「オトナキャラバン in 大阪(仮)vol.1」レポート 後編

みなさん、こんにちは。熊谷優一です。『「オトナキャラバン in 大阪(仮) vol.1」レポート 前半』に引き続き、6月23日にグランフロントで開催した「オトナキャラバン in 大阪(仮)」に寄せられた感想をお届けします。

オトナを対象にした学び会いの場、6月に行われた第1回の模様をレポートします。

子どもたちがうらやましい

学校の先生や主婦の方々と混ざって、しかも同じ生徒の立場で授業を受けるという、異種格闘技戦的なイベントでしたが、非常に楽しく過ごすことが出来ました。

近年、グロービスなどの有名なビジネススクールでもアクティブラーニングが盛んですが、そうしたスタイルの授業を中学や高校から受けられるなんて、IB形式を採用する学校で学ぶ子供たちが非常にうらやましく感じられました。今後ともよろしくお願い致します。

同じテーブルでベテランの先生、若い熱心な先生と同席でき、また学校を超えて保護者の方たちとも

交流できました。「発表する意見で人格をジャッジしない」し、「発表した内容は否定されない」という空間で自由に発想を広げていけるのはとても有意義な時間だと思います。家庭でも「良質な質問」を意識して問いかけられるように、やってみようと思います(ついたしなめることが親子間はありますから)。

問うチカラ

今回はいつも私が用いている円盤シート(日本アクティラーニング協会の新しい入試問題)を用いて、ペアになった相手の考えをより深めて言語化できるように問いかけるといったファシリテーショントレーニングも取り入れました。子どもにどう質問を投げかければ、学びは広がる、深まるのか、そういった視点とスキルを保護者のみなさんにも身に着けてほしいと思ったからです。それが家庭でも日常的に実践されれば、学校で子どもたちが学ぶことの枠は更に広がり、深まることは間違いありません。

緊張でガチガチでした。でも、授業は緊張しながらも楽しくて、心が弾けた瞬間が沢山ありました。大阪府立の新任の先生が思いついたお答え!「LOVE」と「HOPE」を「EACH」でつなぐ。しりとり!!その発想スゴイ!!

人類にとって偉大な一歩となった歴史的事例をあげよという質問に対する、Yさんのサッカーの解答に驚きましたが、大教大附属池田の梶木先生との手に汗握る問答!!スゴイ!解答するチカラをどんどん引き出す梶木先生スゴイ!!そして容赦ない!!でも「Yさん、梶木先生に負けないで!ガンバレ!!」と心の中で応援していました。テレビでサッカーワールドカップを見ていた時よりワクワクして応援していたと思います。

1つの答えに対し、色々な視点から問いを立て質問していくうちに、相手の考えがどんどん明確になっていく様子を発表で見せていただき、見ている私が爽快な気分でした。自分の気持ちを言語化し、伝えられるのはカッコいい!羨ましい!笑笑

オトナの目も学びに輝く

日々の子育ての悩みや葛藤しかない者が場違いではないかと、不安を抱えながらの参加だった上、私にとっては全く初めての方法での授業展開で一瞬戸惑いも感じましたが、時間が経つにつれて与えられたテーマについての学びがワクワク感でいっぱいになりました。参加しているオトナの目の輝く様子もとても新鮮でした。まるで、ポップコーンが軽快なリズムで心地よく弾けるような空間の中で、学校について、教育について改めて考え話し合え、また新たに考えることの出来る素晴らしい機会となりました。

また、IBコーディネーターをされている熊谷先生からの『日本の伝統的な教育にも強みがある』という言葉は大変印象的でした。IB校以外の場所で教育や子育てに関わる人々も従来型の日本の教育を見つめ直し、良い点はその強みを生かせると肯定的に捉えつつ、IBの理念や教育手法にも関心を持ち、IBについて学ぶことが出来たら。

そこからヒントを頂いて、教育現場や子育てに”新しい何か”を適応することが出来たら。もっと多くの子ども達が学びの幅を広げることが出来るかもしれない、心の底から湧き出るワクワクを感じる学びを体験出来るかもしれないと思い、先生の言葉は現行の学校教育における希望とも感じられました(『日本の伝統的教育』、『その教育の強み』についての定義は色々な意見があるかもしれませんが(笑))。

PS.「チノメザメ」の由来と先生のブログ開設の思い。とても心に響きました。被災地の方々の心の復興とチノメザメが気仙沼はじめ東北の方々の大きな励ましと将来への希望を与えるブログとして更に大きく用いられますよう心よりお祈り致します。

最後に

参加されたみなさんは、「オトナキャラバン」にそれぞれお一人で申し込まれました。相当不安だったと思います(笑)。だって、誰も知り合いがいないところに行くんですからね。

私がIBのプロジェクトに呼ばれて海外に行くときも、不安で満載なので、その気持はよくわかります。でも、馴れですよ、みなさん。回数を重ねれば、やがてその不安にもこなれます。9月にもまたイギリスに行ってきますが、今度はどんな不安に苛まれることでしょう……。

トヨタの社長は「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきたのではないか」と発言しましたね。前任校で国際バカロレアの認定を受けた直後、筑波大学の永田恭介学長に報告したした際、永田学長も同じことを私におっしゃいました。そして、「プロジェクトごとに人が集まり、それが終わるとチームは解散するといったプロジェクトベースで働く時代が来る」とも。

異なる4つの学校の先生たちのワークショップの模様を「藪の中」方式、全4回でお届けします。

プロジェクトベースで働くマインドを私たちオトナも持ち、一期一会で繋がり会うことでより大きな学びの機会が作れると私は信じています。「オトナキャラバン」でその一歩を踏み出すことができました。2019年8月25日(日)大阪女学院中高で開催する「ナレッジキャラバン」ではオトナもコドモもプロジェクトベースで参加できる体験授業を提供します。

申込みが始まっています。ぜひご参加ください。みなさんにお目にかかることを楽しみにしています。

2019年8月25日(日)に大阪女学院中高で開催する本イベントの受付が本日より始まります。

「ナレッジキャラバン in 大阪 2019 夏」申込みフォーム