犬は吠えるがキャラバンは進む:エール

みなさん、こんにちは。熊谷優一です。立秋が過ぎたというのに、猛暑が続いていますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。

私は目下、ダイエット中。暑くても自宅から大阪城まで往復約10キロ、毎日ジョギングしていますが、涼しい朝晩を選んでも30℃を下回ることがないので、流石にサウナスーツを着て走ることは梅雨明けから断念しました。しかし、日本より東南アジアのほうが気温が低いというのはどういうことでしょうね。

さて、今回はこれまで当ブログに登場した私の生徒たちの近況を報告したいと思います。

思い立ったらそこが学び場

前任校である筑波大学附属坂戸高校で、「English Caravan」という英語でディスカッションする課外授業をはじめました。思い立ったらそこが学び場、学ぶ意欲と仲間がいればどこでも学び続けることができるというメッセージを込めて、キャラバンと名付けました。それが発展して私たちの活動を「Knowledge Caravan」となったわけです。

その「English Caravan」に参加した生徒たちは大学生になり、それぞれのフィールドで活躍を始めています。昨年2019年8月に大阪女学院高校で開催した「ナレッジキャラバン 2019 夏 in 大阪」のチラシ、オープニング動画を作成した大平敦尊くんは昨年冬に銀座英国屋と産学共同で制作したディスプレイが「銀座ディスプレイコンテスト2019」にて銀座タウン賞銀賞を受賞しました。大手ブランドと肩を並べ、ディスプレイ業の中で200近くのディスプレイからの受賞だったそうです。

鹿間謙伍くんは寮で同室だった立野温くんらと起業し、筑波クリエイティブキャンプにて最優秀賞秀賞を受賞しました。大平共紘くん、敦尊くんらを広報に巻き込んで事業展開しています。

浅見昌弘くんは今年の夏は外国ルーツの子どもたちに対して、オンラインで宿題を手伝うNPOや、簡単なゲームを実施するNPOで活動したそうです。オンライン・オフライン両方で教えられる日本語教師に近づけたと話していました。稲富爽太くんは所沢の農場で働きながら大学に通っています。この間野菜を送ってもらったのですが、濃厚で食べごたえがありました。陽子ファームから注文できますよ。

ジェラシー

台湾留学中の山中鴻齊くんは大学院進学を決めたようです。勉強がそれほど好きではなかった高校時代には想像もできないと本人も思っていると思います。ちょくちょく電話で話すのですが、彼の夢は本当に大きくて、聞いていて清々しい気持ちになります。

彼の強みは日本語も中国語もネイティブとしてビジネスシーンで駆使できることと類まれなコミニケーション力の高さにあります。とても柔軟な思考の持ち主で、どんな人とも短時間で関係性を築くことができます。ネクラな私が苦手としていることを、何でもないことのようにやってのけるので、私は嫉妬でいっぱいになります(笑)。

他にも私の元生徒たちにそれぞれの学びついて当ブログで書いてもらいました。それぞれの場所で一生懸命やっているようです。そんな彼らに私は実は嫉妬しているのですよ。そもそも若いってだけで悔しい。そしてみんな、フレキシブル。可能性も無限大。どこにでも枝葉を伸ばしていけるのです。私はというと……彼らから連絡をもらう度に、一体何を誇れるんだろうか、強みと言えることが自分の中に本当にあるのだろうかと実はオロオロしているのです。

エール

今まさに、世界へ飛び出そうとしている若者がいます。この前まで私の生徒の一人でした。彼女には、今思うと気の毒に思うほど厳しくしました。短期目標だけでなく、中長期の目標を明確に持っていたからです。その目標を達成させるためにゴールはここではないと言う役目を担わなければなりませんでした。

彼女は世界14カ国にあるUWC(United World Colleges)で学ぶ奨学金の試験に合格し、これから2年間アルメニアで国際バカロレア・ディプロマプログラムに挑みます。どんなに目標が明確とはいえ、まだ高校2年生。これから知り合いもいない新しい環境で生活しながら学ぶことは相当な挑戦だと思いますが、彼女がどう学ぶのか話を聞くのを心待ちにするとともに、くれぐれも心と体が健康であることを願ってやみません。

でもね、やっぱり羨ましいです、私は。だって私にはもうできない挑戦だから。受かるかどうかはさておいてですよ。でも、挑戦できるってだけで私は羨ましいです。国際バカロレアもそう。私のときには選択肢としてそんなのありませんでしたからね。

最後に

くっそー、羨ましい!

今の若い人たちに私が思う正直なところです。選択できるオプションが多様なことが悔しくてしかたがない。私もあと、35年くらい若かったらなぁ……なんて思った所でどうともならないんですけどね。

でも、そんな私が羨む若い人たちにもそれぞれに悩みがあって、迷いがあって、葛藤があります。私が実現できたことは本当に小さいけれども、それなりの経験はあるので、いつでも話を聞こうと思います。私が苦しんで学んだことが、もしかしたら彼らをほぐすことがあるかもしれませんからね。

でも、どんな時も応援していることを知っていてほしいです。上手にできないときは、もっと上手にできなかったクマユウの出番。私も旅をしているかもしれませんが、いずれかのキャラバンサライで待っています。いつでも連絡して下さい。あなた達に負けないよう、先生も学び続けていたいと思います。