ふるさとの先生たちへ vol.1-1

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みなさん、こんにちは。熊谷優一です。

ちょっと前になりますが、私の母校である気仙沼高校で先生たち向けワークショップにファシリテーターとして呼んでいただきました。卒業してもう20数年、男子校だった母校は共学になりました。女子の制服は合併した鼎が浦高校(気仙沼湾が鼎の形に似ていることから、別名鼎が浦といいます)はそのまま、そして男子は私たちのころは私服でしたが、今はブレザーになっていました。

そんな時代の変化に少々感慨に耽りながら、「グローバル人材育成という観点から見た気高生」というテーマで気仙沼高校の先生方とディスカッションさせていただきました。

グローバル人材として必要なスキル

ワークショップは各教科ごとに分かれて行いました。まずはグローバル人材育成という言葉を私たちはよく耳にしますが、実際に「グローバル人材」にはどのようなスキルが求められるのか、はっきりと意識しているわけではありません。

気仙沼高校はSGHの研究テーマとして「グローバルリテラシー」育成を掲げています。グローバルリテラシーは国際対話力などと訳されます。言語力だけでなく、異なる文化や考え方をする人とコミュニケーションをとる能力を育成するという点で、21世紀型スキルや国際バカロレア(IB)の学習者像ともリンクしますね。

長くなってしまうので、このディスカッションの詳細は省きます。みなさんは、グローバル人材に必要なスキルといったらどんなことを思い浮かべますか?きっと英語力だけではないはずです。

気高生の強み

この議論が面白かったです。気仙沼高校の卒業生の1人として、気仙沼高校の先生たちが生徒のことを本当に細かく見ているなと嬉しくなりました。先生たちは強みは弱みであり、弱みは強みであるという視点でお話しされていました。陸の孤島といわれる気仙沼ですが、だからこそ文化が継承される。素直で受容力が高いけれども多角的なものの見方という点では弱い。などなど…

そして慎重に言葉を選びながら、東日本大震災を経験したことを強みとして挙げていました。実は、あの時私は言えなかったのですが、グローバル社会の一員として、私たちが経験し、そこから学んだことを全世界に発信することは支援を受けた私たちの責任だと思っています。そして、いつどこで起こるかわからない災害のため、どのような備えがあれば多くの命を救うことができるのか、それは私たちが一番知っていることです。そういった意味では、グローバル人材として最も貢献できる分野を気仙沼高校の生徒たちは持っているのではないでしょうか。

答えがひとつではない問い

最後に、様々な知識やスキルを応用しないと答えられないような問いをどうやって作るのかに焦点を当ててディスカッションしました。使った写真は、東京タワーとスカイツリーです。この写真から、各教科の特性を活かして、問いを作ることが課題です。

気仙沼高校の先生たちは難しいといいながらも、様々な教科からの視点で問いを作っていきます。まさにコラボレーションの結果です。そして、各科目の先生たちから、問いが発表されると低い歓声が響きました。

家庭科の先生からは、「地上にいるときと展望台にいるときの服装に違いはありますか?違うとすればどのような知識に基づいてその判断は下したのですか?」という問いが出されました。私たちの着る服といっても、素材・機能等々さまざまな要因に影響されていますよね。気仙沼高校の生徒さん、どう答えますか?今度は生徒のみなさんとディスカッションしてみたいですね。

私の担任の先生は地歴の先生です。先生からは昔、限界点ということを教わった覚えがあります。貝塚があった場所が古代日本において災害から身を守る最も安全な場所だったと。事実、気仙沼市内の貝塚のほとんどは東日本大震災の津波被害から逃れています。

先生は、「東京タワーとスカイツリーを建築するときに考慮されたことは何か?」というシンプルな問いを立てました。先生は、2つのツリーが建てられた土壌の違い、そして交通の便、時代背景、経済効果などなど私が学んできたことが、すべて応用できるような深い問いであることを説明すると、会場はどよめきました。

その先生が普段どんなことを考えながら教科指導をしているのか、同僚でもこういう機会でないとなかなか聞けませんし、私自身、気仙沼高校の先生方から様々なヒントを得ることができました。今回はなかなか思っていることを言語化できなかった先生もいらっしゃったかもしれません。でも、考えに考えて、自分なりに答えを導き出そうという気概は見て取れました。それが何よりも嬉しかったです。

最後に

先生方から、「気仙沼高校の生徒は機会と刺激があれば必ず伸びると信じている」と聞き、一卒業生としても、教育者としてもとても嬉しく思いました。

気仙沼高校は来年度に気仙沼西高校と合併します。合併にかかる事務的な手続きなど、今先生たちはその準備で忙しくされています。部活にも力を入れている学校です。そしてSGHとして様々なプログラムを立ち上げて、生徒に学習機会を創出しています。忙しくて忙しくて、それでも生徒と向き合いたくて苦心されている先生方をどうか地域のみなさんは応援してほしいと心から願っています。

生徒に学習機会が増えるということは、その分だけ先生の業務負担が増えることを意味します。何とか軽減できる知恵はないのでしょうか。部活をなしにすればいいという簡単なことではありません。部活は部活でいいところがあります。先生たちが自己満足でやっているとみる向きもありますが、私は決してそうは思いません。部活動が生徒の情緒形成に重要な役割を持っていると私は思っています。

だから学校教育には様々なサポートが必要です。批判をすることは簡単ですが、先生、保護者だけでなく地域が子供たちの成長を支えるのは日本の良さではなかったでしょうか。そうやって私たちは育ちました。これからの日本を担う子供たちのため、みんなで力を貸しあっていきましょうよ。それが大人たちにも学びを提供してくれるはずです。

ふるさとの先生方、本当にお忙しいことと思います。でも生徒のために頑張ってとは言いません。ネットワークを広げていきましょう。ひとつの学校で学びが完結する時代ではなくなっています。みんなの得意を少しずつ持ち寄って、補い合っていきましょう!

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