ネクラトラベラー 台湾編

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探り合って 探せなかった
求めあって 虚しかった

思いかげず 巡り合う
思いがけず

日常を離れた旅の中で自分では思いもしなかったステキな人や、言葉や、心揺さぶられる経験と出会うことがあります。みなさん、こんにちは。熊谷優一です。今回は台湾、烏龍茶畑を巡る旅での思いがけない出会いについて書こうと思います。

告白

諸悪の根源は4年前の香港で行われた国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)のワークショップで出会った阿部公彦先生のせいなんです。台中の明道中学という生徒数8,000人を超える学校のIBコースで日本語を教えている阿部先生は、気が付けば私の人生にはもうすでに欠かせない人になっています。毎日のようにやり取りをしている上、年に4、5回は遊んでいるので、もはやお互い別の国に住んでいる感覚はなくなってしまいました(笑)。

そんな阿部先生に昨年2018年8月に台湾を訪れた際に、ちょっとゆっくりと時間を過ごしたいのでどこか台北市内でおすすめの場所を教えてほしいとお願いしたのが事の発端でした。いくつか勧められた場所のひとつに、件の烏龍茶屋さんがあったのです。

永康街の入り口の近くにあるそのお茶屋さんはてっきり喫茶店で、烏龍茶を飲みながら読書をするなどしてゆったりと時間を過ごせるだろうと訪れてみると、そういう意味のゆっくり時間を過ごす場所ではありませんでした。何種類かの烏龍茶を試飲させてもらいながら時間をかけて吟味しつつ、好みの茶葉を購入するという店でした。そしてまんまとお茶の魅力にどっぷりハマることになります。

もう自分では止められないと観念していますが、こんな状態に私を陥れた阿部先生、恨みます。

熊谷のもっぱらの関心事は中国茶。大原庄助化している現状に油を注いだが王静先生でした。

今年に入って私のテンションが下がっていた頃、阿部先生からこんなお誘いを受けました。

「烏龍茶畑いきませんか?」

何て罪な誘いでしょう。烏龍茶を知りたいという欲求を満たしたいだけ満たしてもいいという自由を私は阿部先生によって手にしたのです。現金なもので、私のテンションはいとも簡単に平常を上回り即効、「行きます」と返事をしました。というわけで、阿部先生ご家族と凍頂烏龍茶の郷を訪れたのです。

山間の民宿というには大きな民宿に着いて、私たちは散歩に出かけました。そして私たちは出会ってしまったんです。

道端でブドウのような実が一粒ずつ生っている木を手入れしているおじいさんがいました。日本では見たことがなかったので、好奇心に駆られた私は日本語で、おじいさんにこれは何かと聞きました。実際は阿部先生の奥さんに中国語で通訳してもらいました。

すると、おじいさんは「食べるか?」と私たちに何個も実をもいでくれました。木の幹に無数になっている黒い小さな球はぱっと見、薄気味悪かったのですが、味はぶどうそのもので感嘆しました。そしたらおじいさんが、「家で茶でも飲んでいかないか」とさらに誘ってくれたのです。中国語に翻訳されるより前に、雰囲気で何を伝えようとしているかわかったので、「行きます!」とかぶり気味に応えました。

おじいさんはその辺の地域では有名な大規模烏龍茶農園のオーナーで、結構本格的な茶会が始まりました。果物のような香りのおじいさんの烏龍茶を飲みながら、質問責めにした挙句、歩き疲れた私たちをホテルまで車で送ってもらいました……。

この一件で烏龍茶愛が史上最高を記録した私は調子に乗って、次の日もまた別のもっと高い山の烏龍茶畑に連れて行ってもらいました(阿部先生ご一家からは次は阿里山にって誘っていただいています)。そして、台中に戻ってからも、台北に移動しても、数々のお茶屋さんを行脚しました。

最後にいつものお茶屋さんを訪れます。そしてついに私の心と体が覚醒します。いつも大げさな表現を私はしがちですが、今回は確かな心体感覚を伴ったステキ中のステキ体験でした。真面目に凄かったです。

いくつかのお茶を試飲させてもらった後、おもむろに主人が、「そうだ!今日は特別なお茶を入れてあげよう」というのです。店の奥から厳かに持ち出された茶葉をおもむろに茶壺に移し、そしてお湯を注ぎ、茶海へ、そして香聞杯へとお茶は注がれます。そしてそれを茶杯に移し、香聞杯の残った烏龍茶の香りを味わうや否や……。

全身に鳥肌が立ちました。何だこれ!?そのことを表現するための語彙を持ち合わせていない自分を呪いたい気持ちですが、今まで飲んだお茶とは全く異なる異次元のお茶でした。そしてそのお茶を口に含んでからというもの、鳥肌が止まらくなりました。何と霊的なお茶だったことでしょう。そのお茶を飲み続けた数十分の間、鳥肌がやむことはありませんでした。

主人は、「これは薬も同じだ。おまえにこんなお茶があることを知ってほしかったんだ」とこれまた嬉しいことを言ってくれます。通い続けて、客として信頼してもらった結果、新たなお茶の世界を見せてもらいました。

最後に

もう有頂天だったんでしょうね。また「13月」が発動します。台湾に入国して桃園空港で借りたwifiルーターを返し忘れて日本に持って来てしまいます。そしてさらに、このブログでも取り上げた京象嵌のバングルをホテルに忘れてきてしまいました。あんなに大事にしていたのにも関わらず……。

熊谷がのめりこんだ漢字の世界。白川静先生の一冊の本が始まりでした。

でも、台湾と私はよほど相性がいいのか、何でかんでヘマをしても丸く収まるようになっています。前回もスマホを夜中、タクシーに忘れてきましたが、結局戻ってきました。

今回もwifiルーター会社には帰国して二日後には届いたそうなので、怒られなくて済みましたし、バングルに至っては私の学校の生徒のお母さんが台湾に行くというので、取ってきてもらいました(本当にありがとうございました)。

散々迷惑をかけ、申し訳ない気持ちではいるのですが、世の中何とかなるもんだなぁとグローバル社会に感謝しています。あれ、Jet Stream風に始めたんだけどなぁ……。結局終わりはこんな感じになってしまいました。

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