筑坂では花桃が見頃です。年度末にお墓参りに帰省しました。そこで聞いた故郷、気仙沼のことで胸を痛めています。
昨年度末で東日本大震災の被災地ではたくさんの補助金が打ち切られました。そのひとつが雇用創出事業です。親に働く場所がないことは、子供の今後の進路選択において大きなストレスになるでしょう。
それでも、学びたいと思っているなら、方法はいくらでもあります。あきらめるのは簡単ですが、進学して学びを継続することで、自らのキャリアを築く道を探ってほしいと心から願っています。
夜間大学での学び
私は、地方の夜間大学の出身です。でも、入学したその時から、アルバイトをしながらお金を貯めて、3年に上がるときに昼間の学部に転部しようと、私は考えていました。当時は夜間の授業料は昼間の半額。3年分の学費で卒業できたら、お得じゃないかと思って、転部試験に備えて勉強していました。
夜間大学での同級生はほとんどが社会人です。時間をかろうじて捻出して大学に通う彼らの姿には大いに励まされましたし、年齢も多様な彼らから私はたくさんのことを教えてもらいました。
ある時、会社を経営しながら大学に通い、4年間成績優秀で授業料が免除になった50代の同級生からこんなことを言われました。
「経営者はね、どの大学を出たなんて本当は見てないよ。4年間で何をしたのか、それが重要。自分がやってきたことを客観的に見せられるものをたくさん持ちなさい」
今で言う、「ポートフォリオを作っておけ」っていうことですよね。いつ何時チャンスが巡ってきてもいいように、自分が学んだこと、身に着けたことを即座に見せられるようにしておく。
客観的に自分のスキルを見せられるように、資格や英語の試験のスコアも有効です。それは中学生でも、高校生でも今から始められることです。
ぼた餅は自分で拾え!
私は大学卒業後、宮城県の高校教員として11年間勤めました。その後退職し、大韓民国政府大学院奨学金を得て、延世大学大学院で学ぶ機会を得ました。
その奨学金をインターネットで見つけたのは偶然でした。締め切りのわずか数日前だったと思います。でも、すぐ対応して、学費だけでなく、生活費も賄ってくれる奨学金を得ることができました。準備期間が足りないとあきらめなくてよかったと思っています。
その時できる全力で書類をそろえましたが、普段から自分が何をやってきたのか、やっているのかを見せられるようにしていたから、掴めたチャンスだと思います。
今はみんなスマートフォンを持っている時代。少なくとも学校ではインターネットができますよね。アンテナを張って、良質な情報を得る努力してみませんか。次のぼた餅を拾うのは君です!
韓国で英語を学ぶ?
私は英語の教員ですが、英語圏での留学経験がありません。私の場合、それがウリだと思っているのですが、実は本格的に英語が上達したのは、韓国での留学期間でした。
というのも、世界中からやってくる国費留学生の共通言語は英語。とはいえ、大学院に入学する前までに、ある程度の韓国語を身につけなくてはなりません。日本人にとって、韓国語は最も習得しやすい外国語です。「カムサハムニダ」しか知らないで渡韓しましたが、半年くらいで大学院入学に求められる韓国語を身に着けることはできました(もちろん、努力はしました)。
日本人で英語を話せる留学生は少なかったので、おのずと私が通訳や韓国語を教える係になります。そこで私は英語の流暢性を手に入れました。私の韓国での生活言語は英語と韓国語だったからです。
最後に
学び続ける方法は、ひとつではありません。そして大学ランキングなんてのがありますが、そのランキングの上位に入っていようが、いまいが、このご時世それは大した問題にはなりません。どの大学に入っても、きちんと努力をして、自分の経験を可視化できる人に社会は興味を持ちます。
その辺の話は工学院大学附属中学校の高橋一也先生もEdmodocon Japan 2017でも話していらっしゃるので、そちらをご覧ください。
時々、超偏差値が低い学生がいい大学に入ったとかいう成功物語が、さももっともらしく出版され、ベストセラーになったりしますよね。いやいや、その人も猛烈に努力したはずです。箸を転がして、その大学に入ったわけではありますまい。
ただ、どんなに努力をしても、どうにもならないことがひとつだけあります。学費です。でも、小学校さえ通えなかった私の祖母の子供の頃とは時代が違います。日本の社会は機会を与えてくれています。そしてその情報を得ることはそんなに難しくありません。私の祖母については、「チノメザメ Knowledge Awakening」で語っています。
どうか簡単にあきらめないでほしい。もう一度繰り返します。学び続ける方法は、ひとつではありません。学び続ける芽を摘まないで!次回は、具体的どんな情報を私がこれまで集め、自分の学びに、そして私の生徒の学びに活かしてきたかをお話ししようと思います。