英語エマージョン教育の現場から:前編

みなさん、はじめまして。西山哲郎と申します。そして、一昨年から21世紀教育や英語イマージョン教育に力を入れている大阪の香里ヌヴェール学院小学校で学校長を務めています。

それまでは私立の中高一貫校で英語教師として「海外で教えられているように英語を教えたい」という思いから、Content-basedに振り切って授業を日々アップデートすることに喜びを感じる生活を送っていました。

今日は今や国民的番組になった「チノメザメ」にお招きいただきありがとうございます(笑)。IB設置という夢について思いっきり語りにきました。よろしくお願いします。

打たれた杭は磨かれる?

おもろいことはないかないかと動いていると必ず何かが生まれたり、誰かと出会ったりと導かれたかのようにワクワクするようなことが起こりますよね。とにかく「動く」、何が起こるか分からないけど、直感が指さした方向へ進む人生を送ることに喜びを感じています。

今年はじめ、世界に冠たる教育を実践している漢が大阪にいると知人から紹介されました。それが本ブログを主宰するクマユウこと熊谷優一先生です。意気投合し、気がつけば大阪城散歩と称して、ウォーキングする仲にまで発展。いまや熊谷先生は私のメンターであり、よき相談相手であり、散歩仲間でもあります。

「出る杭は打たれる。打たれた杭は磨かれる」を私はモットーにしていますが、彼と話をしているとこの人も相当打たれてきたんだなと感じます。そこに私たちは初めて会ったその瞬間から共感しあえたのだと思います。

教育における新しいパラダイム

大阪や京都では、インターナショナル幼稚園が急激に増え、子どもたちの未来をしっかりと見据えた保護者の方々のバイリンガル教育や探究学習への強い思いを肌で感じています。インター幼稚園には様々な形態があり、それぞれの園が独自の個性を打ち出され、とても魅力的なスクールばかりです。

そういった背景を持つ子どもたちを受け入れながら、香里ヌヴェール学院小学校のイマージョン教育は2020年度に4年目を迎えました。しかし、私たちはなぜ英語教育やイマージョン教育を行わなければならないのでしょうか。

ナポレオンが戦争という概念を構築し、戦争に勝つための制度設計として国家、社会、軍隊、そして学校などの制度設計を行いました。それから150年以上が経過しますが、殊日本においては100年以上に渡り、古いパラダイムで教育が行われており、21世紀の大きなうねり、変化に全く対応できていないように感じています。

イマージョン教育の現場から

そんな中でも教育者のあるべき姿とは、急速に変化していく社会の中でたくましく自己と他者を愛しながら生きていく子どもたちを育てていくことだと信じています。学校とは単に知識を伝達するための場ではなく、人々との関わりにおいて生きることを学ぶ空間であり、何よりもまずできあがった答えを知って満足するのではなく、真の問題意識を持つことを身をもって学ぶ場であるべきです。

聖書に記されているように「多く受けた者は、多く与えなければならない」と記されており、実際、互いに分かち合うためでなければ、学習する意味はありません。

英語教育やイマージョン教育を実践していく目的や意味は、「行動力」の時代と言われる21世紀を生き抜くスキルを涵養することです。非連続な現代社会において未来を生きる子どもたちを「機会ロス」から守り、想像力、協調性、コミュニケーション力、異文化理解、問題発見・解決能力、イノベーション力を身につけ、「社会は変えられる」という自ら考え、行動する子どもが英語教育やイマージョン教育の中で育てることができると自負しています。

中休み

もしも子供たちが世界を変える影響力を自分は持っているって感じたら、人生ははるかに違うと思うんです。

クマユウは以前こちらのブログでこんな風に書いていましたね。

「受け身の学びではなく、何かほんの些細なことであっても、自分達の働きかけによって世の中を1ミリでも変える経験をすることができたら、子どもたちはきっと、自分たちは世界を変える影響力を持った一個人であると自覚して実社会に入っていくと思うんですね。それを知っているのと、知らないまま社会にいることは全然意味が違うと思いませんか?」

「世界を変える影響力を持った一個人」を育てる。そんな理念の下、香里ヌヴェール学院小学校では、優秀な日本人担任と外国人担任が普段から議論を交わし、精力的に関わっている環境を子どもたちのために用意できていることを誇りに感じています。

しかし、同時に、現状のシステムの限界に対して感じており、何か本校のイマージョン教育の柱に見合うような理念とフレームワークがないか模索していました。そこで出会ったのが国際バカロレアでした。