[Heroes] 京象嵌師 中嶋龍司さん

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熊谷がシンガポールで行われたIBのカンファレンスに参加しました。
シンガポールで行われたIBのカンファレンスに参加した松崎先生の寄稿です。

前編後編と2018年3月25日~27日に開催されたIB Global Conference 2018について取り上げましたが、シンガポールに向かう飛行機の中で、たまたま日本の若手伝統工芸職人を紹介する番組を見たんですね。私はその職人さんの技術と思いに魅せられ、いてもたってもいられなくなり、帰国してすぐ、京都、嵐山にその職人さんを訪ねることにしました。

京象嵌とは

機内で見た番組がYoutubeにアップされています。まずはこれをご覧ください。私はこれを見て、京象嵌の虜になりました。

「精密」という言葉では物足りないくらい、職人さんたちの技術は精確で、精細です。金属の表面に縦横にタペストリーのように溝を切り込んでいきます。私の能力ではその過程をうまく説明できないので、こちらを見ていただくのが一番だと思います。

ビックリしません?1ミリに7本もの切れ目を入れるそうなんですよ。作業台にルーペは設置されていますが、切れ目を入れているとき見えるんでしょうか。いえ、見ているんでしょうか。中嶋さんに聞いてみると、実際には手の感覚に頼っているそうで、切れ目は肉眼では見えないそうです。

では、その技術はどうやって身に着けることができたのか。身に着けるためにどれくらい学び、実践することが必要なのか。そして、職人さんたちはどんな方法でその技術を体系化し、伝え続けることができたのか。その他の技術を身に着けるのと、象嵌の技術を身に着けることはどのような点で共通し、どのような点で異なりがあるのか。

熊谷優一が、バイオリン職人の友人の知識について述べています。

上記のエントリーで取り上げた私の友人のバイオリン職人から聞いた話を思い出しつつ、これは一回体験してみないといけないと思いました。もう、気になって、気になって、木に生ってしまいそうです。

若き象嵌師のオモイ

中嶋象嵌の2代目の中嶋龍司さんは小学生の頃から将来は象嵌師になると決め、19歳でお祖父さんに弟子入りしました。厳しい人だったと言いつつも、伝統工芸の世界で一代で自らの技術を確立し、後継者まで育てたお祖父さんの魅力はどれほどだったのか、聞いている私もワクワクするほどでした。

番組の中で彼は、何か迷いごとがあると、師匠であるお祖父さんのお墓を訪れると話していました。うんうん、お墓って落ち着きますよね。私も小さいころから事あるごと先祖が眠る墓に気持ちを静めに行くので、その気持ちは私もよくわかります。

彼に興味を持ったのはそういうところもありましたし、お祖父さんの教えにも共感するところはたくさんありました。このブログでもいつも繰り返していますが、やりたいと思っているなら、興味を持っていることがあるなら、失敗してもいいから、まずは行動してみること。その中から学ぶ、気づくことはたくさんあります。

私たちが価値を見出すもの

もしもシンガポールに行く飛行機の中で中島さんのことを描いたドキュメンタリー番組を見ないまま、中島象嵌のお店に行ったら、今と同じように象嵌に価値を見出していなかったと思います。なぜなら、それがどういうことなのか、どういう過程で、どういう思いで創られたのか、私は知らないからです。

でも、知ってしまったんですね。それを。知ってしまって、それを凄いと思って、手に取ってみたくなって、どういう風に作られているのか知りたくなって、作っている人に会いたくなって、作ってる場所がどういう場所なのか気になりだして……。

一度興味を持ってしまうと、キリがないんです。知りたくて、知りたくて。知ったらなお面白くなって。象嵌に関わる人たちは象嵌をどう思っているか聞きたくなって。そして、実際ほしくなって。いてもたってもいられずに、土砂降りの雨の中、私は京都に向かいました。

私たちが何に価値を見出すのか。それは人それぞれですが、知らないことを正当に評価はできません。でも、一旦見出してしまったら、さあ大変。夢中になってしまいますからね。

お楽しみ

番組の中で、彼が付けていた自作のバングルがかっこよくてですね。海外に行くことも多いし、初めて知り合った人と会話するときに、私自身から目をそらしてもらえて、何か話題になる日本的なものをと、唐草模様の象嵌を施したバングルを作ってもらうことにしました。

完成までは他の作業工程もあるので、その時々で異なりますが、バングルは約1か月程度で出来上がるということでした。間もなくできると思います。注文票を書いて、会いたいと思って、こんなにすぐ会えて、しかも「かっちょいいやーつ」を作ってもらえるのかと気をよくしてお店を出ましたのはいいのですが、京都から大阪に向かう電車の中で、私はあることに気づきます。

値段を聞くのを忘れた!

楽しみがまたひとつ増えました……。

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