私がIB教育に携わっていきたい理由

今からIBを始める君へ -

こんにちは。松尾英樹です。生まれは福岡県北九州市。岡山、エジプト、フィリピン、中国、熊本、沖縄と転々と仕事をしていくうちに、国際バカロレアに出会い、チノメザメに辿り着きました。一緒に学ぶことを楽しみ、世界で活躍しようとしている若者を応援したいです。

紆余曲折あって

私は大学院を修了後,青年海外協力隊の隊員として2年間エジプトで環境分析に関する技術移転を行いました。帰国後,社会人大学生として大学院で学びを付け加えた後,JICAの専門家として再び途上国で技術移転を行っていました。

途上国での技術移転に区切りをつけ熊本県立大学環境共生学部で助手を勤め,紆余曲折後,沖縄尚学高等学校でIB化学を教えています。IB教員のスタートが高校での教員生活の始まりで今年で7年目になります。

沖縄尚学高校の男性教員として初の育児休暇を半年間取りました。IBの仕事もこなしつつ育児に奮闘中です。熊谷先生とは、以前先生が勤めていた筑波坂戸高校のIB立ち上げの際に沖縄尚学に訪問された時やワークショップの会場などで挨拶程度の面識でしかないのですが、チノメザメのブログは誕生初期の頃から拝見しており、熊谷先生の人柄にふれ、挑戦していく姿に共感し勝手に応援していました。

まだ伝えきれていない

当時、私は沖縄尚学と関連のある予備校で講師をしていました。沖縄尚学でIBを立ち上げる際、IB化学の教員としてリクルートされたのがきっかけです。

すぐにIBに関する資料を読み漁り準備していくうちに、「主体的な学び」と「生涯に渡って学び続ける力を身につける」に魅力を感じ、どんどんのめり込んでいきました。

今ではIB化学のワークショップリーダーと試験採点官をしています。それでもまだ十分にIBの学びを生徒たちに伝えきれていないなと感じています。

理想と現実の間に

IBというよりIBの理科についてですが、実験をすることを前提としたカリキュラムはとても気に入っています。観察・結果から理論を導く道筋は実社会で最も必要な力であり、これを高校生から取り組めるIB生が羨ましいです。

沖縄尚学は仙台育英高校と並んで日本語でのIBをスタートさせた日本で最初の学校です。どのようにIBの準備を進めていけばよいのかを尋ねる相手は殆どいない状態でした。ひたすら英語シラバスを読む日々は辛かったです。

また、授業は「先生から生徒たちに教える」のか、「先生は生徒たちの学びを助ける」のかについては、私立の高校ならではの進学実績との兼ね合いで、理想の教育と現実の間で今も悩まされ続けています。

最後に

これは、「国際バカロレア教員になるために(大修館書店)」の中で私の教員紹介で書いた文章なのですが、ここでも同じように皆さんに伝えたいです。

IBの使命の中に,「世界各地で学ぶ児童生徒に,人がもつ違いを違いとして理解し,自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として,積極的に,そして共感する心を持って生涯にわたって学び続けるよう働きかけます。」とあります。

私がこれまで国際協力を通じて感じた,これからの世の中に必要とされる人物像を言葉で表すならば正にこの一文で示される能力を持った人物であり,私がIB教育に携わっていきたい理由でもあります。

技術や資金を投入して途上国の生活水準を上げることは一時的であり,継続させることは困難であるのが現状です。日本国内だけでなく世界中へのIB教育の広がりがより良い世界を築く助けになると信じています。IB生の素晴しさはお互いに協力しながらより良い道を築けるところにあります。学生のみなさんにはそのような大人になってほしいし、教員として一緒に携われる仲間がたくさんいてほしいと思っています。