緊急特別インタビュー:日本語DP取得者に聞く-1-

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今回と次回の二回に分けて、仙台育英高校出身で日本語DPを日本で初めて取得した六人のうちの一人、鈴木純麗(すみれ)さんへのインタビューをお届けします。

何でIBを?

— 久しぶり。東京の生活は慣れましたか?

はい。東京の生活、楽しいです。会って話しましょうと夏から話していましたよね。ようやくって感じですね。


— すみれちゃんは帰国生というわけではなかったよね?日本語DPとはいえ、不安はありませんでしたか?

正直、何とかなるかなって思っていました。実は、英語はそんなに得意ではなかったのですが、興味はあったし、1年生の時に取った授業で英語ネイティブの先生の話していることは大体わかったというか、わかった気になったので、やってみたらできるようになるかなって。


— なかなかチャレンジャーだね。英検とか英語の資格は持っていましたか?

準2級は持っていました。低いなというか、その程度ではついていけないとも思ったのですが、無駄にポジティブというか…ま、何とかなるだろうって。


— そのポジティブさ、私もほしい。不安なことはなかった?

いえ。逆に、知らな過ぎて不安はありませんでした。


— 時期的にはいつIBをやろうと決めましたか?

夏休みが終わって、IBが次の年から始まるって知って、12月には決まってました。正直、その段階では、IBのコースについて全く理解していませんでしたが。

始まってみたらもう大変

— そして、実際に四月から始まって、最初はどんな感じでしたか?

課題の量がもの凄くて。とにかく課題が多い。課題、課題、課題に追われる毎日で、病みそうになりました。


— それまでの勉強方法とも違っていただろうしね。

はい。でも、1月から3月までDPを始める前に補習があって、かなり厳し目に勉強していたので、それは役に立ちました。課題はとにかく、ここは強調しますが、とにかく多いです。でも、内容は、認めるのは悔しいけど、面白かったです。知的好奇心は相当刺激されて、だんだん、もっともっとって課題に没頭するようになりました。ただ、際限がなくなるので、自分でここまでって設定することは必要だと思います。


— 課題の無限ループかぁ。でも、面白いって言えるのは、その勉強方法が合っていたんだろうね。

そうですね。でも、課題や最終試験、そしてDP取得者の体験記を知ってだんだん自分にはできないって思い始めました。

無知になっていく

— TOKについて聞きますね。知の理論って日本の学校にはない科目ですよね。最初相当抵抗があったんじゃないかなって思うんですが、どうですか?

そうですね。非常に哲学的というか…。考えれば考えるほど、わからなくなりました。最初は、確かに、何を考えればいいのかもわかりませんでした。他人に自分が考えていることを伝えるのって、こんなに難しいのかって思いました。それに、TOKの問いを考えながら、自分の脳味噌の奥の奥を自分で覗いてみているような感覚になりました。そしてそれを他人に知られるのが怖くもあって。だって、考えれば考えるほど、自分が冷たい人間で、なんて性格が悪いんだろうって思うこともあって嫌になりました。


— 自分の脳味噌の奥の奥を覗いて、それを他人に見せるってすごい怖いことだよね。TOKは他の科目の中でも応用されるよね。それはどうでした?

そうですね。最初は戸惑いも多かったのですが、他の教科との共通点を見いだせれば、どのように考えたらいいか、どうアプローチすればいいかがだんだんわかってきます。私はグループ1の文学の授業の中で、「あっ!」これかっていう瞬間がありました。それからは、TOKが楽しくなりました。


— まさに、チノメザメ(知の目覚め)の瞬間だね。TOKで身につけたものの見方って、今はどのように役に立っていますか?

私は演劇やミュージカルが好きで、よく見に行くのですが、作品を多角的に見られるようになりました。この場面の、この演出いらないなとか、伝えたいことと演出や演技がマッチしていないなとか。ストーリー展開にも色々言いたくなることがあります。他にも、情報を一回、自分で咀嚼して自分なりの解釈をする習慣が身についたと思います。ニュースやメディアで提供される情報もそのままは受け取らなくなりました。

中休み

鈴木純麗さんとの対話は、そのほとんどが実はミュージカルや演劇についてでした。私も大好きで何年かに一回はブロードウェイに作品を見に行きます。

この作品観た?「CHICAGO」のオリジナル・プロダクションの振付がボブ・フォッシーで、その弟子のアン・ラインキングが振付けたのが、1996年のリバイバルで今もロングランしているとか、スティーブン・ソンドハイムの「Sweeney Todd(1779)」のオリジナルがDVD化されていて、一幕の最後の歌が人肉をパイに入れて、職業によって味が違うってワルツでエッジが効いてるよね、とか。

ちなみに、リンカーンセンターにある図書館で記録用に録画されたブロードウェイの作品を見ることができます。私はそれを韓国の大学院に通っているときに知りました。学生証が必要だったと思いますが、研究用にみたいというと、申請を受け付けてもらえたと記憶しています。NYに行ったのは、その時が最後ですが、滞在中はマチネを見て、リンカーンセンターで過去の作品を見て、夜の公演を見てっていう毎日を送っていました。

その話をしたら、すみれさんがとても喜んでくれました。次回は最終試験のことを中心に、引き続きインタビューをお送りします。

2月16日(金)に行われる筑波大学附属坂戸高等学校の研究大会のIBに関する分科会では、鈴木純麗さんもゲストの一人として呼んでいます。14時からの分科会だけに参加することも可能です。お時間がよろしければ是非おいでください。詳細・申し込みはこちらのリンクをご覧下さい。

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