生徒・保護者向け 先生向け 熊谷優一

IBと日本の教育について

投稿日:2017年3月2日 更新日:

皆さん、こんばんは。熊谷優一です。今日もブログを覗いていただきありがとうございます。
先日更新後、予想していた以上にアクセス数が伸びてビックリしています。
今後、ますます国際バカロレアへの関心が高まって欲しいと心から願っています。

苦い経験から

前回投稿したIBワークショップでの私の苦い経験について、同じような経験があるとたくさんの方から反響をいただきました。
そしてある方から、その話が大前研一氏の「世界への扉を開く“考える人の育て方国際バカロレア(IB)教育が与えるインパクト」という本で触れられていると教えていただきました。

大前研一氏についてはこちらでチェック!

早速本屋に行き、手に取ってみると……

日本国際バカロレア教育学会」会長の犬飼・ディクソン・キャロル先生のインタビューの中で、私が以前キャロル先生に話したことが確かに触れられていました。

キャロル先生について

キャロル先生は、筑波大学大学院のIB教員養成コース立ち上げに尽力されています。
そして私を一人前のIBコーディネーターに育てるべく、指導してくださっています。そういえばいつだったか、私の話をしてもいいかと聞かれたような……
キャロル先生と初めて対面した日、どんな流れでそういう話題になったのかは忘れてしまいましたが、モンティ・パイソンの話で盛り上がったのを覚えています。歩きながら「Always Look on the Bright Side of Life」を2人で歌ったりして。

キャロル先生は、日本がこれまで行ってきた教育実践を高く評価しています。そして、IBを導入することによって、更に発展させることができるともおっしゃっています。

私が勤めている学校の体育の授業を、彼女と参観した時のことです。

生徒たちは男女各3グループに分かれて、トランポリン、マット運動、跳び箱をしていました。1人がトランポリンを練習している間、他の生徒たちは「中央からそれている!」など助言をしながら、バランスを崩して転倒するときに備え、両手を差し出して待機しています。跳び箱やマット運動でも、ケガをしないように交代で生徒同士が介添えをしていました。

すると、ある生徒がなかなか跳び箱を跳べないでいます。

周りの生徒は「次はお尻を高く上げるイメージで!」など次々、彼にアドバイスをしました。
彼は試行錯誤の後、跳び箱を跳ぶことができました。彼は喜びを顕わにし、祝福を受けながら、今度は他にも跳べずにいる級友たちに助言をするようになりました。

私たちからすると、ごく普通の体育の授業風景です。しかし、そこに日本独自のたくさんの学びがあることを彼女は指摘しています。
IBが日本の教育を発展させる可能性と共
に、日本のIBが世界の学びを発展させる可能性がある。「あなたそれを叙述しなさい。」と私の両肩をがっしり掴んで彼女は言いました。

IBの学習者像とは

さて、IBはその教育の目的について次のように記しています。


IBは多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する。探求心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。

文部科学省 国際バカロレアについて 2.国際バカロレアの理念 (1)IBの使命(The IB mission)より-

また、どのような若者を育てたいかは、以下の10の学習者像(Learner Profile)に表れています。


・探求する人(Inquirers)
・知識のある人(Knowledgeable)
・考える人(Thinkers)
・コミュニケーションができる人(Communicators)
・信念を持つ人(Principled)
・心を開く人(Open-minded)
・思いやりがある人(Caring)
・挑戦する人(Risk-takers)
・バランスがとれた人(Balanced)
・振り返りができる人(Reflective)

文部科学省 国際バカロレアについて 2.国際バカロレアの理念 (2)IBの学習者像(The IB Learner Profile)より-

IBと日本の教育について

先ほどの体育の授業で生徒がとった行動を、このIBの学習者像に照らし合わせて考えてみると、結構当てはまる項目がありませんか?
IBの教育は、日本のそれと著しく乖離しているわけではない。私もキャロル先生もそう考えています。
このブログを読んでいる先生方は、授業内外で行っていることを。生徒の皆さんは、今まさに学んでいることを。保護者の皆さんは、学校で提供される様々な学習機会を上記の学習者像に照らして整理してみませんか?
日本の教育を見直すために、IBというフィルターはかなり使えると思うんです。

最後に

「知っていて選択しないことと、知らなくて選択しないことはまるで意味が違う。」と言ったのは、このブログを共同で運営している松岡航君です。
IBのことを一度知ってみてください。
情報量が多く、理解するまで時間がかかりましたが、私はハマりましたよ。そして知ることでたくさんの機会を得ました。
このブログが皆さんのIBを理解する助けになれたら幸せです。これからも様々な情報を発信していきたいと思うので、時々覗いてみて下さい。

今日も読んでいただきありがとうございました。

-生徒・保護者向け, 先生向け, 熊谷優一

関連記事

あなたは目から?それとも耳から?

こんにちは。熊谷優一です。 いよいよ花粉が本気を出してきましたね。私は目からやられるタイプです。確かにこの季節、真っ赤な目をしてますが、「赤鬼」や「地獄からの使者」だの、鹿間謙伍君のエントリーにあった …

レシピ -ひとつの記事ができるまで-

みなさん、こんにちは。松岡航です。 私は今季、花粉症デビューを果たし、例年にない厳しい春を迎えています。 今回が私にとって、2回目のエントリー。我々がひとつの記事を完成させるまで、どのような行程を踏ん …

TOKで智に挑む

みなさん、初めまして。鹿間謙伍と申します。 以前執筆した浅見君と同じく、2017年3月に筑波大学附属坂戸高等学校(筑坂)を卒業する、熊谷優一先生(クマユウ)の教え子です。 浅見君のエントリーこちらから …

EdmodoCon Japan 2017

2017年2月25日(土)に開催された、EdmodoCon Japan 2017で教育用SNS『Edmodo』を活用した授業例について発表してきました。 EdmodoCon Japan 2017の様子 …

これまでも、これからも

皆さん、はじめまして。阿部富子と申します。宮城県南三陸町にある県立高校で養護教諭をしています。 東日本大震災から、まもなく6年が経ちます。 私はあの日、身に着けていた衣服以外カタチあるものはすべて一瞬 …