「Most Likely to Succeed」上映会 in 気仙沼 後編

昨年2018年11月24日、三連休の中日は私の生まれ故郷である宮城県気仙沼市で上映会およびワークショップを開きました。気仙沼の地方紙に取り上げられたこともあり、たくさんの方が気仙沼うみの市の2階にある、「スクエアシップ」にいらっしゃいました。

今回は、その上映会にいらした方々の感想を紹介したいと思います。

選択肢が少なすぎる

けせんぬま森のおさんぽ会」で共同代表をしている杉浦です。

いまある教育の形は、産業の発展のため有能な労働者を輩出することに優れています。しかし、コンピュータが開発され、ほとんどの仕事は機械に取って代わっていく時代。創造性や協調性、批判的思考能力、課題解決能力などといったソフトスキルが、いま私たち人間に求められるという点は納得がいきました。

ソフトスキルは決められた教科書に沿って知識を詰め込んでも育まれませんし、暗記型のテストの点数では測れません。では、どのように教育をしていくか?そのひとつの例としてアメリカのHigh Tech High というアメリカの学校の取り組みが映画の中で紹介されていました。

普段、周りの子どもたちを見ていても、いまの学校教育の在り方には疑問を感じざるを得ません。子どもたちは多様性に満ちているのに、受けられる教育の選択肢が少なすぎることに違和感があります。映画の最後に、「教育の現場は常に混沌としている。それを行政が統一化しようとする動きに無理がある」というようなことを言っていて、「まさに!」と思いました。

森のようちえんを気仙沼に

ここでいうソフトスキルを培うためには幼児期がとても大切だと思うんです。そんな想いもあって、いま私たちは、「森のようちえん」の設立に動き始めています。できれば、4〜18歳までの子達が共に学びたいことを学びたいときに学びたいだけ学べるサドベリースクール(民主主義の学校!)のようなものがあったらいいな、と。

これはまだまだ私の頭の中の計画でしかありませんが、今日実際に既存の教育ではない、国際バカロレアやイエナプラン教育の学校を創設している先生方とお話することができました。そして上映会に参加した皆さんのお話を聞いて、気仙沼で新しい教育について関心のある方がこんなにいるんだな、ということがわかり、今日はとても有意義な時間になりました!!!

新しい概念を浸透させていくことも、行政を巻き込んでいくことも、並大抵なことではないけれど……アベノミクスの三本の矢のうちひとつが教育改革としているように学校の形は少なからず変わっていくのだと思います。子どもたちが、自分の人生を豊かに歩んで行けるように、いち親として、なにができるか引き続き考えていきます。まずは自分のできるところから一歩ずつやっていこうと思います!!

またぜひこちらに帰って来られる際には、ワークショップやセミナーなど、なんでもいいので熊谷先生を起点として集まって話せる機会を持てたら嬉しいなぁと思いました!またお会いできることを楽しみにしています(^ ^)

よげまづ

再び熊谷優一です。

昨年11月末に行った映画の上映会のことを今更取り上げるか迷いもしたのですが……今回やっぱりちゃんと振り返ろうと思ったのは、会が終わって、私に元に話に来てくださった皆さんの熱を今も鮮烈に覚えているからです。現在学校で教育改革をしようと志している先生方がいました。残念ながら理解者は校内で多くない。そして苦しい思いを語られていました。なんとか子どもたち中心の学校にしたいと思っている小学校の先生の目は涙でいっぱいでした。

そして、その改革を保護者として応援したいという声も同じくらい大きかったのも本当です。保護者として、自分がその学び方を経験してこなかったから、一学習者として学ぶ機会を作ってくれないかという要望をたくさんいただきました。

映画の上映会は私が勝手にひとりで始めたことです。結構、「おまえ、よげまづ(余計なことをする人)だな」とも言われました(笑)。始めたいきさつは『Most Likely to Succeed』上映会 in 仙台日本人英語教師の存在意義を問うでも書きましたが、結果的に興味を持ってくれた人、手を差し伸べてくれる人はたくさんいました。

9月29日(土)18:00よりせんだいメディアテークにて映画上映会を開催します。
『Most Likely to Succeed』上映後のディスカッションで宮城の高校生が面白いことを言うんです。

最後に

こうした誰からも頼まれていない「よげまづ」が私にとっても新たな視点、新たな学びを得るとても貴重な機会になりました。実際に上映会にいらした方々は立場こそ違え、これからの教育について真剣に考えている方々ばかりでした。そうした人たちが繋がる場を作ることこそ、私が次に目指すべきことなのだと感じています。

こういう一つ一つのことが、今に繋がっているんだなぁと、感じています。そのひとつのカタチが8月25日に大阪女学院で開催する「ナレッジキャラバン in 大阪 2019 夏」です。

2019年8月25日(日)に大阪女学院中高で開催する本イベントの受付が本日より始まります。

いつか故郷でも開催する日を夢見て……。