この韓国映画見逃していませんか?

みなさん、こんにちは。熊谷優一です。2018年にベトナムはサイゴンで「フーン・ライ(Huong Lai)」というレストランを経営されている白井尋さんに当ブログに寄稿いただきました。

熊谷の憧れの存在、ベトナムでレストランを経営する白井尋さんに寄稿していただきました。

白井さんは私が心から尊敬してやまない人物のひとりで、「Heroes」シリーズでも取り上げさせていただきました。何年か前にベトナムに行ったときに偶然にも、会って話が聞きたいと思っていた白井さんにお時間をいただくことができ、真冬並の寒波かと思うほどにクーラーが効いたサイゴンのオサレカフェ(笑)で3時間にも渡って、話し込んだことを昨日のことのように思い出します。

ベトナムで出会った二人の教育者との対話を通して熊谷が自らの教育観を見つめ直しました。

というのも、あれ以来、白井さんがおっしゃっていた「良知」とは何だろうとずっと思っていたんですね。冬休みになにげに見返した3本の韓国映画にその答えが描かれているように思えたんです。どれも涙なしには見られない作品です。お時間があったら、ぜひ御覧いただきたいです。

おばあちゃんの家

2003年、NHK教育のハングル講座でこの映画のDVDが紹介されていたのをたまたま見たんです。それを見て、号泣し、気仙沼のレンタルDVD屋にリリースになるやいなや借りに行きました。そして本編へ見て号泣し、特典映像を見て号泣し、翌日返却する前にもう一回ずつ見てさらに泣きました。そして返しに言ったついでにDVDを買って帰って見てまた泣いて……。それ以来、年に1回見て泣くのが恒例になっています。

ほとんどセリフがないこの映画には子役時代のユ・スンホが出演しています。彼が演じた孫が良知を知るための90分に、おばあちゃんがしたことといえば、ただ待つことと私は今まで思っていました。が、もう一度見直してみると、実は何もしていないのです。ただただ預かった孫との一日一日を丁寧に生活しているだけなのです。そして、孫はおばあちゃんとの生活の中で自分の純粋な気持ちに気づきます。

私が生徒と接するときの基本的なスタンスはこの映画のおばあちゃんから学んだんではないかと思います。この映画がヒットするなら韓国の人と絶対に心を通わせることができると確信しました。今なら、Amazon Prime Videoで100円で見られますよ。

パパロッティ

主題歌がいいんです。これをオリジナルの해바라기(ヘバラギ)が歌ったのではなく、オペラ歌手が歌ったのがまたいいんです。クライマックスに使われているこの歌を歌っている方も、聞いている方も泣いていないのがなおいいんです。

この映画は先生と問題が多い生徒の関係を描いたベタと言えばベタなドラマです。私はハン・ソッキュが演じた先生に完璧に感情移入してしまいましてですね。生徒が世界に羽ばたく上で自分自身が阻害要因になってはいけないと心に刻んでいます。私が先生をしている中で、この先生はロールモデルと言っても過言ではないと思います。

TSUTAYA TVなどで見られるようです。

あの日、兄貴が灯した光

ああ、この作品もベタ中のベタと言えるかもしれませんが、上記の2作品同様、何度も何度も見ました。2018年だったかな?IBのプロジェクトなどで1ヶ月間にアジアを三往復したんですね。機内の映画が皆同じで、行きに「君の名は」とこの映画を見て泣いて、帰りにももう一回ずつ見て泣いてを3回繰り返しました。なのでストーリーは完璧暗記していますが、それでも見たくなっちゃうくらい人間関係のスタンダードを描いています。

兄弟の話です。失明した弟を理由に早期釈放を勝ち得た服役中の兄が弟を通してよいということを知る過程が描かれています。私はチョ・ジョンソクが演じた兄役に自分を見ました。理解し合いたいという人間の根本欲求がこじれて対立が生じても、仕切り治せると信じることができます。

dtvでみられるようですよ。

最後に

今回は3作品を紹介しましたが、「JSA」と「My Son あふれる想い」という作品もおすすめです。どちらも人間の良さとは何かを描いています。その良さを知るには他者の存在と他者との関係性が不可欠だと私は思いました。

エンタテイメント作品や芸術作品には作品(最終結果)を通して自分自身と対話するパワーがあります。自分にとって何がよくて、何がよくないのか。早く、伝えたいメッセージが思うように伝えられ、そのメッセージを受け取れるような状況になってほしいと心から願っています。芸術が持つ力を信じて。