緊急特別インタビュー:日本語DP取得者に聞く-2-

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日本で初めて日本語DPを取得した鈴木純麗さんに話を聞きました。

今回は緊急特別インタビュー:日本語DP取得者に聞く-1-に引き続き、仙台育英高校出身で日本語DPを日本で初めて取得した六人のうちの一人、鈴木純麗(すみれ)さんへのインタビューをお届けします。

苦しくったって・悲しくたって

— DPを勉強していて、きつかったことは何ですか?

課題の多さですね。期限も設けられていて、それが次々にやってくるので、ゲームをやっているような感じです。ステージ1をクリアしたら、すぐステージ2が始まって、また終わったら次、次って。


— コーディネーターとしては、それでも1週間にできるだけ2つ課題の締め切りを設けないようにはしているんだけどねぇ。でも、課題に追われるっていうのはわかるなぁ。それは先生たちも同じだから。課題出す前に、課題をこなすに必要な知識とスキルを養ってあげないといけないし、課題が提出されればされたで、それを評価したり、次につながるようにフィードバックしたり、先生たちも正直、追われています。

それは感じています。仙台育英の先生たちは、本当に一生懸命でした。だから私たちもあきらめずに最後までやり遂げることができたんだと思います。でも、今はIBをやってポイント、ポイントしか覚えていません。スキルとしてはたくさん身についたと思います。大学に入ってから、課題をやったり、レポートを書いたり、周りの人がどこからどう取り組めばいいのか考えているうちに、さささっと終わらせることはできますね。


— なるほど。IBの学習を通して得たスキルを応用できるってことか。ところで、家族はそんな課題に追われる姿を見て、応援してくれましたか?

一生懸命やっていて、大変なのは理解してもらっていたと思います。でも、いわゆる受験勉強で頑張るっていう感じの勉強ではないので、大変さを話しても共感はしてもらえませんでした。IBをやっていない友達に話してもわかってもらえないことは多々あって、共感を得られないのは精神的にきつかったです。でも、大学の中ではIBをやってきた人も多いので、IBあるあるで盛り上がったりしますし、学び方も変わるのでわかってくれる人は増えます。

授業の中では平気なの

— 辛い話ばっかり聞いてもあれだし、楽しかったこともあったでしょう?

そうですね。これまで言ってきたこととは真逆になるかもしれませんが、予習・復習するのは楽しかったです。単純に暗記するというのではなく、自分なりの観点を持って、課題を探求することができて、それを表現できる。こんな学び方があるんだって。


— 授業の質が変わるよね。

そうですね。授業ではみんなが予習してきたことを共有しますが、ボッコボコに反論され、論破されることもあるんですよ。その時は、ムカつきますが、心の中では、「悔しいけど、いいとこ突いてくるな」って思ったりしました。「次、見てろよ!」と思いつつ。でも、お互い様です。議論を戦わせることによってそんな風に自分たちの考えがどんどん磨かれていくというか、もっといいものになるのを感じました。自分1人だったら自分の視野は広がらなかっただろうし、違う視点から考えることもなかったかもしれません。


— 授業をする側から言うと、そんなディスカッション中心の授業で、議論をうまく回しながら、フィードバックもしつつ授業をするのは、時間がいくらあっても足りない。それをマネージするのは大変だなっていつも思います。

それは私たちも同じです。確かに、授業の密度は滅茶苦茶高い。授業はいつも、「もう終わり?」って思うことばかりでした。授業の最後には、決まって「もっとやりたかった」って思いました。

若いファイト

— 最終試験のことについて教えてください。

はい。最終試験は未知数で、とても怖かったです。やれる気がどんどんしなくなっていく。だって試験時間が2時間半ですよ。そんな試験受けたことがない。集中力が続くと思えませんでした。授業は楽しかったけど、試験のことを考えると、もういいやって思うこともありました。


— でも、フルDP取れたもんね。

信じられませんでした。取れるなんて全く思っていなかったです。


— 最終試験に向けて、どんな対策をしましたか?

過去問などを使って、Mock(模擬試験)をひたすら解きました。でも、最終試験間近に解くのは精神的に結構辛かったです。日本語の合格ラインがわからなかったので、不安でモチベーションが下がりました。意外と書けるな!と感じたものもあれば、これで大丈夫か?と余計な心配が増える教科もあって…もちろん人それぞれ適切な時期は違うと思いますが、私の場合はもっと早くに知っていれば、無駄に不安に苛まれることはなかったと思います。


— なるほど。仙台育英の先生たちとも話すけど、あなたたちはいいチームだったよね。お互い協力し合ってフルDPを目指してた。

はい。過去問を解いて、みんなで共有して、相談して。みんなで対策を練りました。そういった仲間がいたことは本当によかったと思います。

最後に

鈴木純麗さんは、IBをやってコミュニケーション力が格段に上がったと言っていました。毎日の学習はプレゼンテーションやディスカッションを中心としているので、意図的にできるようになったというよりは、「気が付いたらできるようになっていた」と。

一方で、レポートや課題をやり過ぎてしまいがちで、課題に次ぐ課題に追いつかなくなることがあったとも話していました。やり過ぎずに、課題をこなす力、つまりself-management(自己管理能力)はDPを始める前に指導する側は十分にケアしてく必要がありますね。

すみれさんは日本で生まれ育ちました。英語はそんなに得意ではなかったといいます。でも、IBにチャレンジして、見事ディプロマを取得しました。IBは何も英語をネイティブ並みに話せる人のみの教育プログラムではありません。新しい学び方の選択なのです。

すみれさんはCASプロジェクトで小さい頃からやっていたチアリーディングを題材にしました。そして、日本のチアリーディングを変える存在になりたいと思っています。またの登場を待っていますね。

2月16日(金)に行われる筑波大学附属坂戸高等学校の研究大会のIBに関する分科会では、鈴木純麗さんもゲストの一人として呼んでいます。14時からの分科会だけに参加することも可能です。お時間がよろしければ是非おいでください。詳細・申し込みはこちらのリンクをご覧下さい。

前回と今回の2回に渡って、日本語DP初の取得者、鈴木純麗さんにお話を伺いました。お読みいただきありがとうございます。また3日後にお目にかかりましょう。

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