今からIBを始める君へ:生物と歴史の内部評価について

こんにちは、水都国際高校2年の林歩花です。いよいよ最終試験の待つDP2年目がやってきました。最終試験のことを考えると変な緊張が走りますし、正直今の自分のままでは到底乗り越えられそうもないので、もっと忍耐力と集中力が必要だなと感じています。

そんな私は2022年、我慢強くなるというのを目標に設定しました。元々、というか今もなのですが、勉強に対して苦手意識を持っているので、我慢強く勉強(特にTOK)と向き合うことができるようになればと思います。

さて、今回のテーマは生物と歴史のIA(Internal Assessment:内部評価)を紹介しようと思います。

生物の内部評価

まずは生物から。私は、宇宙植物学の研究グループに所属しているので、そこから関連付けて何かできないかと考えました。そこで、特殊なレシピを基に火星の土(仮)を作り、クローバーを植えて、火星の土でマイクログリーンがどのように育つのかを研究することにしました。

コロナで学校に行けなかったり、必要な肥料を取り寄せるのに時間がかかったりと中々研究が思うように進んでいないのですが、とてもワクワクしています。ちなみに、クローバーを育てる時は紫色のライトを使用して研究を行おうと考えています。

火星でクローバーを育てることを想定するので、室内でライトを使用した栽培方法になるのですが、なぜ紫色のライトなのでしょうか。これは、これまでの実験で紫、青、白色の強烈なLEDライトを使用してクローバーを栽培したところ、紫色が一番育ったからです。すごく強いライトなので目が痛くなりますが、とても鮮やかで素敵な紫色です。

歴史の内部評価

続いて歴史です。

私は1947年に台湾で起こった二・二八事件について、日本が行っていた台湾統治と関連付けて研究を行いました。というのも、以前お話したように、私は台湾にルーツがあり、第二の故郷である台湾の歴史について研究することができれば面白いと思ったからです。

とはいっても、高齢にもかかわらず流暢に日本語を話す曾祖父の姿を思い出して、「日本の台湾統治に関する研究にしよう」と思い立ったのはIAを考え始めてから大分時が経ってからで、はじめに検討していたテーマは資料がなさすぎて没になりました。

なので歴史のIAを考え始める際は、資料が多く見つかりそうなもの、つまり日本が関係している歴史的なできごとにあたってみると、研究がしやすいと思います。これは私自身、私の先輩方からいただいたアドバイスでもあり、実際自分が経験してみて深く納得しました。

二・二八事件は大暴動に発展していき、台湾に上陸してきていた中国国民党政府によって台湾人は酷い拷問を受けていました。研究を進める中で、無実だったにもかかわらず拷問を受け、射殺された方の再現ビデオを見つけ、しんどくなったりもしました。

ですが、研究を通して自分のルーツのある日本と台湾の歴史を学ぶことができて、とても感慨深い経験になりました。これまでなんとなしに感じていた、「台湾の人は昔日本に統治されていたのに、なぜ日本人に優しいんだろう」という疑問もいくらか解消されたような気がします。台北には二・二八事件に関しての記念館もあるそうなので、次に台湾にいった際には訪れてみようと思います。

TOKの内部評価

続いてTOK展示についてですが、こちらは散々すぎて、文字に起こすのが辛いほどです(笑)。

TOK展示では「IAプロンプト」と呼ばれる35個の問いから一つ選び、その問いに関連する事物を3つ探し、そのことについて展示会を行い、その内容をコメンタリーという形で1,900字にまとめます。

先輩たちはプレゼンテーションでしたが、私たちの代から展示になりました。先輩たちは自ら問いを作ってプレゼンテーションを構成していたので、なかなか大変そうでしたが、私たちは予め提示されている問いから1つ選べばいいので、準備はかなり軽減されるだろうと予想していました。

私は「知ることのできないものは存在するのか」というプロンプトを選択し、それに関連する3つの事物を選びました。正直選んだときはシンプルで考えやすそうだと思ったのですが、もちろんそんなはずもなく、自分が伝えたかったことが言えたと思っても、ものの見方が偏っていたり、まったく議論ができていなかったりしました。

これからIBを始める君へ

実社会の文脈、その事物を自分の展示に含めた理由、自分の主張に対するエビデンスなどなど、書かなければならない条件はたくさんあるのに、圧倒的に指定された上限の文字数が少なすぎる!1,900字で一体何が書けるというのでしょう!もっと字数をちょうだい!

高校1年生のときに受けたプレIBセッションで出された課題の文字数で2,000字をこんなにたくさん書かなれければいけないのかと途方に暮れましたが、今はたった2,000字が短すぎると途方に暮れています。

クマユウから2,000字で書いたものを、さらに1,000字に短くして再提出させるという練習をよくさせられましたが、今になってその意味がよくわかりました。与えられた字数で最大限を書くためには無駄を省いた議論とその表現をしなければならないのです。

繰り返しを省け。接続副詞を多用するな。クマユウから言われたことが身にしみています。が、こうして振り返ってみると自分の文章の癖、つまりは自分の思考の癖みたいなのがわかって、それはそれで勉強になりますね。