ともとあつとクマユウと

はじめまして、大平敦尊(あつたか)・共紘(ともひろ)の母、洋子です。先日リリースされたともとあっつで私の双子の息子の事を取り上げていただきました。あんなことやこんなことがあったなと、彼らが大きく成長した三年間を思い出しながら読みました。

当ブログのヘッダーのモデルになっている大平ブラザーズの話です。

子育ては天職

私は、2人の他に娘にも恵まれて子育ては天職かも!と、思いながら3人を育ててきました。子育てを楽しむ先で、受験生の母を経験する事になるのですが、「埼玉の受験は親の頑張りも大事だよ」と、先輩ママ達から聞いていたので、2人の中3の春に、学校見学のイベントに参加する事にしました。

保護者がバスに乗り、1日に3〜4校の高校を見学します。毎年役員さんが決めた所に行くのですが、その年の最初の訪問先が筑波大学付属坂戸高等学校だったのです。説明を聞くや否や一目惚れしてしまいました。息子たちが筑坂で学んだ先を想像して、母親である私もワクワクしたからです。主体的に自らの意志で学べる学校で、子供たちはどんな風になるんだろう。正直、親の私がドキドキしました。

私のプレゼンが良かったのでしょうか。2人はすぐに筑坂を志望校に決め、その熱意をもって受かった気になっていました。実際は中3の夏にゲーム三昧だったのですが……。そして、私の想像以上に2人は高校生活を楽しみ始めるのでした。ステキな先生方の中に、特に3年間お世話になる担任団の中にクマユウはいたのです。

あつのこと

敦尊(あつたか)の様子を心配し、声をかけてくれたクマユウに、あつが全て話せたのは本当に良かったと思っています。私は、敢えて注目しない事で、自然にまかせようとしていたのですが、クマユウがきちんと向き合ってくれたので、私も敦の思いを知る事が出来ました。

全てをオープンにした事で敦は本当に大きな変化をしました。新生敦尊です。あれだけ心配かけたのに、「クマユウに人格詐欺と言われたよ!」とあっけらかんと笑って話していたのが印象的です。私は魔法にかかった気分でした。

自分が変化出来た事で自信を持てたのか、何事も積極的になりましたね。そして、兄弟喧嘩が減りました。逆にとても仲良くなりました。その影響は、自宅マンションの2人の部屋の間の壁を叩き壊した事で、良くわかります。ベルリンの壁のように2人の間の壁が無くなったのです。お互いがお互いを認める事が出来る存在になったのでした。

ひとつのことがうまくいくと、そのほかのこともうまく回り始めます。人と対面することは苦手意識を持っていて、頑なに接客のバイトはしないと言っていたのに、大学に入ってずーっと接客のバイトをしています(笑)。あ、やっぱり「人格詐欺」ですね。

とものこと

クマユウが褒め言葉として使ってくれた「楽天的な性格」は本当なのでしょうか?いい加減?良い加減?は、当たっています。頼み事にはとーっても良い返事を返してくれますが、返事だけという事も多々ありました。楽天的になったのは、あつが緊張している様子を見てきたから、敢えてそうしたのかなぁとも思われます。でも生まれた時から飄々として舌を出しておちゃらけてる、そんな子です。

英語との向き合い方で、感心した事があります。クマユウが言うように、ともは英語に苦手意識がありました。でも、我が家でインドネシアの高校生のホームスティの受け入れをした時のことです。毎年、受け入れているのですが、ともは1年目はあつに任せっきりだったのに、2年目であつとスマホの翻訳機能には頼らない宣言をして、悪戦苦闘していました。しかしその結果正直、ここまで変わるか!と驚く変化を遂げました。

2人が卒業して、入れ代わりに妹が筑坂に入学しました。1年生でまたホストファミリーになったのですが、積極的にコミュニケーションをとってくれたのはともでした。大学でのコミュニケーション英語も楽しんでいるみたいです。ペーパーテストの学力が上がったとは思えませんけどね……。

クマユウのこと

IBの認定申請の過程には、学校にコンサルタントが訪問したり、査察官が訪問したりと二度保護者とも面談します。あれは、ちょうど役員の仕事で、PTA総会資料の印刷に行った時のことでした。印刷室でクマユウが近いづいてきて、「保護者代表に選ばれました!」とか調子のいいことを言って、まんまとコンサル訪問の場で筑坂をアピールする羽目になりました。

それにしても、外国人の方がいらしたので、英語が理解出来る人に頼めば良いものを……。クマユウはいつも突然スーっと近づいて来て「ちょっとお願いがあります。引き受けてくれますよね?」とニヤリと言うんです。言いくるめられる私も私ですが……。そうそう、思い出しました!

ともが1年生の公開授業の時です。私はともの授業を見学に行っただけでした。なのに、ともが大勢の参観者の前で司会をやるってなったときに、たまたま(今となってはそれも怪しいけど)授業をしていたクマユウと目が合ったんですね。そろそろと近寄ってきて、クマユウは「最後に振るので英語でコメントお願いします」とだけ言って去っていきまました。

それからは気が気ではありませんでした。全国から授業を見に来た先生たちの前で、私が英語で話をしないといけないんですよ!その教室の中で私が一番緊張していたと思います。でも、コメントに困ったときのために、英語で書かれたアンチョコをスッと渡してくれたのは、優しいなぁと、悔しいけど思ってしまいました。これが毎回の恒例になってしまい、次第に私にとってはクマユウは恐怖の赤紙のような存在になっていきました(笑)。

最後に

私は筑坂に訪問されたIBの方(educator)に、「筑坂は人を育てる学校だと思っています」と伝えました。クマユウはいつも熱く語っていました。筑坂の教育もIBの教育も目指しているところは同じだということ、日本の教育にもいいところはたくさんあること、ただそれが十分に伝えられていないこと、だからIBというフレームを使って日本の教育実践を見つめなおせば、日本の教育をグローバル化できるということ……等々。

残念ながら娘の学年は、筑坂IB元年の学年ではありませんが、折角IB認定校になったので筑坂の子供たちが、何らかの形でIBの学びに触れる事ができたらと思います。そして、日本でIBが浸透して、ステキな考えの子供達が増える事を望みます。

最後まで読んでいただいきありがとうございました。