みなさん、こんにちは。熊谷優一です。
国際バカロレア機構(IB)が提供する高校2年~3年生を対象としたディプロマプログラム(DP)は、言語は違えど全世界共通の日程で各科目の試験が実施されます。その結果によってディプロマ(資格や証明という意味です)が授与されたり、されなかったりします。
先日、2020年11月試験を受験した成績が公式に発表されましたね。私のもとにはうれしい結果報告が届いています。中には私も関わったみなさんもいるので、私も嬉しく想います。ディプロマ取得おめでとうございます。
さて、以前、IBDPの基本的な評価の枠組みと、2021年11月試験の変更点について取り上げましたが、今回はその日程がIBから発表されたので、私の現任校でオファーしている科目を例に説明していきたいと思います。
2021年の評価に関する変更点
評価の変更点について、もう一度振り返りたいと思います。変更のあったところを、以下の写真で赤で表示しました。
試験が削除されたり、試験の内容が縮小されたりで、配分も変更されています。このことで生徒のみなさんは目標スコアを達成するためにすでに戦略を練り直していることでしょう。また、先生方は指導内容と順序を再構成し、生徒にアナウンスしたはずです。
最終試験はもう1年も残っていません。今年度中には内部評価が行われる科目もあるでしょうし、来年度早々から次々と所定の評価に関わる課題の提出が始まります。また進学の準備も同時並行で進みますかた、総合戦略がまだ描けていなかったら、早急にたてることを勧めます。
2021年11月試験日程
試験日程は以下の画像のとおりです。私がコーディネーターをしている学校では、現任校ではグループ1(母語)で「言語と文学」をSLとHL、2で「English B」をHL、3で「歴史」をSLとHL、4で「Chemistry」をSLとHL、5で「Math: Analysis and Approaches」をSLとHL:、6で「ビジュアル・アーツ」のSLか4の「生物」のSLとを選択し、学習します。英語で表記している科目は英語で、日本語で表記している科目は日本語で学習しています。
変更点を見ただけではわかりませんでしたが、試験日程を見るとこれまでと全然違うなというのがよくわかりますね。全体的に余裕があります。高得点を狙うならチャンスだと思います。
実現可能な目標設定
私が教えているのは「知の理論(Theory of Knowlede)」という科目です。100時間の学習時間が求められており、プレゼンテーションとエッセイで評価されます。私はこの科目のエッセイの採点方針を策定するメンバーのひとりですが、エッセイでは最低でもレベル4を獲得できるように指導しています。
年末の特別時間割期間にはレベル4以上のエッセイを書けるように特訓しました。出来上がったエッセイを一人ひとり私にプレゼンしたり、エッセイの内容について私からの詰問に答えたりしながら、書ききれなかったことを自覚させるのが目的です。また、ネットワークを駆使して、プレゼンテーションのプリンシパル・イグザミナーを経験された先生から生徒が直に指導を受ける機会も設けました。年度末のプレゼンテーションの発表に向けて、具体的な想定ができたことと思います。
3月になればエッセイの所定課題が発表されますから、もうただ「知の理論」という科目を学んでいるだけではなく、学んだ成果を限られた時間の中で次々と産出する時期にきています。悠長に構えていてはいられないのです。生徒個々人が今どういう状態でいるかは指導者であれば、分析できている時期です。生徒とその確認作業をしながら、目標を明確に設定させ、それに向かって学習者と指導者の共同作業がいよいよ始まるのです。
最後に
先日終わった11月試験は予定通りに実施されましたね。試験結果が一昨日届いていると思います。チェレンジしたみなさん、結果はどうでしたか?目標は達成できましたか?
現高2のみなさんは来年の今頃にはもう結果が出ています。最終試験まであと10ヶ月弱ありますね。最善をつくすつもりでいると思いますが、挫けそうになっても、10ヶ月の辛抱です。このチャレンジを心ゆくまで謳歌してください。
保護者のみなさん、時には寄り添い、時には叱咤激励し、最後まで伴走してあげてください。見ている私たちは、どんなに頑張っても代わってあげることはできません。お子さんだけが挑戦できます。しかも日本全国でごく少数の子どもたちにしか挑戦できないのです。お子さんがめげそうになったら、どんなに貴重な経験をしているのか、語って聞かせてください。
どんなにやりたくても私にはできないので、羨ましい限りですが、伴奏できるだけでも幸せに思います。ともに走りきりましょう!