現役IB生ボランティアライターとして参加させていただいている沖縄尚学高校二年生のボルトン・ジョージです。とにかく芸術が大好きでIBではアートHLを取りながら、趣味で音楽制作もしています!
林歩花さんが、前回少し触れていましたが、今回は、「知の理論(Theory of Knowledge:TOK)」という国際バカロレア・ディプロマプログラムにおける世界必修科目に内部評価、「TOK展示」について書きたいと思います。
TOKについて
まず初めに、TOK展示について話す前に、TOKがどのような教科なのか軽く説明したいと思います。正直TOKを学び始めて一年経った今でも核心を突いた説明ができる気はしませんが、IBが出している“TOK Guide”を元になるべくわかりやすく説明しようと思います。
TOKとは英語で”Theory Of Knowledge”の略称で、日本語では「知の理論」と呼ばれています。沖縄尚学ではTOKを日本語もしくは英語で受けることができ、僕は英語を選択しました。TOKの授業では「様々な知識の種類」「それらの知識を知る方法」などのテーマについて「問い」を通して探究します。
最も中心的な問いは ”How do we know?”「我々はどのようにして知るのか」であり、その他にも「僕たちが知識として受け取っているものは本当に正しいのか」「どうしたら正しい知識を学べるのか」などYES・NOでは答えられない様々な問いが飛び交います。
このような問いについての議論を経て、IB生は自分の主観的な前提(バイアス)をより深く認識し、それと共に文化的な視点の多様性と豊かさを理解することができるようになる。というのが現時点での僕のTOKに対する認識です。
TOK展示について
さて、そのTOKの展示会とはどのようなものなのでしょうか。
TOK展示会で生徒はIBが指定した35のIAプロンプト(探求の問いの様なもの)からプロンプトを一つを選んだうえで、そのプロンプトと関連する事物(写真、衣類、食べ物、本など様々)を3つ選び、IAプロンプトと事物の関係性や実社会のどのような場面でTOKが潜在化しているかを示し、展示を発表していきます。
この説明を聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、実際に展示会で発表をした僕からすると「思ってたより発表しやすい」というのが第一印象でした。というのも、僕の学校で行ったTOK展示会では観衆が近くにいたため、話している際に観衆の反応を伺うことができ、それに合わせて説明を加えたり減らしたり調整することが可能でした。また、それに加え質疑応答の時間も設けられていたため、自分の言いたいことを十分に説明しきれたかと思います。
TOK展示に向けて
次に、このTOK展示に向けてどのような準備をしたのか話していきます。
まず初めに行ったのはIAプロンプトを理解しようとすることでした。35のプロンプトを一つずつ読み、分かりにくい表現がある際はTOKの先生に手伝ってもらいました。その後は、プロンプトに関連しながらも、できるだけ似寄らないように事物を選びました。
それからは書いては事物を変えてを繰り返し、できるだけ分かりやすく展示を発表できるように準備を進めました。
今からIBを始める君へ
最後に、これからTOKの授業を受けるIB生に一つ僕が好きなQuoteを共有させてください。
”It pays to keep an open mind, but not so open your brains fall out.”というQuoteです。
TOKの授業では自分の持っている価値観やバイアスを一旦取っ払って物事を考える場面が多くあり、常にオープンマインドでいようと意識してしまいます。もちろんオープンマインドを保つことは大切なのですが、僕の経験上、オープンマインドでいすぎるとTOKの授業で聞いたことを鵜呑みにしてしまい、根本的な「考える」という作業を疎かにしてしまうことがあります。
これからTOKを受けるIB生は、オープンマインドの姿勢と、授業で学ぶことさえも疑う批判的な姿勢の両方をバランス良く持つことをおすすめします。
僕以外の現IB生もTOKで苦しんでいるのをよく見ます。これからTOKを受けるIB生も必ず苦しむかと思われます。ですが、TOKは他の教科にも使える考え方を教えてくれる科目横断型な教科でもあるため、これからのためだと信じて頑張っていきましょう。