21世紀を学ぶ君へ:アナトリア学勉強会のご案内

みなさん、こんにちは。以前、Heroesシリーズでトルコはカマン・カレホユックで遺跡発掘調査をされている大村幸弘先生をご紹介しました。

熊谷の教育者観に最も影響を与えたのがトルコで出会った大村幸弘先生でした。

今回は、直前になってしまいました(7/23の開催)が、大村先生からお知らせいただいたオンライン勉強会についてご案内します。海外の遺跡発掘現場から、考古学者(大村先生)の話を聞く機会はなかなかありませんよね。

申込みは7/20までと記載されていますが、問い合わせたところ、まだ受け付けているそうです。小中高生の皆さんをはじめ、考古学に興味をお持ちの皆さん、ぜひご参加ください。

第270回アナトリア学勉強会のご案内

5月初旬に開始したビュクリュカレ遺跡の発掘調査も7月7日に終了しました。7月13日から3年ぶりに第35次カマン・カレホユック発掘調査が始まります。2020年、2021年の2年間、コロナの蔓延で調査も中止を余儀なくされました。2年ぶりの発掘調査となりますが、勉強会ではカマン・カレホユックのこれまで浮上してきた問題点を挙げ、発掘現場をご覧いただきながら数回に渡ってお話します。

日時:2022年7月23日(土) 午後4時半〜午後5時半(日本時間)
参加方法:Zoomライブ配信

※カマン・カレホユック遺跡(トルコ共和国)からの配信となるため、ネット環境が不安定になる場合があります。途中、配信に不具合がおこる可能性もありますので、予めご了承下さいますようお願い申し上げます。

題目:「暗黒時代は本当に暗黒だったのか」

「1986年、カマン・カレホユック発掘調査を開始し、今シーズンで35次を迎えました。この調査の主目的は「文化編年の構築」、換言しますと「年表の作成」になります。これまでの発掘調査で、数多くの問題点が見つかっています。それらの一つにヒッタイト帝国以降、アナトリアを覆ったと言われる「暗黒時代」があります。この時代は文化的にも取るに足らない時代と言われています。果たしてそれは事実か否かです。今回の勉強会では、「暗黒時代」に関する私の考えをお伝えしたいと思います。」

発表者:大村 幸弘(アナトリア考古学研究所)

定員:300名(先着順)

申込要領

*アナトリア考古学研究所(tokyo@jiaa-kaman.org)へ電子メールにて、7月20日(水)までにお申し込みください。

最後に

コロナウイルス感染拡大は遺跡発掘の現場にも大きな影響をもたらしたようで、40年以上に渡り調査を続けてきた大村先生は2020年、2021年と発掘を行えなかったそうです。現在はまもなく始まる本格的な発掘調査の前に、発掘する場所のクリーニングを行っているそうです。

私も昔、カマン・カレホユックの遺跡に伺ったことがあるのですが、広大な大地に何層にも渡って遺跡が重なっており、歴史が発見されるのを待っていると感じました。2020年にNHKで放映された「アイアンロード〜知られざる文明の道〜」という番組で、大村先生の発掘調査で、紀元前24~23世紀の地層から鉄製品が発掘されたことが取り上げられていました。また、普通の生活をしている人々が暮らす場から鉄製品が多く出土したことから、鉄の使用は思っていたよりも一般化されていたのではとお話されていました。

遺跡から発掘された出土品は歴史研究における一次資料として仮説を正当化する重要なエビデンスです。そんな視点を持ちながら、大村先生のお話を聞いてみませんか?