産みの苦しみとワークショップ

前回の「IBという枠組み」は初めてのブログ寄稿ということで、気合が入り長くなってしまっていましたので今回は短めに…

バンコクのインターナショナルスクールで日本語を教えている鵜野先生の初寄稿です。

その寄稿では国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)はフレームワーク(枠組み)であり、その中で教師は生徒の状況や興味を踏まえ授業を創造出来ると書きました。今回は「産みの苦しみとワークショップ」について書いていきたいと思います。

教師の不安

IBの各科目公式ガイドがあります。IBの理念から、そのレベルで期待されるスキル、学習するトピック、評価の仕方や評価基準まで全て載っている、言わばバイブルのような存在です。

7年に一度その内容が見直され、ガイドが新しくなります。教師はそれを手に授業や年間の計画を立てていきます。とは言え、ガイドにすべての事柄がこと細かく載っているというわけではありません。自分のやっていることが正しいのか、自分のやり方は本当にこれでいいのか、と不安になります、

そう「産みの苦しみ」です。そこで数年に1回行われるIBのワークショップに参加することがとても重要になってきます。

熊谷先生との出会い

ここでやっと熊谷先生の話が出てきます。(遅くなりましたっ!)熊谷先生とは2015年に行われた香港でのIBワークショップで初めてお目にかかりました。「台湾のIB校より vol.1」で阿部先生が書かれていますが、タイから来ていたのは私です。

台湾のバイリンガルスクールで教鞭をとる阿部公彦先生の初エントリーです。

第一印象はすごい頭のいい人だと思いました。いや、皮肉とか気を遣ってるとかではなく、実際にそうで、IB校認定途中の裏話や出来事などを面白おかしく私たちに話してくれました。でもこの、面白おかしくっていうのがミソですよね。以前「13月」というシリーズを熊谷先生が書いていますが、なんでもない話を面白く語れるって言うのは、流石だなと思います。あっ、随分と遅れましたが、IB認定おめでとうございます!

IBワークショップで得られるもの

IBのワークショップでは天使のような人、賢者のような人が参加し、ワークショップリーダーをされています。さすが全人教育を謳っているIBでそこに携わっている方々です。自分もこういう先生に教えて欲しかったなぁと毎回思います。

孔子も「同じ学問を志しているものが遠くより集まることは楽しいことだ」と言っています。私は毎回IBワークショップに行くたび、本当にこれを実感しています。そこは上でも書いたように自分がやってることが本当にそれに合っているか確認できる素晴らしい場です。

また、同時に他の人からも学ぶことができて、刺激になります。そしてこの会がなければ熊谷先生とも、台湾の阿部先生とも出会うことはなかっただろうと思います。情熱を持った先生たちが世界各国から集まって教育談義をするのは本当に楽しいです。

仲間とのひととき

IBのワークショップは朝早くから夕方までみっちり3日間行われます。そのすべてのセッションに出席することが義務付けられています。それはそれで結構しんどいんですよ。滅茶苦茶頭を使うし…

大変なのは大変なんですが、終わりの方になると一緒にやってきた仲間やリーダーと別れたくない名残惜しさから、もうちょっとこの時間が続いて欲しいと思うようになります。3日間は長いようで短いです。熊谷先生もこの夏、ワークショップの言語サポートとしてついにデビューしたそうなのですが、参加者の1人ではなく、ワークショップを運営する1人として、「最終日は何か寂しくなる」と漏らしていました。

IBのワークショップのいいところは、何年かに1回のワークショップ参加でも、以前にどこかのワークショップで出会った先生方とまた顔を合わせることがあり、ちょっとした同窓会のような雰囲気になることです。これは本当不思議です。たった3日間しか一緒に過ごしていないのに、その3日間が濃いあまり、ずっと知っているような気になったりします。またIBの授業者として同じように苦しんでいるので、話も盛り上がるわけですよ。

同じワークショップに出た先生だけでなく、他の科目の先生たちと話す機会もあるので、世界中の先生たちと繋がることができるのは本当に面白いなと毎回そう思います。

最後に

今回はワークショップの話を中心にお送りしました。

私はこの機会を「不安を解消するところ」と捉え、事情が許す限り参加しています。最近、私が初めて教え始めた科目のワークショップがあったんですが、賢者のようなワークショップリーダーが初日に放った第一声があまりにも印象的だったので、それを紹介して今回は終えたいと思います。

「IBはいつも未完成であるべき」

自分の不安の氷が一気に溶けた瞬間でした。お付き合い、ありがとうございました。