今からIBを始める君へ:本質は受け継がれゆく(前篇)

皆様こんにちは。高知県立高知国際高等学校1年の竹森です。今回は、私が中学校で取り組んだMYPの授業から「特にバズった授業」を紹介したいと思います!どうか最後までお付き合いください。

MYPのパーソナルプロジェクトを終えて

私の学校では今年の11月からDPの授業がスタートするので、ブログ執筆時点(9月)にはMYPの授業がだんだんと終わり、DPの授業の説明なども増えてきて、いよいよDPに向かっているな、という実感があります。

そうそう、先日ちょうどMYPの集大成ともいえる研究活動である「Personal Project」の発表会が終わりました~!

このプロジェクトは1年近くの長期間をかけて自分が興味がある研究に取り組むのですが、もちろん期間中にも他教科の課題がどんどん出されるので、なかなか計画したように進みませんでした……。機会がありましたら、このプロジェクトについても詳しくお話したいです。

本質は受け継がれる

さて、今回ご紹介するのは、今から2年前、私が中学2年生の3学期で行った、MYPの理科の授業です!その授業では、「本質は受け継がれる」という探究テーマで、「遺伝子」の内容について学習を行いました。その単元の総括的評価課題(成績がつく課題)だった「DNA抽出実験の計画書とレポート」が、MYP3年間で出された課題の中でもひときわ大変でした……。

課題を一言で説明すると、「自分で一から実験を計画し、食材からDNAをたくさん取り出すことができる条件を探す」というものです。

具体的には、私たちはある国の警視庁科学捜査班という位置づけで、どの試薬をどの程度使って実験をすればDNAをたくさん取り出せるか調べるため、1種類以上の食材を選んで「DNAが最も多く取り出せる実験方法」を見極めるというものでした。

熊谷先生にこの話をすると、こういった手法は、場(ストーリー)を設定し、研究や議論をする「GRASPS」という欧米のMYP校でよく使われる課題設定の仕方だそうです。

いつも時間が足りなくなるので……

私の学校では、一から実験を計画してデータを収集する、という課題がよく出されるのですが、なかなか他の学校で行うことはないと思います。IBらしい学習体験ではないでしょうか。

この課題に対して私は、「食材を冷やすほど抽出できるDNAの量が増える」という仮説のもと、オレンジジュースを用いて実験に取り組みました。

先行研究を調査したところ、DNAを抽出する実験にはバナナやブロッコリーが使われることが多いようなのですが、あえて液体のオレンジジュースを選んだのにはちょっとした理由があります。

実はDNAを抽出する際、食材をすりつぶす必要があるのですが、試しにバナナで実験を行ってみたところ、このすりつぶす作業にかなりの時間がかかることがわかりました。この手の「自分で一から実験を行う」課題において、いつも授業時間が足りず放課後に追加実験をする必要が出てくることを知っていた私は、なるべく実験に時間がかからない方がいいだろうと考え、すりつぶす必要のないオレンジジュースを使うことにしました。

中休み

そこでさっそく私は、スーパーへ100%オレンジジュースを買いに走りました……。が、しかし、この実験はなかなか思うようにいきませんでした。

その実験の顛末は次回に続く!