ぼくらの世界(仮)感想

みなさん、こんにちは。熊谷優一です。先日、小学3年生の弟とそのお兄ちゃんを主人公にした「ぼくらの世界(仮)」の第一話を更新しました。

永遠の小学3年生、仁くんが主人公の新シリーズのはじまりはじまり。

実は、このお話をリリースする前に、何人かの方に読んでいただき、感想やフィードバックをいただき、人物や状況などの各種設定やストーリー展開に修正を加えました。今日は、事前に読んでいただいたみなさんから寄せられた第一話のコメントを紹介します。

小学生だけではなく大人にも、ポッと問いを投げかけてくれるお話だと思いました。子供も大人もはっとするような……。自分が世界のほんの一部なのではなくて、自分が世界を作っているというのかな、当たり前だと思い込んで普段考えないような問いを与えられたように思いました。

視点という言葉が浮かびました。お話を読んで、触発されて浮かんだ言葉を聞いてもらいたくなりますね。面白かったです!!

仁くんが、世界について、目に見えていないけれど存在して、見えないものを見えているかのように説明しているところは、息子が昨年の8月に大阪女学院で開催された「ナレッジキャラバン in 大阪 2019夏」の川本敦先生の「がいねん」の授業を思い出しました。

主題歌の「泣かないで」聞かせて頂きました。傷ついた誰かに寄り添う優しい歌でした。熊谷先生が中学生の頃に作ったと知り、びっくりしました。

一話目を読んだ時、私は学生の頃読んだ「ソフィーの世界」を思い出してました。それから大学の二年の時に彫刻の先生の手伝いをしていたのですが、その先生が私に哲学専攻の先輩を紹介してくれて、先輩は時々話をしに来てくれました。思い出したのは、「人は本当に月へ行ったと思う?」の話と確か共通の感覚の話でした。言ってる意味の半分もわかりませんでしたが、仁君の世界についての話から、当時の話を思い出してました。

息子は、物語を読んだあと、色々と話してましたが、「僕はアマゾン川の事は本当は知らない。
テレビで知ってるけど、本当は知らないんだわー!」と言ってました。ちょっと例え話が急すぎるけど、私が思い出した事と似てるなぁと息子の話を聞いてました。

小説、子ども達と一緒に読ませて頂きました!仁くんを通して不思議な世界に引き込まれてゆく感じが印象的でした。大人も含め、世界って何?存在って?など、目に見えないこと、特に身近過ぎて当たり前に答えられそうな、でも、いざ問われると考えてしまう内容を改めて見つめ直し、考える機会を頂きました。

子ども達(6年生、4年生)と読み終えた後、「世界って何だろうって考えたことある?あなたが考える世界は?」と聞いてきました。6年生は「世界って何だろうなんて考えたことなかった。世界って、みんなで共有できるものという意味で地球かな。お兄ちゃんが言う’世界’って、お兄ちゃんから見えてる社会なのではないかな」と話していました。4年生は「考えたことなかった。今、自分が実際にいる場所。今いるここだよ!」と、1年生は「地球!」と答えました。

読み終わった後にジワジワと考えさせられるテーマが散りばめられている小説でした。去年、大阪で開催されたナレッジキャラバンみたいですね!

自由に読み、自由に疑問を持つことが許されるのであれば大人、子ども、読み手によって疑問に思う箇所や感じる内容も色々で、意見交換しながら互いに新たな気づきを得ることができるのではと思いました。
学びというと、主要科目も道徳も、ある程度先生が期待する答え、大多数の生徒が回答する答えがあると思ってしまい、その答えを言わないといけないのではないかと感じてしまうと娘はよく言っております。少し斜めから目線の子どもですが……。

答えが用意されてるもしくは、当たり前が用意されている問題に子どもたちは向き合う機会が多い中、今まで考えたことのないテーマを目の前に心の奥に感じた事柄を言葉で表現しようとする機会、ワクワクするような感覚は新たな学びの体験になるのではないかと思います。

主題歌に夕暮れのシーンがありましたね。長男が日の沈みかけた公園で遊んでいた友達数人とちょっと黒みがかった空を見上げながら、“この空どう思う?”、みんなで、なんか怖いね”と言っていたことを教えてくれたこと、長女は日暮れの空の色が寂しい感じがして嫌いだと話していたことを思い出しました。私は夕暮れの空、好きなのですが、空一つにしても思うところ色々だなと。

多くの人が言語化まではいかないけれど抱いたことのある「違和感や疑問」を引き出す絶好のトピックだと思いました。みんなの心の深淵を揺さぶるすてきなチョイス!そして、一話目のタイトル、にくいです!

人生においてとても大切なことだけど正解などない、抽象的なことを提起して、老若男女が「思考」する空間を作り出すのに、程よい短さの物語は有効ですね。

これから展開されます、仁くんとお兄ちゃんの冒険を楽しみにしています。子ども達の中に自ら学ぼうとする種まきについて真剣に考え、取り組んでくださる先生方の活動に本当に感謝致します!!

主題歌は熊谷先生の作詞作曲完全オリジナル?歌もご自身で?教育者である前に表現者でもあったのですね!

最後に

「ぼくらの世界(仮)」の主題歌は「泣かないで」という歌です。中学生の時に作りましたが、私は音符もかけないし、楽器も弾けないので、そのままになっていたのですが、初任校で演劇部を立ち上げ、ミュージカルを作ろうってノリになった時に、そういえばとピアノの先生の前で歌って、一曲にしました。

「夜空を~」のところはその時に作り足しましたが、それ以外は中学生の時に作ったまんまです。仁とお兄ちゃんの話のプロットを考えていた時に、「あれ、何か昔こんな歌作った覚えがあるな」と思い出しました。聞いてみたら(相変わらず私の歌声は不安定でお世辞にも綺麗とは言えないんですが)、世界観がぴったりだったので、主題歌にしました。

「ぼくらの世界(仮)」を作った狙いは食卓で親子で一緒に考える機会を作りたかったからです。昨年、ナレッジキャラバンというイベントを開催した時に、家庭でも学ぶ機会をなんとか創出できないかなと思ったのですが、一年経って、こういう形を提示するに至りました。

ぜひ、お子さんと音読して、登場人物を通して、一緒に考えてもらえたらと思います。以前書いた「台所のTOK」ならぬ、「食卓のTOK」を食後に楽しんでいただければ幸いです。

街角の本屋さんはかつて知識の宝庫でした。そんな本屋さんがどんどん店をたたんでいます。