『チャリティキャラバン in 大阪 夏』出演者紹介④後藤美句先生

皆さん、こんにちは。熊谷優一です。本日は『チャリティ・キャラバン 2025 in 大阪 夏〜国際バカロレアの学習と学びの連続性について考える〜』に第三部でお話しいただく後藤美句先生を紹介したいと思います。

イベントのチラシでは後藤先生を次のように紹介しています。

AIC World College of Osaka国語教員。筑波大学大学院国際教育サブプログラムを卒業し、IB教員資格(Advanced)を取得。修士課程おいて、子どもたち一人ひとりの多様性が認められる学校作りに関する研究を行い、「一条校の国際バカロレア初等教育プログラムにおける学級づくりに関する研究―IBPYP のエージェンシー概念に基づいた教師の指導に着目して―」という修士論文を執筆する。大学院在学中には、LGBTQ+の学生支援団体を立ち上げ、多方面から多様性に関する研究と実践に積極的に取り組んだ。団体の活動は注目を集め、NHK「虹クロ」という番組にメンターとして出演するなどその活動の幅を広げてきた。今後もIBの教育理念を体現し、生涯学習者として学び続ける教育者としての歩みを貫いている。

では、せっかくですからここからは後藤先生に筆を代わりますね。

詐欺師かと思うほど

皆さん、こんにちは。後藤美句です。現在は熊谷先生が校長をされているIB PYP認定校で教えています。熊谷先生は大学院の先生から、パッションに溢れた先生が大阪で校長をしているとお聞きし、紹介いただきました。キャロル先生もすごく褒めていたので、ぜひとも熊谷先生とお話がしたいと思いました。

現在の学校では本当に日々様々なことを学ぶことができています。大学院でIBを研究してきた私ですが、まだまだ実践面で私の知る世界は狭く限られています。その世界を熊谷校長を始め他の先生方から学んでいます。

特に、熊谷先生は授業の目的は何かと私たちに問います。その目的を達成するために、選択した指導のアプローチはどの程度適切だと言い切れるのか。それを自信を持って言えるようになりなさいと助言いただいています。

それだけではないんです。熊谷先生が私たちに毎日のように投げかける問いは、「思考する時間」と「問う時間」をもたらします。教員になると、日々授業準備などでなかなか自分自身で何かを「問う時間」を持とうとすることができません。しかし、熊谷先生とお話する中で、あたりまえを問い、新たな気づきや学びが得られています。

ある日、直観について話していた時のことでした。熊谷先生から、「敢えて直感に従わない「counterintuitive(直感に反すると訳ばいいでしょうか)ってどんな場面に有効だろうね?」と聞かれました。普段はなかなか考えないことでしたが、それは問われていないから考えなかっただけで、実はそういうことを漠然と考えたことがあることも感じました。子どもたちも同様で、「問われないから答えないだけで、本当は子どもたちなりに考えは持っているから、大人が良質の問いを投げかけることが大切だ」と熊谷先生が以前言っていたのを思い出しました。

そんな熊谷先生の言葉に、私は大きな影響を受けています。たぶん、皆さんに賛同していただけると思うのですが、熊谷先生はとても優秀な詐欺師になれる(本人も時々そう言っているのであえて書きます!)と確信するほどに、言葉巧みなんです。

教育者として目指していること

私は、学生の頃、一斉授業や詰め込み教育に対して批判的な視点を持っていました。そのことが、より個の学びや成長を重視するIB教育に関心を持ったきっかけでした。筑波大学大学院でIB教育について学べると志望したのもその方法を知りたかったからです。

大学院では、IBの教育理念について哲学的な視点から学びました。研究を進める中で、「なぜ私は教育学を学ぶのか」「なぜIB教育に関心を持つのか」と自らに問い続けることを大切にし、思索を深めながらIBに関する研究に取り組んできました。

こうした思考のプロセスを経て、IB教育の根幹にある価値観や理念に、より深く触れることができたと感じています。こうして考えると、問うことって自分から世界にというベクトルと、自分から自分に向かうベクトルもありますね。熊谷先生の言葉を借りれば、自分自身に問いを投げかけることを通して、元々自分が考えていたことが明らかなるということでしょうか。

私たちの学校には日本人の子どもたちが多く在籍しており、彼らが将来、日本や世界で活躍していくためには、まず「日本人としてのアイデンティティ」を形成することが重要であると考えています。それは私たち教員にとって大きな使命であると感じるとともに、そのアイデンティティ形成に問いを投げかけることを通して貢献していきたいと考えています。

最後に

再び熊谷優一です。私が彼女のことを知ったのは彼女の恩師、キャロル犬飼ディクソン先生からでした。「こんな先生がいるけど興味あったら紹介するよ」と送ってもらった履歴書を見て驚いたのを覚えています。幼稚園、小学校、中学校、高校の教員免許を持っているだけでもびっくりなのに、司書教諭の免許まで取得しているんですよ!

教員免許取得に当たっては、大学の卒業資格を満たす単位以外に、文科省が定めた教員免許取得のための単位を別途取らないといけないことは皆さんもよく知っていると思います。私も大学時代に中高の英語の免許を取りましたが、日本国憲法や教育心理などなどまあまあの単位を取らないといけないため、結構苦労した憶えがあります。

それを知っている身としては、昨今は昔よりも教育実習の期間も長くなりましたし、幼稚園から高校、さらには司書教諭の免許までとったのは相当な労力だっただろうなと思うのです。

私の学校ではシンガポール算数を採用しているのですが、彼女は日本の算数とシンガポール算数の違いを日本人の保護者の皆さんにわかりやすく説明してもらっています。その中で、なぜそういうアプローチを取るのかを、ディプロマプログラムで求められる学力から逆向きのカリキュラム設計するという点をイベント当日は話してもらう予定です。

まだ申し込みは間に合いますので、当日足を運んでみませんか。申し込みは以下のリンクをご覧ください。

https://aicwc.jp/event/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=2025ga&gad_source=1