今からIBを始める君へ:IBという学び方

スポンサーリンク




みなさん、こんにちは。熊谷優一です。筑波大学附属坂戸高等学校で国際バカロレア・ディプロマ・プログラム・コーディネーターをしています。

次の学習指導要領では何を学ぶかに加えて、どのように学ぶかという点が強調されています。チョーク&トークと呼ばれている先生が板書しながら説明するタイプの学び方ではなく、学習者は他の学習者や指導者との対話を通して主体的に学ぶといったIBに通じる方法でこれからの子供たちは学習していきます。

今回は、IBの学び方、「Approach to Learning(ATL:学習の方法)」と「Approach to Teaching(ATT:指導の方法)」について取り上げたいと思います。中学生のみなさん、そして保護者のみなさんはIBのプログラムではどのように学習するのかがわかると思います。そして先生方は指導者としてどのように教えるのかがわかると思います。

IBの何が好きかっていうと…

まずは、保護者のみなさんも、中学生のみなさんも、そして先生方も以下のIBOのサイトをご覧ください。IBの学び方(ATL)と教え方(ATT)が日本語で解説されています。

「指導の方法」と「学習の方法」

さて、私はIBの何が好きって、このATTとATLでどう学び、どう教えるのかが明確に説明されているところが好きなんです。授業者としては、授業を通して生徒のどんなスキルを伸ばすように教えればいいのかがわかるし、授業をどのように組み立てていけばいいのかの指針がここで示されているので、どんな学習内容についてもアレンジして教えることが可能です。先生個々人の個性を発揮することができるばかりか、生徒と化学反応、他の先生の実践をも楽しむことができます。

授業すること、他の先生の授業を見て学ぶことに、思わず中山美穂の「WAKUWAKUさせて」を口ずさみたくなるくらいテンションが上がりますよ。授業するのが楽しくて仕方ないっていう先生たちの下で学ぶ生徒って、やっぱり学ぶことが楽しくなるんじゃないかなって思うんですよ。

私の生徒は、やれやれってあきれ顔をしながら、「先生、今日は何なの?」って目を輝かせて身を乗り出してきます。そしてまんまと、「先生、それってさぁ…」とどんどんアイディアを出してくれるので、毎度毎度授業は「マジ卍」です。

ATL:IBの学習の方法

ATLはなぜ「知の理論(TOK:Theory of Knowledge)」や「課題論文(Extended Essay)」がディプロマプログラムのコアに位置づけられているのかがわかると思います。そして学習者が主体的な探求を通して学ぶためにどのようなスキルを身につけなければいけないのかが叙述されています。

さてIBの学習を通して身に着けられるスキルは以下の通りです。

1. 思考スキル:Thinking Skills
2. コミュニケーションスキル:Communication Skills
3. 社会性スキル:Social Skills
4. 自己管理スキル:Self-management Skills
5. リサーチスキル Research Skills

それぞれ詳しいことは当ブログが新装オープンしてから書こうと思いますが、以上の5つを見るだけでもIBの授業がどのように進行されるのかは想像がつくのではないでしょうか。この5つのスキルを先生が意識して授業を行っているかどうかはすぐにわかると思います。みなさんが受けたり、見たりする授業をこの視点で見てみてみると、情報の伝達に終始する授業なのか、工夫された授業なのかが見て取れると思いますよ。

ATT:IBの指導の方法

ATTで説明されているのは以下の6つです。

1. 探究を基盤とした指導
2. 概念理解に重点を置いた指導
3. 地域的な文脈とグローバルな文脈において展開される指導
4. 効果的なチームワークと協働を重視する指導
5. すべての学習者のニーズを満たすために差別化した指導
6. 評価(形成的評価および総括的評価)を取り入れた指導

授業は探求型で、学んだことを理解することに留めるのではなく他の事象にも応用できるような概念まで落とし込み(持ち上げ?)ます。International Mindedness (国際的涵養)、協働学習、も強調されていますね。評価も、これは私自身日本の学校の大きな問題だと意識しているんですが、評価方法は透明化するべきではないでしょうか。どのような学習の結果、それをどう評価されるのか、学校のHPに載せたらいいじゃんって思います。IBでは評価は学習者とのいわば契約です。ちゃんと開示されます。差別化は「differentiation」の翻訳ですが、日本の教育の文脈では「個に応じた」と解釈するのがいいではないかと個人的に思っています。

この「differentiation」にはハンディキャップを持った生徒だけでなく、学習欲求が高く、より高度の学びを求める生徒も含まれています。したがって、障害を持ったと同様にモチベーションも学力も高い生徒達にも特別な支援が必要だという視点です。

これを制度化して、補助しているのがカナダのアルバータ州です。アルバータ州の教育委員会は一定の科目選択者に達した場合に各公立校に補助金を出し、ディプロマプログラムの科目を開講する予算を補助しています。担当者に聞いたところ、「differentiation」の一環として実施しているとのことでした。その背景にはカナダの大学はフルDPだけでなく、科目サーティフィケートでも優遇するといったことがあります。

最後に

概要的な内容になりましたが、今日のところはこの辺にしておきましょう。詳しくは、お時間のある時にIBOのATTとATLのサイトをご覧ください。そこにはユニットプランナーの様式も載っていますので、IBを教える科目の先生方がどのような学習指導案(ユニットプランナー)を書いているのか、先生方だけでなく、保護者や中学生のみなさんも見ることができます。

私はIBの授業を持っているわけではありませんが、このATTとATLは授業の最後に振り返りの時間に生徒に、「先生の今日の授業どうだった?」と当てはまるところにチェックしてもらっています。それを見れば、私が授業者として意識したような授業ができたかどうか確認することができますし、うまく扱えなかったスキルには改善策を、意図しなかったけれども今後さらに発展させることができるヒントを得ることができます。

振り返りっていっても、50分の授業の中でIBの10の学習者像、TOKのArea of Knowledge(AOK:知の領域)やWays of Knowing(WOK:知るための方法)らも振り返っていると時間がいくらあっても足りないので、そこはその授業で強調したいことをメインに、あとはローテーションを組みながら振り返りしています。

今日はIBという学び方がどのようなものかATTとATLを取りあげました。当ブログの終わりももうすぐです。最期までお付き合いください。では3日後にお目にかかります。

スポンサーリンク




フォローする