二雙の舟~「ナレッジキャラバン in 2019 夏」を振り返って~

「風の中で 波の中で たかが愛は木の葉のように…」

中島みゆきの「二雙の舟」の一節です。何か新しい取り組みを始めようと思った人への風、波あたりは強いと決まっているのはわかっていても、心折れそうになるは世の習い。

優一さんも「ナレッジキャラバン in 2019 夏」の2週間前からめまいが止まらなくなり、作業場から家に帰るのがやっとになったり、自分でやりたいって言いだしたくせに、メンタルの弱さを露呈していました。

こんなに虚弱体質なんだから、最初っからやんなきゃいいのにって傍から見ていて思うんです。けど、苦しければ苦しいほど、辛ければ辛いほど達成感が半端ないそうで、これがネクラの鑑たる所以なのでしょうと納得してしまいました。

さて、たくさんの皆様のご協力の下、おかげさまで「ナレッジキャラバン in 2019 夏」は無事に終えることができました。改めまして、関わっていただいたすべての方に感謝申し上げます。今回は、いただいた感想をご紹介したいと思います。

会いたい

とても貴重な体験をありがとうございました。開催のご成功、本当におめでとうございます。大阪女学院のチャペルでは、こんなに沢山の方がこられていたのだと、改めてびっくりしました。

熊谷先生にはじめてお会いした時に息子や息子の友達がこんな先生に教えて頂けたらなぁ…という願いがかなってしまいました。息子が先生に出会える機会を頂き、ありがとうございました。

熊谷先生の授業が終わってから、色んな方が先生に話しかけられていて、会いたいと思っている人がやっぱりこんなに沢山いらっしゃるんだなぁと思いつつ、お礼のご挨拶もせず、失礼してしまい申し訳ありませんでした。

見えないものへの心配り

私は、ブログで何度も読みかえしていた阿部富子先生のお話しを実際に聞かせて頂けた事がとても嬉しかったです。先生の言葉は、愛情にあふれていて、子ども達の心と体の両方を見ておられました。見えないものへの心配り。安全安心の確保された空間の創出。

教育的な想像力を持って。臨床美術の実践。養護教諭としてのプロフェッショナルな意識。どの言葉も、口調はとてもお優しいのに、強い言葉でした。保護者として聞きたかった事がお話しの中で聞けました。

それから、ブログの松岡さんの文章に、熊谷先生は震災の教訓を伝えたい、グローバル化したいという思いが根底にあると書かれていらしたので、宮城から来て下さる富子先生のお話しを日本人である私はちゃんと聞かなくてはと思いました。震災後、子供たちは、重い荷物を持ちながらも、前に進んでいくように、子供たちの脚力がつくように。と真っ直ぐ、言われていました。

授業後、川本先生にお会いできたので、お礼を申し上げて先生から息子がメモをとってましたよ、とお聞きして、「え?息子が?」と思い、帰り道、メモを見せてもらうと……。

「がいねん…見えないものなど、反対…見えるものなど」「未来をかんがえる」と書いていました。先生がスクリーンに映されたタイトル(?)のようでした。メモした理由を聞くと、「覚えておきたかったから」との事でした。息子とは、違う授業を受けていましたが、私が感動した「見えないものへの心配り」の富子先生の言葉に似ていたので、びっくりしました。

授業の続き

今日の授業は壮大すぎて、どうやって息子と復習したらいいかわからなかったのですが、とりあえず、夕食を食べながら、「しずかちゃんの事言ってた人面白かったな…」「30年後はね、テレパシーでね…」「絵日記は二枚じたてにすれば良かったな…」「(熊谷先生の模擬授業で通訳をした)大学のお兄さん英語わかってすごいな…」などなど、熊谷先生と川本先生の授業の内容を行ったり来たりして、話しました。

私達は、飛び抜けた事は全く言えないけれど、面白いなと感じた他の人の考えを思い出して、その考えに便乗して自分たちの考えを追加したり、ちょっと変えて空想したり、授業の続きを楽しんでました。

先生の教え子さん、大阪女学院の生徒さん、立派でした。息子も皆さんみたいに育ってほしいです。息子も母(祖母)も、初めての授業に「緊張したけれど、とても楽しかった」と、「小学校でも同じ授業があればいいな」と言っていました。

他の授業も聞いてみたかったです。息子は、「たこやきの足つった先生(濵大輔先生)の授業が聞きたかった」と言っていました(笑)。次回は、三日連続とかにして頂いて……というのは欲張りでしょうか。でも、どうかよろしくお願いします。

最後に

年齢も、性別も、立場も、学校の枠をも超えて、共に学び会う、そんな「学びのプラットフォーム」ができないだろうかと今回のイベントを企画しました。優一さんのもとには「健全な学びの場だった」という感想が一緒に勉強会をやっている私立の先生から寄せられたそうです。「健全な学びの場」という表現、すごく面白いと思いませんか?みなさんは、このコメントをどう読み解きますか?

自身を普通中の普通と語る酒井優輔君が、自身の体験と今後を語ります。

「授業のつづき」を優一さんはいつも意識していると言います。それは以前、酒井優輔くんも普通中の普通の僕の将来で書いてくれました。小学生を教えたことがない優一さんは今回、小学生の反応に密かに涙していましたよ。感想いただいた中で、「覚えておきたかったから」と先生の話をメモした小学生の学ぶ力に、「どんな絶望の淵にいても希望を持つ勇気を学校は教える場所でありたい」ってひとり熱くなっていました。

さて、次回から、体験授業をしていただいた先生方に順次「ナレッジキャラバン in 大阪 2019 夏」を振り返っていただきます。トップバッターはおなじみ、阿部富子先生です。どうぞお楽しみに