みなさん、こんにちは。熊谷優一です。前任校である筑波大学附属坂戸高等学校を離任してもう1年が過ぎました。今も先生方と連絡を取り合い、国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)の情報交換をしています。
生徒や保護者のみなさんとは、昨年度スカイプで話したり、直接筑坂を訪問して授業をしたり、懇談会をしましたね。今年度も何らかの機会にみなさんにお会いできることを楽しみにしています。
エール
昨年2018年12月に、筑坂IBコース一期生のみなさんと、久しぶりに『知の理論(TOK:Theory of Knowledge)』と『English B』を念頭に置いた授業をしましたね。その時のテーマは、ディプロマ・プログラム(DP:Diploma Programme)が始まると様々なテキストの文章をみなさんは書くことになるので、「日記」というテキストを取り上げ談話分析しました。
「日記」というテキストを定義した後で、それを通時的に考察し、「日記」というテキストの未来を予測しましたね。昨年2018年4月に初めて授業をした時には、まだまだ授業中に英語で発言することも不慣れだったのを覚えていますが、見違えるほど堂々と英語でディスカッションする姿を見て、私は誇らしく思いました。英語そのものの実力もそうですが、皆が知識の翼を自らの思うままに広げ始めたのを感じました。
この人たちならきっとやれる!私は確信しましたよ。ディプロマを取れるかどうか、皆はまだ始まったばかりだから不安だと思います。先生にできるのは、たまーに筑坂に行って、皆を励ましたり、TOKのエッセーを書くにあたってのスキルビルディングを助けたりしかできませんが、いつも、心の底からみなさんを応援しています。
インスピレーション
筑坂一期生のエレフセン・カイくんがブログ「Ellefのブログ」を始めました。学習者の視点から国際バカロレアの教育プログラムを解説しています。どうぞ応援よろしくお願いします。
彼と初めて出会った日のことを今も鮮明に覚えています。体験授業に来ていました。終わってから、個別面談で個人的に話をしたんじゃなかったかと思います。その時彼はこんな風に言いました。
「筑坂IBは僕が作ります」
その時、私はハッとしたんですよね。そうそう!学校って大人が作ったところに子供たちが通うんではなくて、毎日通い、学ぶ子供たちが作っていく場所なんじゃないかと。
その後、国際バカロレア機構(IBO:International Baccalaureate Organization)からあるプロジェクトに呼ばれました。その時に私が感じたことを「世界を変える影響力を持った一個人」で取り上げましたが、今読み返してみると、きっかけはエレフセン・カイくんのあの一言だったんじゃないかと思います。
「決定のプロセスに関与することを通して、世界を変える力を持った一個人である」ことを子どもたちに学校で実感してほしいという思いは今、私に中で確固たる教育観となっています。生徒と教師はお互いにインスピレーションを与え合うような関係でありたいですね。
カイくんにひとつ助言するとすれば、いつブログを更新するか、予め告知しておくことかな。学業もあるので不定期になるのは理解ができますが、CASプロジェクトも視野に入れているのであれば、このブログを通して伝えたいこと、貢献したいことを明らかにして、定期的に読者が訪れるよう、例えば、「一カ月に一回第何○曜日に更新する」とトップページに記載しておくと親切だと思います。私も更新を楽しみにしています。
筑坂IBDP体験授業・合同説明会
筑波大学附属坂戸高等学校ではディプロマ・プログラムを知ってもらうために、中学生と保護者を主な対象に体験授業・説明会を以下のように行うそうです。以下、一部抜粋します。詳しくは「IBディプロマプログラム体験授業・説明会のお知らせ」をご覧ください。
◆日時 2019年6月 1日(土)・ 29日(土)
体験授業:14:00~15:50 説明会 :16:10~17:00 (受付13:30)◆対象 中学1~3年生 保護者・学校関係者
(保護者は各家庭2名までとさせていただきます。中学生未満のお子様の参加はご遠慮ください)◆内容
・体験授業①「知の理論」TOK 14:00~14:50
DPの必修要件の1つで、批判的に思考して知るプロセスを探求します。
・体験授業②「English B 」 15:00~15:50
日常会話レベルの英語力があることを前提に英語の運用能力を身に着けることを目標としています。
・国際バカロレア説明会 16:10~17:00
主に、国際バカロレアでの学びや日本のカリキュラムとの違いについて説明します。
最後に
筑坂IB一期生のみなさん。みなさんは開拓者です。何もかも手探りで知っていくことの中には苦労も多いでしょう。でも、すべてが初めてな分、すべて自分の思うがままという特典があります。自分が法です。勇気をもって進んでください!
心無い人たちはいつの時代も一定数いて、テンションが下がるようなことを言ってくるでしょう。でも、その人たちはあなたたちの代わりにあなたたちの人生を生きてくれるわけではないのでね。正直、外野がわーわー言ってんなぁーくらいに思っておいて下さい。
皆さんしか、皆さんの人生を生きてくれません。皆の親も友達も先生も、皆の代わりに皆の人生を生きてくれません。自分の人生は最初から最後まで自分しか生きてくれないんですよ。だから人の物指しで自分の人生を測るより、自分自身の物差しがどうなのかを探ってください。IBのプログラムはその辺に強いはずです。時々しんどいけれど、誰よりもまず自分自身と対話してください。
皆の人生はみんなが思っているよりきっと長くなるでしょう。そんな長い長い人生を生ききるためには高校卒業後の4年間の学びでは何も担保されない時代が来ます。生涯に渡って学び続ける知的体力をこれからのIBのプログラムで養ってほしいと遠くから願っています。
Good Luck!!