれの人生をより良い物にしていって欲しいと願っています。

Huong Laiではまず、心、想い、在り方を教え、同時にプロとしての技の部分をトレーニングしていきます。自分では引き出せない潜在的なやる気、可能性を引き出すのが教育の大きな目的であり、醍醐味であると思います。

人と人との共同作業

事は人と人の共同作業です。人を動かすとは人の心を動かす事だと思います。

海外においては、言語、常識、思考の共有は難しく、尚更、日本人とは違う現地の人たちへの好意的理解、敬意、好意が大切になってきます。異文化の理解・甘受の上での日本の普遍的な教えである<知行合一><修己知人>がどこまでできているかが、仕事の成功や生活の充実に大きくかかわってくると考えています。

私が新たに異文化理解・人対人のコンサルをしようと思い立ったのはそういう想いがあるからです。

最後に

日本には先人が示し、残してきた偉大な教えがあります。

それらを知らぬまま日本人として生きていくのは宝の持ち腐れであると思います。現代においても十分通用する普遍的な”人の道・ヒトとしての在り方“をしっかり学ぶ必要があると思います。

ハウツー、知識、情報をため込み操る前に、もっと大切な普遍的な言葉・精神・教えに触れてほしい、もっと自覚発奮し、生かしてほしいと切に願っています。