こんにちは。武蔵野美術大学3年の大平敦尊です。8月25日、大阪女学院中学校高等学校で開催される「ナレッジキャラバン in 大阪 2019 夏」のチラシデザインを担当させていただきました。
これまではブログのアイコンを中心にデザインさせていただいていましたが、今回は全国の生徒や保護者の皆さんの目の届く形となり、ありがたく思うと同時に不安も多い制作でした。
今回は涙なしでは語れない(大げさ?)デザイン制作秘話をお送りします。
アイコンデザイン
今まで、高校時代に制作したIBポスターやブログ「チノメザメ」のアイコンをデザインさせていただきましたが、チラシデザインは今まで以上に難しく苦戦しました。主にチラシに載せる情報量の多さが大きな壁でした。
ブログアイコンのデザインを例にとりますが、直近に制作したアイコンは、「タイトル+イラスト」という2つの要素をどのような色、フォントを使いながら配置するか、その配置は“見やすく、目を惹くものになっているか”などを考えながら制作を進めました。
それに対して今回のチラシはタイトルをはじめ、参加料、住所、時間帯などのイベントに関する必要最低限の情報を配置し、且つ興味を持ってもらうためにキャッチコピーを目のつく場所に配置するという工程を踏みました。
情報という名の有機物
自分自身、これまでの情報を扱うのは初めてで大変苦戦しました。作業中は熊谷先生と何度も連絡を交わし、僕が正しい情報を見逃してしまった際に先生が「情報は有機物だ」とおっしゃいました。
私は、情報という名の有機物を調理(デザイン)する過程で、そもそもの情報を見逃したり、情報の理解を誤ったりしたこともあります。そんな情報に基づいたデザインは即座に腐っていきます。
一方で、正しく情報を載せたとしても、その情報が美しくデザインされなければ第三者に届かなくなります。食物をどのように美しく調理し、迅速に鮮度を保ちながらお客様にお届けするか。今回の制作を通じて、情報をデザインすることに似ている側面があるとの気づきを得る経験となりました。
チラシは表面だけではなく、裏面もまた正確な情報が求められます。13名の講師の先生方の名前から所属、授業名を扱うデザインには苦心しました。情報に間違いがないか何度も確認しては訂正し、“正しい情報を正確に載せる”ということもデザインの重要な役割であると肌で感じながら作業しました。
そして、並べた情報をA4の範囲内でどれだけ見やすく、最低限の情報で最大限の理解を生むか、そのようなことも考えながら、最終的には幾何学模様をメインに整理しました。皆さん、率直にいかがでしたか?
夜明け前
最後に
大学では普段、空間デザイン(舞台美術やディスプレイ)をしていますが、今回、平面デザインをしてみて、違う頭を使った気がします。また、大学では制作期間が設けられるとぎりぎりまで制作をしていますが、今回のチラシ制作は納期があり、デザインが完成しても印刷会社に発注をかけ、発送するまで一週間かかるなどのタイムスケジュールの厳しさも経験できました。
責任と制限の中でどうデザインするか。今後この経験を活かせる場が来るまで、積極的に経験を活かす姿勢を保ちながら生活しようと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。多くの方へチラシが届くことに感謝いたします。