みなさん、こんにちは。熊谷優一です。筑波大学附属坂戸高等学校で国際バカロレア・ディプロマ・プログラムのコーディネーターをしています。
2017年2月25日(土)に開催された、EdmodoCon Japan 2017で教育用SNS『Edmodo』を活用した授業例について発表してきました。
EdmodoCon Japan 2017の様子はこちらでチェック!
教育業界のビックネームの発表は、どれも内容もさることながら、話し方からジェスチャーの一つ一つに至るまで脱帽するばかりでした。私のしどろもどろの薄っぺらい話はさておいて、そんな方々と同じ舞台に立てたことを単純にうれしく思いました。
実はその場に、間もなく卒業する私の生徒も参加させてもらいました。発表の後には来場者と情報交換する場が設けてあり、彼らも授業でEdmodoを使った感想を発言したり、名立たる先生方の話を膝を合わせて聞くことができて、感動していました。
「今日ここに来てなかったと思うと、怖い。」
帰り際に彼らが、私に珍しく感謝を述べながら言った一言が印象的です。
生徒たちが学んだこととは
みんなキラッキラした表情をしていました。自分たちの中にすでに思いはあったのでしょう。それを後押ししてくれるような、そんな出会いだったように思います。
彼らが話した全ての大人は、「行動すること」の大切さを強調しました。彼らはEdmodoCon Japan 2017に参加するという行動を起こした結果、魅力的な大人に出会い、そして連絡先を交換し、インターンを受け入れてもらったり、アルバイトを依頼されたりしました。
私の経験と併せて
ちょうど2年前、私は国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)のワークショップでマカオに行きました。
当時興味はあるものの、IBについての知識は皆無。参加者は私を除いてほとんどが英語母語話者でした。そんな中、英語で「世界5分前仮説」について議論したり、聞いたこともないIBの用語や手続きについて説明を受けたりしました。
「何もわからない。何もできない。話に入っていけない」
私は3日間毎日、ワークショップが終わるや否やホテルの部屋に戻り、食事も摂らずに敗北感に打ちひしがれました。情けなかったし、惨めでした。今も思い出すと、臍を噛む思いです。
ワークショップ最終日に、ファシリテーターが私にワークシップの感想を求めてきました。私は正直に、普段は英語の授業で偉そうに生徒に発言を促すくせに、その場で私は何の主張もできずに、黙り込むばかりで自分の能力の低さに失望したと答えました。生徒に申し訳ないと。
すると、彼はそれは違うと言うのです。
「おまえはただ黙って話を聞いていたわけではなかった。うなずいたり、質問したり、ちゃんと議論に参加していたよ。全員が主張ばかりしていたら、話し合いなんてできないだろ?話をする人がいて、聞く人がいて、内容を確認する人が話し合いには必要なんだ。おまえは進行しながら、話し合いにハーモニーをもたらしていたじゃないか。それって日本人が最も得意とするところだよね」
目から鱗でした。何も他者を打ち負かすような発言の強さが議論に求められているわけではないだと。自分なりの向き合い方があると。
私は香港に向かうフェリーの中で、悔しさを噛みしめつつも、次はちゃんと戦略をたてて、いいパフォーマンスすっかんなと意気揚々と風を浴びていたのでした。
「自分の限界にぶつからないことには自分の限界を知ることはできない」
「異なる人とぶつからなければ新しい発想は生まれない」
「果敢に挑戦することで認めてくれる人がいる」
私の生徒に熱心に語ってくれる先生方の話を、私は自分のこれまでを振り返るように噛みしめていました。
何も行動を起こさなければ、今のまま。現状維持です。失敗しても、傷ついても、行動することによって、少なくても経験することはできます。
そして何より、知り合う人がそこにいます。そのネットワークが次の自分を導いてくれたり。
今後について
今回のEdmodoCon Japan 2017でまた素敵な人たちと知り合いました。みなさんにも知ってほしいアイディアをたくさん持っている人たちです。
まもなく当ブログ(今からIBをはじめる君へ)にも登場してくれることを期待しつつ、今日はこの辺にしたいと思います。
長々と読んでいただきありがとうございました。