みなさん、こんにちは。熊谷優一です。暦の上では立秋はとうに過ぎていますが、猛暑が続いています。体調崩されていませんか?
さて、今回はSTEAM教育と絡めて、次回リリースする予定の「ぼくらの世界(仮)」という小学生向けのフィクションの創作過程について書こうと思います。
知識は創作する過程で再構成される
学校教育の業界ではSTEAM教育という言葉がよく話題になります。多くの学校や先生方がすでに取り組まれていると思いますが、保護者のみなさんや児童・生徒のみなさんはこのことについて今ひとつピンときていないのではないでしょか。
STEAM教育のSTEAMとは科学(Science)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字です。多角的に知識(主に自然科学に関する知識)を捉え、創作する過程でその知識を応用し、課題を主体的に解決しようというスキルを育成する教育手法と私は理解しています。
私は人間の所業のすべてはArtだと考えていますが、知識は自分以外から自分以内に取り込むことで得られるという考え方に加え、自分自身が何かを作るという行為の中から知識は再構成され、強化されるとアウトプットの重要性が強調されているように思います。
GRASPS
知識を評価する際に主に取られる方法は、ペーパーテストですよね。現在はプレゼンテーションや創作物を以て評価するパフォーマンス課題も評価の対象になっています。パフォーマンス課題をデザインする時によく用いられる手法が「GRASPS」という枠組みです。
国際バカロレアの中学生向けプログラムのうちMYPの北米で行われるワークショップでは必ず取り上げられるそうです。私も以前、アメリカの先生が札幌でMYP保健体育のワークショップをされたとき、通訳として随行したのですが、その時詳しく学ばせてもらいました。以下に「GRASPS」について簡単にまとめます。
Goal:課題の目的は何か
Role:課題において学習者はどんな役割を担うか
Audience:課題は誰を対象にしているか
Situation:課題にはどのような状況を設定しているか
Performance:課題の成果物は何か
Standards:課題はどんな観点によって評価されるか
先生方は自身のパファーマンス課題の振り返りとしてこの枠組みを使ってみて下さい。保護者、児童・生徒のみなさんは先生がどういう意図で課題を出したのか理解する上で活用してもらえたらと思います。
ぼくらの世界(仮)
今、私は小学生に向けて、自ら問いを立て、その問いを解決できるスキルを養うことに繋がるようにと願い、フィクションを書いています。食卓が主体的な学び場であってほしいとお父さん、お母さんにもその学びに参加ほしいので、物語は兄弟の対話で進んでいきます。ぜひ、どちらか役を決めて音読してほしいです。
特に小さいお子さんをお持ちのお父さん、お母さんにはメタ認知を育てるのにもってこいだと私の経験を踏まえて音読を勧めています。シアターラーニングの手法です。誰かの立場になってみるとりかいできることは自分の範囲を超えますからね。
「ぼくらの世界(仮)」の主人公は小学校3年生の仁(じん)という名前の男の子とそのお兄ちゃんです。二人は夜な夜なその時疑問に思ったことを話し合います。いわば知識の旅をするわけです。最近小学生を話をする機会が多いのですが、みんな素直な疑問を持っているんですよね。そんなことを物語では取り上げようと思っています。
最後に
なぜこの物語を創作しようと至ったのかを説明するには、4回くらいに渡ってあとで書着たいと思いますが、私を刺激してくれたのは私の中にあった創作欲だったことだけは確かです。思い起こせば、幼稚園生のお遊戯会で脚本を書きましたからね。
そういう「何か創りたい!」という欲求ってすべての人がもともと持っているものだと思うんです。自分の内側から湧き上がるその思いをキャッチすることができたら、何でも作れると思うんです。私にとってそれはフィクションであり、そして歌でした。自分と向き合う勇気は必要ですが、子どもたちにはそれを掴み取ってほしいと心から願っています。一度掴んだら、より良く創りたくなりますから、自ずと学ぶでしょう。
「ぼくらの世界(仮)」には主題歌があります。私が中学生の時に作った「泣かないで」という歌です。このフィクションのプロットを考えていた時に、「あれ、何か昔こんな歌作ったな」と思い出しました。聞いてみたら(相変わらず私の歌声は不安定でお世辞にも綺麗とは言えないんですが)、世界観がぴったりだったので、主題歌にしました。もし時間があったら聞いてみて下さい。
では、次回の「ぼくらの世界(仮)」第一回をお楽しみに。今日も読んでいただきありがとうございました。