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今からIBを始める君へ:UWCアルメニア校で学ぶ日本人IB生に聞く

生徒・保護者向け -

今日は、UWCアルメニア校でディプロマプログラムを学んでいる大崎永菜さん、指岡真太朗くん、和田万由子さんにお話を聞きたいと思います。

クマユウ

永菜さんは当ブログ(チノメザメ)で「アルメニア通信」を書いてくれましたが、私のことはずいぶんと盛っていたように思います(笑)。

それは置いておいて、永菜さんはまだ中学生の頃からIBに興味を持っていたけど、日本でも4ヶ月ディプロマプログラムを勉強してみたよね。実際にIBのプログラムを体験してみてどう?

永菜
IBを始めて、IBは「勉強する」よりも「学ぶ」カリキュラムだと実感しています。例えば日本で受けていた教育とIBの違いとして一番に感じるのは、知識が目的ではなく過程にあるということです。
クマユウ
知識を獲得するのが目的でないということかな。もう少し、詳しく教えてくれるかな。
永菜
日本で学んでいたとき、テストのために覚えて、忘れていく知識に意味を見出せませんでした。IBではそれ以上の知識量を求められることもありますが、暗記することがゴールなのではなく、知識は自分の考えを構築するために使われます。
クマユウ
その時々に自分が持っている知識から仮の答えを出して、それをみんなと議論したり、協働して探求したりする中でどんどんオリジナルの考えはブラッシュアップしていくもんね。知の理論の授業は毎回そうだね。実際、私も授業をしていて、教えているっていう感覚はないかな。
永菜
考える機会の多い授業では、先生が”教える”という概念が私の中で変わりました。
クマユウ
アルメニアではどう?
永菜
特にエッセイやディスカッションベースで進んでいくHumanityの科目やTOKの授業では先生も同じ学習者のようにディスカッションに参加したり、生徒の討論を活性化させたりするだけで、一つの答えに誘導されることはありません。
クマユウ
先生が持っている答えが見える時があるよね。時々、いろんな先生たちの授業を見るんだけど、「先生、答え見えてますよ…」って思うときが結構ある。オープンエンドの問いのはずなんだけどね。この間、とある小学生が話に来てくれたんだ。「道徳の授業でみんなで考えよう、答えはひとつじゃないって先生は言うけど、答えは最初っから決まっていて、それに向かっていろんな質問しているから、途中から考える気がなくなる」って言ってたな。自分っていう人間がどういう人なのかは、自分の答えを見つける過程の中に気づくチャンスがあるのになぁ。
永菜
そうですね。IBはアカデミックな面のみでなく、自分と向き合うカリキュラムだなと感じています。日々出される多くの課題に、何度も自分の弱みを目の当たりにしました。しかし同時に、IBでの学びを通して考える力、挑戦する力、振り返る力、自己管理能力など、今まで以上に自分が成長しているのを実感しています。
クマユウ
真太朗くんはアルメニアに行って、1年経つよね。日本ではIBをやっていたわけではないと聞きました。アルメニアに行っていきなりディプロマプログラムを始めたわけだけれども、やってみて実際どうでしたか?
真太朗
IBの1年目しか終えていない上での感想ですが…、まず、日本の高校のように理系文系の区別がなく、全カテゴリーの科目をバランスよく取るので、入学時に進路選択を強いられることがなく、まだ将来何がしたいか具体的に決まってない人や、なんでも学びたいような人にはすごく良いと思います。文理の区別がないといってもartはoptionalなので、医学部に絶対行きたいみたいな人は、math, chemistry, biologyをHLで取るなんてこともできます。要するに、なんでもできるカリキュラムだと思います。
クマユウ
DPはとにかく難しいんじゃないかとよく質問を受けます。日本の高校の学習内容とDPの学習内容を比べて、どちらがより難しいというのはありますか?
真太朗
日本の教育と比較すると、理数系の科目については日本の方が難しい印象です。進学校出身者からすると、特に数学は応用が少なく簡単だと思います。社会系の科目はIBの方がpracticalで面白い印象です。自分は日本の高校では学べないeconomicsを取っていますが、アクティブラーニングスタイルの授業で、生徒主体で授業が進んでいきます。geographyやglobal politicsを取っている生徒からの感想を聞いて思うのは、日本だと、社会系の科目は暗記になりがちですが、IBはcase study等を交えて、より実生活に役立つような授業で、頭を使う必要があると思います。全体的に見て、テスト等が日本と比べてとてつもなく難しいっていう訳ではないと思いますが、IAやEE、ToK等のtaskを考えると、能動的に学んで、頭を使わないといけないカリキュラムだという印象です。
クマユウ
万由子さんはどうですか?
万由子
私はまだIBの授業を受けて2週間しかたっていないのですが、「これ大学受験に出るから覚えようね」が基本な日本の授業を受けていた私にとってディスカッションやフィールドワークが多く、ただ単語や出来事を丸覚えするのではなくその事自体を深く考えて勉強していくようなIBはとても新鮮で楽しいです。
クマユウ
そうか、楽しいって思えたんだね!
万由子
でも、特に文系科目では、英語でのIB、というか勉強、授業は言語の壁が高く2週間経った今もディスカッションに思うように参加できなかったり、宿題に時間がかかったりと大変です。
クマユウ
でも、話を聞いていると、難しくてついていけないという感じではなさそうだね。
万由子
今のところは日本とは違って授業や勉強がそこまで苦じゃくて、楽しいですね
クマユウ
それを聞いて、ご両親はホント安心していると思うよ。実際やってみて、発見はありましたか?
万由子
私は日本で理系科目の方が文系科目より難しい、学ぶのに時間がかかるというかなり適当な理由で文系選択をし、将来もそれに基づいて考えていました。でも、ここに来て授業を受けてみると、しっかりと考えながら学ぶという点では、文系科目と理系科目にあんまり違いがないように思えてきました。日本では理系は計算、文系は暗記という印象が強いかもしれません。今は、思いの外、理系科目もおもしろいなと感じて日本で考えていた自分の将来像が揺らいでいます。
クマユウ
永菜さん、真太朗くん、万由子さん、ありがとうございました。またお話を伺わせてください。

読者のみなさんに、国際バカロレアのプログラムを選択する一助になれば幸いに思います。昨年はなかなか機会を設けることが難しかったのですが、今年はなんとか、年齢や立場に関係なく、みんなが学べる場を作りたいと思っています。国際バカロレアの体験授業も設けたいと思っていますので、ぜひ参加してみてください。