大学生になった僕たちの学び:酒井優輔の場合

みなさん、こんにちは。何度か当ブログで登場させていただいている熊谷先生の教え子の一人、立教大学経営学部一年酒井優輔です。

今回は大学での学びについて、大学生初の夏休みを通して気づいたことを踏まえて書きたいと思います。特にサークルに所属しているわけでもない私が、今年の夏は今までで一番充実していたと思えたその理由をぜひここで紹介させてください。

山賊キャンプ

まずは夏休み前、私は大学の授業を通して自分の得意分野というものを初めて認識し、今後の自分のスタイルを定めました。それは一言でいうと「仲介人」の立場であり、人とつながり、人をつなげていくことに価値を見出しました。詳しくはこちらをご覧ください。

熊谷先生の教え子酒井優輔君が、何やら賞を受賞したそうです。

そんな自分の立ち位置がようやくわかった私は夏休みの初めに「山賊キャンプ」というアクティビティにボランティアとして参加してきました。

「山賊キャンプ」とはNPO法人グリーンウッド自然体験教育センターが主催するイベントで、小学生と中学生の子どもを対象とした企画です。キャンプにはいくつかコースがあり、コースごとに異なった様々な活動を山の中で楽しめます。しかし、コースは違っていても山賊キャンプの基本コンセプトは変わらず、全体で統一されています。そのコンセプトは要するに「子ども中心」ということです。

山賊キャンプの特徴は、子どもたちが自分で考えて行動を選択することとなっており、例えばキャンプ中の日程やごはん三食のメニューは全部子どもたちに任せます。そのため、高校生以上から構成されるボランティアは「先生」ではなく「相談員」ということになっています。このキャンプに参加した子どもたちはもちろんのこと、相談員であった私もキャンプの中で学びを得ました。

キャンプでツナグ

私はキャンプの経験があまりなく、火の起こし方さえもあいまいな状態で参加しました。それに比べ、ほかの相談員の方たちはみな経験者で、正直不安しか感じておらず、キャンプが始まって最初のうちは劣等感に苛まれていました。しかし、私はもう劣等感に苛まれて何もできない男ではありません。「仲介人」の自分が今この状況で何をできるのか。それはもちろん人とつながり、人をつなげることです。

例えばそれは、ご飯づくりにおいて発揮されました。ご飯づくりには大きく二つの担当があり「火おこし係」と「調理係」、この両方の分担や連携がご飯づくりを素早く終える鍵となります。しかし子どもたちは一つのことに集中する傾向が強く、それぞれの係の問題はそれぞれで解決しようとします。火おこし係が野菜にうまく火が通らないことに気がついても、それは火力の問題だと考えます。

ですが、実際には野菜の切り方に問題がありました。この事実に子どもたちだけで気が付くには難しかったようなのでヒントとして「係をいったん交代したらどうか」と提案しました。何人かの子どもが係を入れ替え調理に臨んだところ、野菜の切り方の問題を発見しました。

結果として、子どもたちは大人に直接答えを聞くことなく、より効率の良い方向に向かうことができました。この件から私は、相談員という存在は私の目指す「仲介人」によく似た存在であり、相談員が自身主体でなく子どもを主体とするように「仲介人」は常に客観的な立場である必要性に気づくことができました。これが私の相談員として参加した山賊キャンプで得た学びです。

農業でツナガル

夏休みの終わりには立教大学主催の「農業体験」という企画に参加してきました。実は普段私は、埼玉県所沢市にある農場でアルバイトをしているのですが、そのこともあり農業については人よりも強い興味を持っています。そのため、大学内で「農業体験」の看板を見つけ、思わず応募してしまいました。

結果として、農業体験を通してもやはり、多くのことを学びました。例えば「つながり」についてです。農業体験と一口にいうものの、実際にはただ農作業を体験するだけでなく、農家の方々のお話をたくさん聞かせていただきました。みなさんから聞くどのお話にも「つながり」が大切であるということが感じられました。栄養、微生物、土、大腸菌、技術そして人、この世の全てのものはつながっていると、普段都会で生活していても感じられないことが農業、農家の方々との交流を通して改めて実感することができました。

もちろんこの学びも自分の中では大きなものでしたが、もっと大きな気づきがありました。それは自分が自分自身の意思で、何かに挑戦しようという姿勢が確立されたことです。高校時代は「何かに挑戦しなければ」という焦りや不安から挑戦することを受動的に選択していました。しかし、今では自分がやりたいから、自分が知りたいから、自分が「つながりたい」から能動的に挑戦しようと考えるようになりました。大学生にもなって、ようやく自分で道を選ぶ方法とその勇気を見つけたのです。この発見は自分にとっても驚きでしたが、これからも何かに挑戦しようという自信にもつながりました。

最後に

たくさんのことを学んだというのはうそではなく、ここにももっと書きたいのですが、今は自分がすべてを通して学んだことを伝えることにします。一年の半期、そして夏休みを終えた私は「つなげる」ことに価値を見出し、「つながる」楽しさを覚えました。私はそういう意味では「仲介人」の才能があるのかもしれません。他の誰かより優れた能力はなく普通でも構いません、私が普通であることは他の人にはできないことだから。これが私の大学で得た学びです。

ここまで読んでくださったみなさん、どうもありがとうございました。今後も温かい目で私の挑戦を見届けていただけると幸いです。

最後に、前回私が書いた記事で書いた授業の発表がYouTubeにアップされているので、ぜひ私たちのビジネスプランをご覧いただき、フィードバックなどしていただけたら嬉しいです。